2008年7月29日火曜日

LUST TRAIN(まぐろ帝國)

 
いやーすばらしいマンガでしたね。ではまぐろ帝國先生の来世に期待しましょうか。いや、死んでないのですが。

 というわけで、まぐろ帝國先生の新たなる単行本です。この人のマンガは出版するごとに楽屋落ちが増え、エロ成分が抜けていくような気がするのは気のせいでしょうか。 この人は絵がエロマンガとして上手いのと時々「ぱらいそ」みたいなマンガを書くから土居坂崎先生的位置にいないものの、かえってよりギャグに特化しているのかもしれません。前にこの人の社会風刺マンガは、恐らくまぐろ帝國先生の思想とはかなり切り離されて描かれているのではないか的なことを書いたのですが、その場で思いついたネタを良い意味で適当に調理している感じがします。「ドキドキメイドさんパニック2003なんていらねぇよ 夏!」みたいなある意味で手がかかってそうな作品みたいにね。
 つまり、多分「ドキドキ○○パニック」系のお話って作るのが難しいと思います。笑いだけではエロマンガとしてNG。しかしまぐろ帝國の名を出すからには、笑えなければファンの期待に添えないでしょう。「ドキドキ○○パニック」シリーズを作るよりも普通のエロしかないマンガの方が楽に作れるはずです。
 読んでいるときは「謝りなさい! ギャグとセックスの神とエロを期待した読者に謝りなさい!」と叫びたくなるような内容だったりするまぐろ帝國先生恒例の最後の1コマがものすごく酷いオチ系の作品なんかも、冷静に読むと凄く上手く作られているのですよね(だからこそオチの酷さが際だつので)。
 さらに今単行本の「ぱらいそ」や前単行本「妹夏」のデジコ&マトリックスモドキみたいなエロとストーリーが釣り合わない作品も作るのが大変なのでしょうね。作品の内容量の割にテーマやネタが詰め込まれすぎていて、多分というかどう考えてもというか、確信犯でシリアスっぽい姿のギャグマンガを描いていますね。

 個人的にはそこら辺が土居坂崎先生とは違ったギャグの現れ方だと思います。土居坂崎先生の面白さは即興性何ですよね、「針井と堀田と近所の牛」みたいな。作るのは大変かもしれませんが、読者から見ると素晴らしくインスタントな出来具合です。
 それに対してまぐろ帝國先生は楽屋落ち系のマンガにしても手が込んでいる様に思える作品を得意としているという違いがありますね。


 内容は「ドキドキ○○パニック」ものが3本と「ぱらいそ」、ついでに「旦那様の名前はマコト 奥様の名前はユラ 二人はごく普通に恋愛しごく普通に結婚しました。ただ……奥様は世紀末救世主だったのです!!」もの、それなりにまともなエロマンガ2つ、つげ義春とか水木しげるとかのパロディ4本です。
 まぐろ帝國先生のギャグマンガを楽しみたい人には夢のような作品です。反面、笑いがあるとヌけない人には向いていません。ほとんどギャグマンガみたいなものですからね……。
 人を選びますが、面白いですよ。