Tellurは、……現在色々物色中です。

「怪物はささやく」(フアン・アントニオ・バヨナ監督、ギャガ、2017)

2017年6月29日  2017年6月29日 
どうして空想の世界に浸るのだろう、と悩んだことがある。これが音楽やら言葉やら絵やら演技やらに秀ていれば、そういう道に進むこともでき、空想も自分の糧となったと胸を張れただろう。悲しいかな、僕は才能がないので、空想は単なる空想で、しかもその世界は当時ハマっていた映画やアニメのパクリでしかなかった。いわゆる二次創作ってやつだ。確かオリジナルキャラも出ていたような気がする。そういう遊びを小学校2、3年生から行い、思春期に悩んだ末、いつの間にか空想の世界への扉は閉ざされていた。  この映画も空想の世界=物語が1人の少年にとってどういう慰めになるか、慰めになって…

「ラ・ボエーム」(日生オペラ)

2017年6月29日  2018年1月17日 
この前、日生オペラの ラ・ボエーム を見たのだよ。 ・日本語オペラは初めて。 ・今までは字幕すら見ていなく、言語をそのまま聞くだけだったので、ある意味でセリフを歌として聞いていたため、重唱はこういうセリフなのかと驚いた。 ・重唱は聞き取りにくかったが、日本語のせいなのか(母音が頻出すると聞き取りづらいと聞いたことがある)、もともと重唱が聞き取りにくいものなのかどちらだろう。 ・しかし、重唱でのセリフがああいう感じで聞き取りづらいってことは、原語でも理解しづらいであろうからに、こればっかりは原語+字幕で見てもわからないなあ。 ・何にせよ、内容を理解するレベ…

「あなたの人生の物語」収録の「あなたの人生の物語」(テッド・チャン)

2017年6月20日  2017年6月20日 
メッセージ 」を見て、改めて「あなたの人生の物語」を読みたくなったのでそれだけ読んできたのだよ。 ・小説では良い意味でのご都合主義(他人や相手を指で指すジェスチャーが宇宙人も同じだったとか)が、映画では説明不足だった。僕は「メッセージ」で宇宙人と地球人でジェスチャーが同じなのはおかしいと書いたけど、小説では言及があったのね(というより映画は単にラッキーなだけだった)。 ・小説だとフェルマーの定理→あらかじめ目的がわかっている→フェルマーの定理を基本とする宇宙人は未来を知っている、の順番で伏線があったのに対し、映画ではそこら辺が駄目な感じでぼかされてい…

「劇場版BLAME!」(瀬下寛之監督、ポリゴン・ピクチュアズ、2017)

2017年6月5日  2017年6月5日 
まさかこの作品が映画化されるとは思ってもいなかった。原作は好きだが、正直、キャラクターが生きてるのか死んでるのか、人間なのかロボットなのか、そもそも現実なのか電脳世界なのか、回想なのか現在の出来事なのかわからない絵柄で(褒めてます)、ストーリーもセリフが少ないこともあって何回も読み返さないと何が起きているのかよくわからないマンガだった。ページをめくるのにも時間がかかり、マンガを読み飛ばさせない戦略はかくの如く行うのかと感心したものだった。  なので、映像化、それも2時間ほどの映画になると聞き、どうなるのか興味があった。  映画を見て感動。原作では単な…

「メッセージ」(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、フィルミネーション他、2017)

2017年6月5日  2017年6月5日 
これ、ウィキペディアで調べたら、アメリカ公開は2016年11月なのに日本公開は2017年5月なのね。何でだろ。  というわけで先週土曜に「メッセージ」を見てきたのだった。  原作であるテッド・チャンの「あなたの人生の物語」はその物語構造もあってすっごくつまらない作品という印象しか残っておらず、予習しようとして内容が思い出せなかった。正直、これ以外もあまりあまり面白いと思えなく、僕はテッド・チャンとの相性は悪いんだなーと感じた。  さて、この作品の肝であるサピア=ウォーフ仮説……ではなく、この作品の一番の特徴は未来が決まっているという決定論的宇宙観だろ…