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UO回顧録@桜 その4

2011年1月10日  2011年1月10日 
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   第四章 ~新生~

 ルンビ牧場での死闘からしばらくの後、ヘイブン周りで訓練を行う男がいた。その名はKo-rin。種族はエルフ。職業は戦士。Kanamiの失敗を教訓にし、立ち上げた(当時の僕の主観では)効率優先のキャラだった。
 幸いにしてKanamiが貯めた資産が少ないながらもあったため、パワスクや下級AFなどを当初から存分に取り入れることができた。
 UOにおける1キャラ目と2キャラ以降との最大の違いはこの情報量の差だと思う。パワスク・ルニ装備・下級AFの存在を始め、どの店が何を安く売っているのか、アイテムが地面にばらまかれるのはどの時間帯・都市なのか、など生き抜く上で知っておくべき知識量がぜんぜん違うのだ。面白いことにUOの一番の醍醐味は1キャラ目の右も左もわからない頃だと皆口をそろえて言う。たしかに今から思えばKanamiの手探りの冒険は、リアルにおける試行錯誤経験の代替として優れていたと思う。それも失敗するデメリットが死という、これまた軽いペナルティだで。

 話を戻すと、Ko-rinが誕生してから1週間ほどでスキルの成長が止まった。ログイン時間が長かったのもあったが、それ以上に効率のよい上げ方を知っていたからだった。
 ヤングクエストが終わったら、即デスパイスのエティんを倒し、スキル75くらいでシェイムの土エレに向かう。合わせてペットは乗りドラをお気に入りにし、装備も適切にレベルアップさせた。低級パワスクはルナやヘイブンにばらまかれることが多かったので食べられるものは食べていたはず。数回死んだしペットも殺されたが、Ko-rinを止めるのは誰もいなかった。
 最終的にはルニ製帽子・首・腕・手・ライオン胴・回避足にソウルシーカーを持ち、ネクロ+10本とアクセサリーで吸血鬼化できるようになった。スキルは剣110位・戦術110・アナトミ110・武士105・盾100・騎士75・ネクロ60以上、ステスク10入れてSTR95・DEX120・INT20だったはず。吸血鬼化維持にスキルがいらなかった時代の白豚だ。

 Ko-rinが成長してからは戦闘が非常に楽だった。ルンビ胴に回避低下メガネなどで固めた白豚には及ばなかったが、シーカーで亜人を叩くだけなら非常に効率が良く、お金もそこそこ手に入る。しかし当時は転送バッグの仕様が重量制だったために稼ぎ辛い環境ではあったのだが。
 自然とmamiさんと遊ぶ機会も減り、ギルドシグマの面々との時間が増えた。戦士をやってわかったことだが、mamiさんの戦い方はターゲットPMでモンスターを止めつつペットアタックを行うやり方であり、周囲に沸きの少ないお金持ちのモンス1体を延々と仕留めるのが常だったらしい。
 対してKo-rinは、イルシェナーの誠実あたりでサイクロプス相手にワールウィンドを放つ戦い方がメインであり、多数の雑魚と戦えるということでギルド活動向きであった。

 シグマではイルシェナーのダンジョンで金閣下と戦ったり、ドレッドホーン・シタデル・パロキシムスのボス討伐にも行った。少しずつ、スキルを最適化して装備もランクアップさせると自分が強くなっていくのが実感できた。サイクロプスからサイクロプスパラゴン、タイタン、そしてタイタンパラゴンまで。もっとも装備の関係上、タイタンパラゴンを離脱ありで倒すのが限界だったが。ちなみに今でこそ白豚よりも包帯純騎士の方が自分にあっていると気付くわけだが、その当時は錬成などもなく、白豚・ネクパラ以外の戦士は趣味キャラ状態だった。そのため白豚以外の選択肢はなく、何とか戦い方を学ぼうと苦闘していた。
 それでもいつの間にかmamiさんの戦士キャラよりは強くなっていたらしい。
「武器に速度30ついてても最速で振れないよう(TT)」
「それってスタミナが低すぎるんじゃないですかw」
「うーん……Kanamiの戦士ってスタミナいくつ?」
「DEXで120取ってますね」
「え! DEXで120だったらSTRも結構入れてるでしょう? じゃあマナが少ないんじゃないの?」
「INT20のマナ40ですよ」
「ええ!? マナ足りなくならない?@@ こいつはね、INT100確保してるよ」
 いや、別にそんなことはなかった。錬成もない時代、初心者上がりの貧乏戦士はKo-rinのようなステータス・スキル・装備で普通にある程度まで戦えていた。何せ抵抗All70の装備を見つけるだけでも大変だった。魔法使いでマナコスト40・秘薬低減100の装備を用意すると数M(1M=百万)吹き飛んだ。Ko-rinも使っていたソウルシーカーが半ば本気で「聖剣」と呼ばれていたのだ。
 Ko-rinは何とかmamiさんの戦士キャラを分析しようとしたが、わからなかった。確かに武器の振り速度は遅い。それに何か戦い方が危うい。まだスキル成長中らしいのだが、それを加味しても戦士として安定していない。その時は上手く説明できずに自分の装備やスキル、ステータスについて解説するだけに留めた。

 mamiさんの戦士キャラについては今でも良くわからない。一応、ポールさんからネクパラ的な育成を指南されたらしいが、mamiさんの中で独特な構成に変わっていったようだ。どうも今まで数年、PMテイマーでしか活動していなかったせいか、戦士の戦い方が身についていないようだった。また、マナの枯渇や被ダメージを極端に恐れたり、カルマが下がるのを異常に嫌っていた。
 常に体力回復を試み、モンスターを倒すと体力全快にも関わらず霊話。そのためせっかく開けていた棺桶が閉じて、こっちがいらいらした。しかもそれで死体を使ってしまうせいで、体力が減ったときの回復手段をなくしてしまうのだ。そのため結局は死亡率が高かったらしい。いつの間にかmamiさんの戦士キャラは見かけなくなった。

 そして年末が近付くにつれ、ギルドの中ではオフ会の話題がテーマとなった。
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