Tellurは、……現在色々物色中です。

Adeptus Titanicusの特徴

2021年11月16日  2021年11月16日 

  ゲームズワークショップ製のゲームとしては、40kやAoSと異なるのはもちろんのこと、ネクロムンダやウォークライなどともまたまた異なる特徴を多数有している。40kやAoSなどのミニチュアゲームとの違いや共通点をあげつつ、Adeptus Titanicusについて説明しようと思う。

  • プレメジャー禁止→ネクロムンダと同じくプレメジャーは禁止されている
  • 基本ユニット数3体→何とこのゲームの最小限のロスター(マニプルズがサポートするという意味)ではタイタン3体の構成となっている。戦場に自分のタイタン3機と相手のタイタン3機しか存在していない。それでもなぜ遊びごたえがあるかというと、そもそもタイタンは武器の威力に対していわゆるヒットポイント的なものを大量に持っている上(シールドポイントと部位ごとのストラクチャーポイントとクリティカルポイント)、後述する回復フェイズによってタイタンが回復するからだ。ユニットがすぐに倒されるゲームではないので、かなり戦略に集中して遊べると思う(結果として互いのタイタンを1体ずつ集中攻撃するバランスに仕上がる)
  • フェイズ制→ネクロムンダやウォークライのように自由に組み合わせられるアクション制ではなく、AoSや40kのように特定のアクションに紐付いたフェイズがある(キルチームは2版になってからアクション制になった)。個人的にはスカーミッシュ系のゲームならアクション制が良かった……。
  • 指令→Adeptus Titanicusの売りその1。特定のフェイズで行えるアクションであり、デメリットはあるものの任意に追加の移動、射撃、白兵を可能とする。40kやAoSなどフェイズ制のゲームで遊ぶと、1ラウンドで各アクションが1回しか行えないことに嘆く場面が多々あるが(往々にして特定のファクションなら特殊能力やストラタジェムによって追加でアクションできる仕組みで、ゲームのバランス問題に発展するのだった)、Adeptus Titanicusでは誰でも「指令」システムによって何らかのアクションを1ラウンドに2回行えたりできるのだ。重要なのに基本ルールには入っていないのはなぜ? なお、Adeptus Titanicusは「指令」の他にストラタジェム(40kの戦略、AoSのコマンドアビリティ)システムもある。
  • ユニットの向き→ユニットには向きの概念があり、通常の移動では正面向きにしか移動できない。向く方向を変えるにもユニットのステータスを使用する。また、側面や背面の概念があり、ダメージを受けるときに不利になる。そのため移動速度や旋回性能の高い機体が特に白兵戦等では強い。うーんロボットシミュレーション。こういうのを面倒だと思わず、ロマンを感じるならAdeptus Titanicusをぜひ遊ぶべきだと思う。
  • シールド→日本的には「バリア」。機体本体がダメージを受ければデバフがかかったり破壊されたりするが、攻撃をシールドが受けると機体本体へのダメージを防ぐ。Adeptus Titanicusのシールドシステムの特徴は、どんなに威力の強い攻撃でもシールドが残っていれば完全に防ぎきれることだ。そのため防御系のステータスが低くとも、高攻撃力の1発で落ちることはない(が、シールド破壊攻撃と組み合わせて2発、3発喰らうとやはり簡単に破壊されてしまうけど)。
  • 回復フェイズ→ルールとしてタイタンを回復させるフェイズがデフォルトで用意されている。それも何だかんだ撃ち合っていればダメージの方が多くなるような回復量ではなく、ちゃんと戦略をもって利用すれば敵の一番強いタイタンを落とす手段がなくなってしまうレベルで回復できる。し、しぶとい……。シールドの存在と合わせ、これらによって少ないユニット数でも遊びごたえがある。
  • リアクター過負荷→Adeptus Titanicusの売りその2。このゲームは敵味方で同じユニット・同じ武器を用いるため、手の内が基本的にバレているが、リアクター過負荷によるパワーアップの存在が相手の裏をかくことができる。暴走する危険はあるがリアクターを任意で過負荷(overcharge)させることで移動力だったり武器の性能だったり、シールド能力だったりが一時的に性能が強化される。もちろん何回か過負荷させた後のリアクターは危険極まりないことこの上ない。リアクターはあまり過負荷させたくないが、要所要所で過負荷させないとゲームには勝てないジレンマがある。そう、タイタニカスとはリスク管理ゲームだ!
  • 暴走→Adeptus Titanicusの売りその3。タイタンはマシンスピリットという意志を持っており(僕が受けた説明ではエヴァンゲリオンと同じだろうだ。わかりやすい)、リアクターに過負荷をかけると時々暴走する。確かにリアクター過負荷でパワーアップはできるが、勝手に行動して戦略をズタズタにするトレードオフがある。悩ましい。
  • マニプルズ→AoS的にはバタリオン能力。Adeptus Titanicusは好きなタイタンを適当な数入れて遊ぶこともできるが、指定された種類のタイタンを指定された数で編成する(マニプルズ)ことで特殊能力を獲得できる。遊びたいレギオンと使いたいタイタンから求められるマニプルズがいまいちレギオンの能力と合致しない……という悩みもAdeptus Titanicusの醍醐味である。
  • 敵味方でユニットは(ほぼ)共通→ゲームズワークショップのゲームとしては最大の特徴なのかもしれない。レギオン(ネクロムンダで言うハウス、40kで言う船団、FBで言うアーミー)固有のタイタンは存在せず、一部のレギオンで使えないユニットですら1つ2つくらいしか存在しない。それくらいタイタンもナイトも誰でも使えるのだ。ちなみに敵味方で共通なのはユニットの他に、ストラタジェムだったり「指令」だったり。レギオン固有なのが、固有能力・固有ストラタジェム・固有武装・固有プリンケプス能力くらいしかないので、バランスは結構良い感じだと思う。これが、例えば40kやAoSの場合、特定の勢力に対する対策は固有ユニットのスパムと固有能力などのシナジーというまさに「研究」を要するものになるが、Adeptus Titanicusの場合は先に挙げた固有能力などだけを考えれば良いので負担が少ない。


 以上がルールから見た概略で、実際に遊んでの感想は以下の通り。

  • 結構みんな持ってる強力な射撃攻撃→Adeptus Titanicusの射撃武器は大きく分けてシールド破壊武器(バルカンメガボルターなど)とダメージ稼ぎ武器(プラズマ○○やボルケーノキャノンなど)に分かれるが、ダメージ稼ぎ武器はどのクラスのタイタンでも1つは用意されているのでガンガン飛んでくる。もっと言うと、ダメージ稼ぎ武器はblastトレート(範囲攻撃ルール)を持っている場合が多く、複数体が巻き込まれるしblast武器のヒットルールによって外れにくい。シールドを失うと本当に死が待っているゲームである。でもblast武器で撃ち合うのはロボットシミュレーションしてる気になって楽しい。
  • 強力だが使いづらい近接攻撃→上で見たように射撃攻撃が協力なので近接攻撃はいまいち使いづらいものがある。ルール上、射撃攻撃で相手を倒すのは結構時間がかかるが、近接攻撃だと早めに倒すことができる、とはなっている。が、やっぱりみんな射撃攻撃しまくるよね。むしろ近接攻撃は射撃攻撃を受けたくないからあえて相手の懐に飛び込むついでに行うものの気がする(ルール上、blastやフレイムテンプレートは自分を含む味方を巻き込めないので、相手と近接していればblast射撃は受けずに済む)。
  • ○○スパムについて……:タイタニカスにもポイント比でお得な武装・ビルドは存在する。ただ、それが自分の戦い方に合っているかはまた別。このゲームはプレメジャー禁止のため、距離と射角を目で測定して判断する必要がある。いくらポイント比で強くとも、距離判定がシビアな武器は人によって使いづらいかもしれない。また、このゲームは一部の武器能力を使うためにリアクターに過負荷をかける必要があり、そのリスクをどこまで許容するか人によって異なる。結果として一般的に最適(スパムの価値がある)な構成は存在するけど、ゲームのギミックの重要なの部分をプレイヤーの能力や価値観に依存するため、個人にとって最適な構成かはまた別なのだ。そのため○○スパムは起こりにくい仕様かと思っている。

 こんな感じで、軍隊同士で戦争する40k・AoSとは全然違うし、スカーミッシュとはいえ10人程度のギャング団同士で戦うネクロムンダともまた異なる感覚である。3~6体程度の巨大ロボットが激突して市街地をぶっ壊す楽しさはやってみないとわからない。

 Adeptus Titanicus、おすすめです。

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