Tellurは、……現在色々物色中です。

アニメ「映像研には手を出すな!」(大童澄瞳、サイエンスSARU、2020)

2020年3月31日  2020年3月31日 
この作品、マンガの内容は一切知らなかったが、アニメーションを動かす楽しさだとか設定厨と呼ばれる人たちのこだわりの面白さだとかが事前の広告で強調されており、見ようと思ったのだった。あらすじを聞いた限りでは学校の部活モノ・女子高生3人主人公とストーリー部分はありきたりだと思ってたし。しかしどうもアニメーションが面白い、いやアニメーションを見よ、といった声が聞こえておりそれで興味を持ったのだ。  作中の妄想ゲーム、僕もやったことある! というか現在進行系でやっている……。だから設定の断片と共に水彩風のアニメーションが自由に動く作中内アニメは非常に魅力的で、…

「ワン・モア・ヌーク 」(藤井太洋、新潮文庫、2020)

2020年3月6日  2020年3月6日 
どうもこの本は2020年3月5日~11日を描いた作品らしい。というわけで、本書が出てすぐに現実に追い越されるため急いで読んだ。  物語は、ISIS(イスラム国)の残党によって核を持ち込まれ日本人の協力者によって核爆弾が作られたことによるテロリズム(政治的な目的があるため正しく「テロ」だ)に対し、ISIS戦士・協力した日本人・かれらを追うCIAに雇われたエージェント・偶然から事件に巻き込まれる2人の刑事という4サイドの視点で描いた作品。登場人物はそれぞれ自分の主張と任務があり、シナリオの都合でネジ曲がった部分は感じられない、極めてリアルな作品である。 …

「滅びの鐘」(乾石智子、東京創元社、2019)

2020年3月6日  2020年3月6日 
どこに出しても恥ずかしくない異世界ファンタジー(これも手垢がついた言葉だけど)。  対立する2つの民族がいて、その和解の象徴として「鐘」があった。その「鐘」が壊され、呪いが撒き散らされて、民族間でいがみ合いが起き、果たしてどのようにその争いは集結するのか……という物語。  ジャンルはファンタジーで、確かに魔法のような存在はあるんだけど、一般的に思い浮かぶ攻撃呪文とかドラゴンとか妖精とかエルフとか魔族とか伝説の武具とか意思を持つ剣みたいなものはない。古えから伝えられた知恵や人々を鼓舞する言葉などが魔法として扱われ、確かに超自然的な力を帯びているように思…