Tellurは、……現在色々物色中です。

「花の詩女 ゴティックメード」(永野護監督、オートマチック・フラワーズ・スタジオ制作、2012)

2018年12月9日  2018年12月9日 
ディスク化されてないこの映画を初めて見てきた。  数年前から見たいなあと思ってたが、偶然再上映の情報を得たのだ。ワクワクしながら見たのだが……。  背景は美しかった。明らかにアニメ塗りとは異なる手法で描かれ、「絵」だなあと思ってワクワクした。が、登場人物が喋るシーン、これ口パクパクさせてるだけじゃない? 序盤、顔がアップになるとセリフの音と口の動きが合わなかったので物語に入りきれなかった。中盤の旅の中でシーンを切り替える場面も画面を黒くする効果を使いすぎで、エピソードをぶつ切りでつなげている印象が残った。そのため男主人公と女主人公が対立するシーン、男…

「イスラム飲酒紀行」(高野秀行、講談社文庫、2014)

2018年12月9日  2018年12月9日 
アルコールを全く飲めない人からすると、飲ん兵衛の気持ちはわからず、さらにアル中(この言い方はもう失礼だな。依存症と呼ぶべきか)の人々がどういう行動原理で動くのか知らなかった。この本は、人によっては「あの」イスラム圏でお酒を求めた貴重な記録、と捉えるのだろうが、お酒を飲めない僕にとってはまずはアルコール依存症の人の考え方や行動を知ることができた本という位置づけである。  著者の作品は今まで読んだことがなかった。そのため何冊もある著作の中で初めて読む本がこれで多少の先入観を作ってしまった感はある。  本書ではパキスタンやイランなど様々な国でお酒を飲んだこ…

「不思議の国の少女たち」(ショーニン・マグワイア 著、原島文世 訳、創元推理文庫、2018)

2018年12月3日  2018年12月3日 
ファンタジーとは逃避文学だ……との主張は耳にタコができるくらい聞いているが、それでもやはりファンタジーに、つまり異世界に行って冒険する物語は興奮するものだ。一応書いておくと、ここで考えている「異世界」とは文字通りの場所的な異世界だけではなく非日常の出来事のようなものも含んでいる。後者の具体例は理の外の力を得て非日常の事件に巻き込まれる「 メアリと魔女の花 」だ。  つまりつまらない日常から超常的な事件に巻き込まれ、秘めた力で解決し、少しだけ成長して再び日常に戻るというプロットを僕は(というか僕たちは)愛してきたのだ。  さて、本とか映画とかなら異世界に行…

コジ・ファン・トゥッテ(日生オペラ2018秋)

2018年11月12日  2018年11月12日 
日生オペラの コジファントゥッテ を見てきた。事前にこの作品は現代では性差別の問題に当たるという情報を得ていたが、この舞台を見た限りだと確かにそうだと思う。劇中の倫理観も古すぎて歴史的な価値を主張するにもちょっとつらいものがある。 ある人はそこまでひどくはないと書いていた が、アレンジのせいかもしれないけどなかなかひどかったぞ……。  演出家は現代風にアップデートするためにいろいろな工夫をこらしたみたいで、今作は元々女主人公が人間だったがAI(ロボット)ということになった。それはそれで頑張ったっぽいのが観ていて(パンフレットにも書いてあるし、舞台背景とかもそ…

「魔界転生」(日本テレビ開局65年記念舞台)

2018年11月12日  2018年11月12日 
明治座の口演 のやつを観てきた。実は、僕にとって魔界転生は甲賀忍法帖に比べると設定の壮大さに比べて派手さで劣るイメージがあり、小説を読んだだけではなぜ歴史上の強者達が復活する魔界転生が地味なのかわからなかったが、舞台を見て発見。  それは、敵があくまでも普通の人間なのだ。忍法帖シリーズみたいに異形の力を用いず、悪魔の力で復活したものの必殺技も持たずに単に殺陣するのみ。柳生十兵衛も必殺技と呼ぶにふさわしい必殺技は持ってないが、あくまでも人間であることを考えればその地味さが渋い格好良さになる。敵の転生衆どもは人間を超えてるくせに派手な技の1つや2つも放てない…

「竜のグリオールに絵を描いた男」(ルーシャス・シェパード、竹書房文庫、2018)

2018年10月29日  2018年10月29日 
もしも我々の世界に、我々自身が認識できる形で人間を超えた存在がいたら? その存在はあまりにも巨大で、何の力を持っているかすらわからず、我々と意思疎通はできなく、されど完全な無機物とはみなせず意思を持つ存在と思えてしまう。要するに手垢のついた呼び方をすれば「神」なわけで、この本は「神」が人々の見えるところに鎮座している社会で起こった事件を描いた短編集である。  歴史上、中世などでは神は身近に感じられてたと思われ、その感覚がこの本では中心のテーマとして描かれている。登場人物の思考は現実世界の人々に極めて近いため、ファンタジーを描いたというより神と共に暮ら…

「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(J・A・バヨナ監督、レジェンダリー・ピクチャーズ、2018)

2018年10月24日  2018年10月24日 
リアルタイムで映画館で観たが、感想文を書くタイミングを逃し書かないままズルズル来てしまったので、箇条書きだが公開する。 ・前半(イスラ島)と後半(ロックウッド邸)でお話がぶつ切りなのが気になった。火山パニックである前半は恐竜、あまり絡んでないし。 ・相変わらずヒロインは「可愛い女」だね(一応ラストで活躍するけど、基本的には男に恋愛面含めて頼る女的位置づけで描かれている) ・恐竜が多少キャラクター化されている(忠犬のように可愛いヴェロキラプトル、頼れる肉体派のティラノサウルス、突撃隊長のケツァルコアトルス、火砕流に巻き込まれるアパトサウルス(ブラキオサ…

「あだ名で読む中世史」(岡地稔、八坂書房、2018)

2018年10月4日  2018年10月4日 
傑作。西洋の歴史にすこし興味を持つと、二つ名(あだ名)が学術の場でも使われていることに気付く。僕が最初にあだ名を意識したのはリチャード獅子心王だった。あだ名で歴史上の人物を呼ぶのは非常にオタク的な気がするのだが、歴史学者たちはどう考えているのか、いったいどれだけの人々があだ名を持っているのか、それぞれのあだ名の元になった逸話はあるのかなど、野次馬的に知りたい好奇心を満たしてくれそうなので読んでみた。  内容は、一番始めにあだ名が後世まで伝えられている理由や、悪口ではないのかという疑問への回答や、あだ名が最初に用いられた時期など、西洋中世史に興味を持っ…

立ち読みの思い出

2018年10月4日  2018年10月4日 
ふとした時、中学生頃、毎日学校帰りに立ち読みしてたのを思い出した。……念のために書いておくが、あのときはまだ立ち読みが苦笑いで黙認されていた、そういう時代だったのだ。マンガ雑誌はエロも含めて一切シュリンクをかけられてなかった。ある書店では僕と共に毎日、同じようなメンバーが立ち読みをしており、高校生も大学生っぽいのも、フリーターっぽいのも、スーツを着たお兄さんもおっさんもいた。スーツを着た人たちは当然、サラリーマンのはずだが、中学生の帰り時間に立ち読みするなんてどういう仕事だったんだろう?  ぼくが通ってたのは2つの書店と1つのコンビニ。書店の1つは品…

「プーと大人になった僕」(マーク・フォースター監督、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、2018)

2018年10月4日  2018年10月4日 
ディズニーが作った原作のその後の映画なんだって。お、それじゃあ、「魔法にかけられて」みたいなブラックコメディなのかな?  と思っていたが、違った。大人になって忘れてしまった少年少女時代の夢と驚きをもう一度味わいたい人向けの映画であり、心温まる作品であった。あったのだが……。  大人になって家族を持って仕事をしている(つまり現実を生き成長してしまっている)元少年が、幼少時代のままの友人と共に幼少時代そのものの遊びをする姿は客観的に見ると不気味だよね。  主人公であるクリストファー・ロビンの娘がプーさんを始めとするぬいぐるみたちに出会って冒険するのが主軸…

「ミセス・ダウト」(クリス・コロンバス監督、20世紀フォックス、1993)

2018年10月4日  2018年10月4日 
ミセス・ダウトを今頃になって初めて見たが頭を抱えた。  ブラックコメディと言い張ってもとにかくヤバい。今の基準からすればヤバさしかない。  あらすじは、子煩脳で演技の才能はあるけどこだわりが強すぎて甲斐性のない役者の父親が、ついにフルタイムで働いてる母親をキレさせ離婚される。子供たちは父親に懐いてるが、父親が養えないので親権は母親に、父親は週に一度子供たちに面会できるのみ。母親も子供たちの世話ができないのでお手伝いさんを雇おうとするが、事前に聞かされていた父親は募集の広告をこっそり改竄(!)し、特殊メーキャップを用い妙齢の「ダウトファイア夫人」と偽り…

「うどん キツネつきの」(高山羽根子、創元SF文庫、2016)

2018年8月10日  2018年8月10日 
「日常系」というのは、キャラクターの他愛もない生活の様子をクスリと微妙な笑いを交えながら描く作品が多い。実は、僕にとっては、キャラクターの日常に挟まれる異様な何かをほのめかすことによって僕たちの普通さ・平凡さの儚さを浮き彫りにする作品と認識していた。いわゆるすこし・不思議系というか、藤子不二雄系列の作品だ。  本書は紛れもない藤子不二雄に連なる「日常系」である。  最初の「 うどん キツネつきの 」は確か年刊日本SF傑作選で読んだことある気がする。その時はまだ奇妙な味というかストレンジ系に目覚めてなかったから、拍子抜けした覚えがある。3姉妹が変な姿の生き…

「プロジェクト:シャーロック 年刊日本SF傑作選(2017年度)」(大森望/日下三蔵 編、創元SF文庫、2018)

2018年7月23日  2018年7月23日 
なぜか毎年買い続けている。ところで、収録されているタイトルと作者を東京創元社のサイトからコピペしたのだが、なんで収録順じゃなくて50音順で並べてるのだ……。収録順へソートするのが面倒くさいではないか!  トップを飾る「 ルーシィ、月、星、太陽 」(上田早夕里)は海洋SFだ。人類が絶滅した後、人類の子孫である種族が独自の文明を築くため7つの海を冒険する物語……に繋がりそうな世界設定だけを書いた最序盤の作品。主人公の種族はそこまで独自性があるとは思えず、物語としてもよくあるというか、序の序しか描かれてないのでさすがに本作品単品だと微妙だと思う。 去年 の「プロテ…

「The Rabbits」(John Marsden著、Shaun Tan絵、1998)

2018年7月23日  2018年7月23日 
この作品が世に出たのは1998年らしい。そのため今の視点から色々言うのはフェアじゃない、とは思うのだが……。  実は僕はこの作品が出版されていたことを知らず、この前ソフトカバー版を買ったのだった。英語だ、面倒だなと思っていたが何とか読み切れた。しかし内容に引っかかった。移民のアレゴリー? それともアメリカ大陸やオーストラリア大陸入植者?  ショーン・タンのサイト では植民地主義に関する話とのことだが……。  ストーリーは、森の獣が楽しく暮らしてたところ、rabbitsがやってきて、最初は森の獣にも得だったが次第にrabbitsの数も増え、持ち込まれる動物…

「ゲイルズバーグの春を愛す」(ジャック・フィニイ著、福島正実訳、ハヤカワ文庫)

2018年7月6日  2018年7月6日 
某読書会課題図書。  SFでもなくホラーでもなく、かといってファンタジーというほどリアルな世界から遠ざかっていない……。それでいてガジェットは幽霊だったり時間移動だったり、魔法のような道具だったりする。こういう作風をなんと呼ぶべきかわからないが、ネットで検索したところ「『世にも奇妙な物語』風」というなかなか本質を突いた表現を見つけたので、それをお借りしよう。  ジャック・フィニイの作品は初めて読んだが、現実に立脚していながら、その現実を越えたファンタジー(大塚英志氏の言葉を借りるならマンガ的リアリズム)に惹かれた作家だと読めた。解説によると古き良き時…

「禅銃」(バリントン・J・ベイリー著、酒井昭伸訳、ハヤカワ文庫)

2018年7月6日  2018年7月6日 
いろんな意味でバリントン・J・ベイリーは時代を先取りしていたなあ、と改めて感じた。後退理論という空想科学、ストーリーよりも設定のほうが大事と言わんばかりに突如差し込まれる説明、銀河に散らばったのは良いものの人間の数が少ないから遺伝子改造された知性化動物(でも2級市民)、一方でロボットは知性を持つのに市民扱いされないので人権を求めストライキを行っている有様、そして当の人類は教育を施し若く(10歳とか)ても銀河帝国の要職に付け乱痴気騒ぎを繰り広げ、その癖若い女性では顔にシワを作り老成させるのが流行りだったり、ついでに物語後半で人間が生きたままバラバラに組…

「多々良島ふたたび──ウルトラ怪獣アンソロジー」(7人の著者、ハヤカワ文庫、2018)

2018年7月6日  2018年7月6日 
薄々感じていたが、僕はウルトラマンではなく怪獣が好きだった。それも悪の組織から侵略のため操られるような目的のある怪獣ではなく、偶然長い眠りから目覚め不機嫌に街を壊す自然災害のような怪獣だ。僕が好きな怪獣作品も結構そういうのが多く(パシフィック・リムとか例外はもちろんあるけど)、「 MM9 」も初代が好きなのだ。  実のところ、どうも僕は怪獣と退治するウルトラマンですら怪獣の1種と捉えているらしく、ガメラや正義のゴジラ的な理解しかしていない。怪獣が怪獣を倒すのは単なる縄張り闘いの結果であって、人間はそんな災害に巻き込まれて右往左往するだけの小さい存在に過ぎ…

6/16ホビージャパンゲーム定例会@R&R

2018年6月25日  2018年6月25日 
遊んだ新作・準新作ゲームの感想文。 ・アズール(ミハエル・キースリング、Plan B Games)  柄タイルをゲットし、並べ、その組み合わせによって点数にするゲーム。序盤は点数が取りにくいが、タイルが埋まる後半は一気に点数が伸びる。毎ラウンド、タイルを順番に取る→場に出ているタイルを取り終わったら並べる、と言った簡素なルールなので初心者でもわかりやすい。コンポーネントがきれいで、久しぶりに購入欲が沸いたゲームだったが、後述の覇王龍城を遊んだ後だと霞んでしまった……。  タイルを固めて置く、勝利点が0未満になることはないので(他の人の点数も伸びない)序…

ニッセイオペラの「魔笛」

2018年6月25日  2018年6月25日 
6/17日に行ってきたぜ。恥ずかしながら観たことなかった作品で、ファンタジー的な題材で面白かった。コミカルなトリックスターも、憎たらしい悪役も、それから敵なのか味方なのかわからないのもいてエンターテイメントしていた。  今作は台本を現代チックに多少アレンジしたっぽく、これはこれで新鮮。で、アレンジしたから地の台詞があるのかなと思ってたが、帰ってから調べてみたら、原作でも地の台詞があるっぽい。ジングシュピールっていうのか。僕としてはオペラは常に音楽が鳴り響いて、音楽に台詞を乗っけてほしかったのでちょっと残念。ただ、演劇として見ると、地の台詞があるおかげ…

「不思議屋/ダイヤモンドのレンズ」(フィッツ=ジェイムズ・オブライエン、光文社古典新訳文庫、2014)

2018年6月7日  2018年6月7日 
読書会の課題図書だったから読んでみた。  ジャンルも、定番のガジェットもなかった頃だからできた幻想的なごちゃ混ぜ小説の数々。一見、怪奇小説や幻想小説かと思うが、科学を含む理屈が(かなり怪しいながら)根底に流れており単に不思議な話なわけではない。考えてみれば、本書に収められた小説のいくつかは当時の具体的な地名・具体的な人名や話題が記されており、当時の読者は小説の世界が現実と地続きに感じられたのではないかと思われる。実のところ、創作の中に実在する固有名詞を入れ込む手法は僕にとっては戦後スポ根マンガの印象が強くリアリティ確保の手法という印象があるのだが、本…

「モンストレス vol.1」「モンストレス vol.2」(マージョリー・リュウ作、サナ・タケダ画、椎名ゆかり訳、誠文堂新光社、2017以降続刊)

2018年6月1日  2018年6月1日 
・「 モンストレス vol.1 」&「 モンストレス vol.2 」  このマンガ、密かにここ数年の日米マンガで傑作と考えている(ファイブスター物語14巻は除く)。  が、翻訳マンガの常として、売れるかどうかわからないのでそろそろ感想を書いておくかと思った次第。以前、応援するならブログで記事にしてくれと誰か作家の方が書いていたので、翻訳&出版が危うい海外マンガは感想文をこまめに書かねば。  さて、名前からわかるかもしれないが、絵担当のサナ・タケダ氏は日本人であり、もともとはセガのスタッフだったらしい。そのため、海外(特にアメリカ)マンガにしては「濃く」ない絵柄…

「コララインとボタンの魔女」(ヘンリー・セリック監督、スタジオライカ、2010)

2018年5月28日  2018年5月28日 
KUBO 」繋がりで見たスタジオライカ作品。  調べると結構前の作品だったんだな。ストップモーションアニメなのでCGと違い技術に左右されなく、映像美が楽しめる。特に、キャラクターが歩いたりするシーンでは、本当にストップモーションなの? と思えるほど自然に動いていた。  親から構われず不満を持つ少女が引越し先で怪しい人形を手にしたことで、理想の生活ができる異世界に行くんだけど、当然裏があってどうやって逃げる? というストーリー。登場人物がどいつもこいつもちょっと変な人たちばかりで、こりゃ異世界に逃避して当然かなと思った。良い人なんだけど変人なんだよねー…

「レディ・プレイヤー1」(スティーヴン・スピルバーグ監督、ワーナー・ブラザース、2018)

2018年5月1日  2018年5月1日 
長いよ。でも退屈になるということはなく、見ごたえがあった。ただし長いしネタが往年のサブカルチャーと偏っているので合わない人には合わないだろう作品。  個人的には一番気になったのは世界観の方だ。スラムめいたところなのに1日中ゲームに没頭してられる余裕。主人公の育ての父は引っ越しの貯金をゲームに費やしてしまうダメ人間なんだけど、別に引っ越せないからといって生きるか死ぬかの瀬戸際的悲壮感があまり感じられなかった。スラムで育ったはずの主人公ですら割と簡単に通販が行えており、それなりに金があるじゃないか。映画冒頭のトレーラーが縦にスタックする中、主人公が地上に…

「メカ・サムライ・エンパイア」(ピーター・トライアス著、中原尚哉訳、早川書房、2018/4/18)

2018年4月24日  2018年4月24日 
ワタクシ、 前作 に惹かれてしまい、早速この作品も買ったのだ。それも銀背で。文庫本に小ささは魅力的だが、分冊になるくらいなら銀背1冊の方が取扱いが良くて便利だと思う。  ともかく、ピーター・トライアスのメカ・サムライ・エンパイア(ナカグロ多いな)、前作が軍人と特高警察のバディものだったのに対し、今作は学園モノになって青春劇に変わった。今まで読んできたのが偏ってたのかもしれないけど、欧米作品で学園モノってかなり新鮮。登場人物も、落ちこぼれの主人公に、悪友に、ヒロイン力の高い優等生に、ごきげんようを操るお嬢様と隙のない作品になってる! そうそう、忘れてたが、…

「パシフィック・リム:アップライジング」(スティーヴン・S・デナイト監督、レジェンダリー・ピクチャーズ、2018年)

2018年4月24日  2018年4月24日 
「パシフィック・リム」の続編だ、いえ~い! ……いえーい。 ……いえ……い?  これが前作のファン(少なくとも僕)の感想である。  シナリオは 前作の感想文 でさんざんけなしていたため、正直そこまで期待していなかったが、後述する続編ということも相まってなおさらひどかった。もう1つ後述するが、今作は怪獣と巨大ロボット(イエーガー)とそのパイロットのキャラ立ても不完全のためジャンル映画としても失敗した印象を受けている。 【「続編」という悲劇】  前作でストーリー的には完全に終わっていたのだ。そこに付け足しても蛇足にしかならない。そもそもなぜ太平洋の裂け目を閉…

人生と連動したランス10

2018年4月23日  2018年4月23日 
ツイッターでちょこちょこ書いたが、今年の春から公私共に生活が激変した。みんな、プライベートの時間がなくなるとか自由なお金がなくなる、趣味が続けられなくなる、と言う理由がわかった。こりゃ今まで通りの生活は無理だ。僕はUOにお金を払い続けるつもりだが、ログイン時間はほぼなくなったし、今後は今までのペースでは遊べないだろうな。少なくとも有料アイテムの購入はできなくなるだろう。たぶん、こうやって趣味から足を洗う人が多いのだと思う。  そんな中で僕が幸せだったのは、比較的時間に余裕のあるときにランス10を遊べたこと。ランス10は長い間遊び続けていたランスシリー…

民泊の思い出

2018年4月10日  2018年4月10日 
もう10年以上も前、学生の頃にオランダに1人旅行をした。  細かい日付は忘れたが、4月のある日で 女王の誕生日 だった。当時はユースホステルを常用しており、当然ユースホステルも取れず、現地で探せば良いと考え、そのまま行ってしまった。  当然、宿が取れず、途方に暮れていたところに現地の人の家に泊まったのだ。近年報道される民泊のニュースを見て、こんな記憶が甦ったので忘れないようメモしておこうと思う。  アムステルダム初日は夜、宿が取れなかったため、レッドライト街で1晩過ごしたと思う。駅で野宿(というか駅泊)できたかは定かではない。3泊くらいの旅行を計画してい…

「ランスX 決戦」(アリスソフト、2018)

2018年3月22日  2018年3月22日 
※ネタバレしてます&普段はキャラクター名を出さずに感想を書く方針ですが、キャラクターの多いこの作品は名前を出さないと書ききれませんでした。。。  ついに終わってしまったというべきか、やっと無事に完結できたと言うべきか……。思えば同じく横綱と呼ばれたelfが消える中、よくもまあ作り続けたものだと思う。  本作ランスXは「平成を駆け抜けたゲーム」と評されることもあるシリーズだが、まさにあの時代に生まれた奇跡であり、今まで29年10作品一貫して同じ主人公・同一世界観・同じレギュラーキャラクターを登場させストーリーを紡ぎ続き、そして業界も徐々に衰退し日本のゲー…

「折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー」(ケン・リュウ編、中原尚哉他訳、早川書房、2018)

2018年3月20日  2018年3月20日 
面白い。SF作家という領域でアジア系の作家(特に中国系)はほとんど興味を持ったことがなかったが、唯一の例外がケン・リュウで、そのケン・リュウが編んだアンソロジーということで本書を買ったのだ。編者であるケン・リュウは「 紙の動物園 」や「 母の記憶に 」で叙情性の高いSFを書いており、作品のモチーフやウェットさを考えると中国系というルーツにかなり自覚的な作家だと思う(もちろん1行なんかじゃ評ずることができないのはわかっているが)。そんなケン・リュウが、中国人が書いた知られざるSFをアメリカに紹介するために編んでいるわけで、嫌でも期待は高まってしまうだろう。  …

ランスX攻略中……(だった)

2018年3月13日  2018年3月13日 
※これ、3月第一週に公開する予定だったけど、ブログいじるよりランスX遊ぶほうが忙しくてすっかり忘れてた。  なにこれ、ボリュームがとんでもないぞ。単に周回する際、育成の引継ができないだけじゃなくて、単純に物語のボリュームが半端じゃない。 攻略wiki を見ながら遊んでいるが、ネタバレとか気にする余裕もない。 初回:「クリアC 魔王ケイブリス」(ターン制限が厳しいのに気が付かなかった。取りあえず全ての国を適当に支援したり魔人を倒してた。美樹ちゃんの確保を後回しにしてあえなくバッドエンド。ハウゼル仲間、カオス投擲でレイタイマン撃破) 2回目:CP+1。「クリア…

「女子高生に殺されたい」(古屋兎丸、新潮社、全2巻)

2018年2月19日  2018年2月19日 
たぶんマゾヒズムについて描いた作品……なのだろうけど、タイトルにもなっている「女子高生に殺されたい」願望が何の解説もなく前提となっているせいで、僕のようにそのような願望のない人は全く感情移入できなかった作品。別に感情移入する必要はないかもしれないけど、そのせいで一歩下がった視点から読めてしまい、作品の粗が目についてしまった。  一番大きな粗だったのは、自分の死体の身分をわからなくする方法。部屋の指紋など痕跡を消して、自分の身に付けるものも全て捨て去り、長旅に出たことを装い、実は近くで殺されている……。こうやって書き出すだけで成功しないのでは? と思わ…

無限PKの思い出【UO日記】

2018年1月29日  2018年1月29日 
もう時効(と勝手に考える)だから告白するけど、一時期、無限でPKを行っていたことがある。2010年前半だろうか。その頃はまだ無限にも人がチラホラといた。  無限は2007年だか2008年だかに初めて足を踏み入れ、ヘイブン墓場でステハイ狐変身弓に殺された思い出が強かった。忍者PKギルドのIGAが精力的に活動していた時期だった。  本当にPKerがいるんだと驚き、どうしてか無限でのPK行為に憧れを抱くようになってしまった。当時は無限新興としてのPK行為が宣伝されていたこともあった。 この人が当時の僕。初赤になった瞬間。  とは言え、そもそも本格的に移住する…

ゲームプレイ日記についての雑感【UO日記】

2018年1月29日  2018年1月29日 
最近UO熱が復活して、戻ってきたが、仕様を確かめるため色々なブログやホームページを回ってリンク切れやサービス終了でショックを受けたり、昔ハマっていたUOサイトがまだ生きていて感動したりしている。  僕がUOを遊び始めたのはそうしたUO日記、UOマンガの影響であり、感慨深い。もっとも、僕が読んでいた時はすでにブログ最盛期であり、相当古い時代のUOが「思い出」として語られていた。当時の僕はネットゲームのパブリッシュについてわかっておらず、ゲームソフトを買うように仕様が大幅には変更しないものだと思っていた。UOマンガやUO日記に憧れてブリタニアの世界に降り…

ガーゴイルチャレンジ!(Pub98.2時点)【UO日記】

2018年1月28日  2018年11月12日 
UOのキャラクターをガーゴイルに変えてみた。そこで気付いたのが、装備が少ないこと。ベンダーにもオークションにも売っていない。ガーゴイルは一応、変成という手段があるが、現在のPub98.2でどこまで変わっているのかわからない。  という訳で、試してみた。 ①素材強化と変成  スタッド鎧を用意する。  赤皮で強化する。  ここまでは普通の素材強化。  これを変成する。  Horned Stone Leggingsなどというひどい名前の装備になってしまった。  なお、さすがにこの状況から色付き石での素材強化は不可能であった。  一方、変成済の装備に素材強化…