2011年1月10日月曜日

UO回顧録@桜 その3

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   第三章 ~違和感~

 シグマでの興奮も冷めない中、より一層スキル上げに励んだ。既に装備はベンダーで調達したそこそこのルニ製品だったし、武器にいたってはAFナイトキスを振り回していた。Kanamiにとっては初めてのネームドアイテムであり、しかも亜人特攻なのでデスパイスやシェイムとの相性もそれなりに良かった。土エレにも順調に勝てるようになってきた頃がKanamiの絶頂期だった。

 そうこうしている内に、どうもKanami自身のキャラ性能が余り高くはないことを理解し始めた。モンス狩り用としては無駄が多すぎるスキルな上に、回復・移動手段を全く持たなかったことが挙げられる。普段はRBのチャージを利用していたために疑問を感じなかったが、ギルド活動では足を引っ張る場面が多かった。
 今だからこそわかるのだが、ステハイ入りの忍者は対人で使うのでなければレアハンターかヒーラーかテイマーかお散歩キャラが適任だと思う。少なくともメインの稼ぎ頭にする用途では使えなかった。
 それでも何とか活躍させようとし、ついにフェンシングがスキル100となった。他のスキルも80~90代。土エレ程度ではびくともしないしガンガン戦うぜ、と張り切っていた。それでもガーゴイルやリーパーは強敵だったのだが……。

 その頃、KanamiはmamiさんとMSNチャットもしていた。ギルドシグマに入った頃、mamiさんからチャットのお誘いがあったのだ。mamiさんって少し変な人? と思いつつ、アドレスを交換した。
 Kanamiは確かに女キャラだったが、別にネカマだったわけじゃない。一人称も「僕」だったし、どこをどう見てもプレイヤーは男だとわかったと思う。ギルドシグマの面々からは即男と断定された。
 まあ、でもmamiさんはKanamiのことをプレイヤーも含めて完全に女性だと思っていたらしい。最初のMSNチャットで交わされた内容がまさにそれだった。
(ああ、どうりでUO内結婚しようとか言い寄られるわけだ……)
 KanamiはすでにmamiさんよりUO内結婚の話題を出されており、一旦断っていた。それでもことあるごとにmamiさんはそういった微妙にセクシャルなネタを出して来て、Kanamiもそれなりにストレスが溜まっていたのだ。後で聞いた話だが、mamiさんが嫌われる一因は気に入った人(男女キャラ問わず)に即求愛を始めるところだったそうな。
 また、ある日なんぞエロ動画(確か「【無修正】フェラ.avi」みたいな名前)を「これ、面白いよ」と言ってMSNチャットのファイル交換機能で送りつけようともしていた。その瞬間はウイルスだと思い込みましたよ、ええ。
 また、MSNチャットは多人数での会話もできるのだが、いきなりUO友達(僕にとって赤の他人だし、その人にとっても僕は知らない人)を会話に参加させたりもしていた。

 フェンシングがスキルGMとなって間もないころだ。いつもの通りmamiさんとヘイブンで会話していたときのことだ。なにがきっかけかは忘れたが、mamiさんがスキルについて注文をつけてきた。包帯が大切だの騎士が必要だの。それをKanamiは聞き流した。
 実はmamiさんは戦士が不得意であり、だからテイマーのmamiしか表に出ていないのだ……そんな話をシグマの面々からこっそりと聞いていた。スキルが完成しつつあるKanamiにとってmamiさんの話など流しても良いと思っていた。しかもmamiさんは会うたびに言うことが違い、ある日は騎士だったりまたある日は魔法だったりと一貫しなかったのもKanamiが話半分に聞く原因でもあった。その無方向性のためにKanamiは魔法や包帯、騎士などのスキルが中途半端に入っているのだった。
「じゃあもし包帯がなかったらこいつら倒せる? 倒せないよね?」
 どんな流れだったかは忘れたが、そう言ってルンビ牧場と呼ばれる世界に連れていかれた。一瞬で目の前が真っ暗になり、お気に入りのオスタード共々殺された。1人と1匹のの死体に群がる黒い甲虫を白黒画面で眺めていたことまでは覚えている。
 どうやってヘイブンに戻ったのかはわからないが、しばらくはログアウトしても画面をぼうっと見ていた。

 そしておもむろにUO職業案内所を見始めた。