Tellurは、……現在色々物色中です。

「うどん キツネつきの」(高山羽根子、創元SF文庫、2016)

2018年8月10日  2018年8月10日 
「日常系」というのは、キャラクターの他愛もない生活の様子をクスリと微妙な笑いを交えながら描く作品が多い。実は、僕にとっては、キャラクターの日常に挟まれる異様な何かをほのめかすことによって僕たちの普通さ・平凡さの儚さを浮き彫りにする作品と認識していた。いわゆるすこし・不思議系というか、藤子不二雄系列の作品だ。  本書は紛れもない藤子不二雄に連なる「日常系」である。  最初の「 うどん キツネつきの 」は確か年刊日本SF傑作選で読んだことある気がする。その時はまだ奇妙な味というかストレンジ系に目覚めてなかったから、拍子抜けした覚えがある。3姉妹が変な姿の生き…