2010年10月30日土曜日

戦女神VERITA感想

公式サイト

 えーと、初回特典ゲットしたものの、忙しかったから積んでいて、やっとプレイしてる最中だぜ(2010年9月8日現在。うん、下書きを書いたあとでポケモンがやってきたんだ。だから全く進んでいないぜ)。まだ1周終わったばかりって言うか、全部コンプリートしてからの感想なんて拷問に匹敵するから見切りで書いちゃう。後々のプレイで考えが変わったところだけ別の記事でまとめる予定。特に1周目が正史でないから追加記事の出る可能性は高いかも。

 さて、本作は1999年にエウシュリーより発売されたオリジナル看板エロゲRPGシリーズの最新作。ボリュームも物凄いし、キャラも多い。やり込み要素もたっぷり。ストーリーも分岐しまくり。
 僕が初めてエウシュリーに触れたのが2002年の戦女神2だから、もう8年も経ったのかと感慨もひとしお。
 そうなんだよね。8年も経ったのに主人公セリカの過去を明らかにしているだけなんだよね(笑)。
 エウシュリーの2大主人公を全面に出した作品として、すごいんだけどさ。

0.はじめに
 エロゲで同一主人公・世界観のシリーズ物を作るってのはかなり大変であることはプレイヤーも気付いていると思う。今のところアリスソフトのランスしか他には作品がないんだし。
 この原因って、主人公が同一だとその脇を固めるヒロインも同一だからエロシーンに初々しさがなくなり、それへの対処で新しい女キャラをスポット登場させて……というループに陥っちゃうんだよね。しかも主人公がエロシーンに突入する根拠を作ってあげないといけないし。この段階で現代物だと破綻が起きるので、ランスにしても戦女神にしてもファンタジーの(「冒険者」というのがリアリティを帯びている世界ね)RPGとなるんだろうね。
 ランスの場合は、女を得るために冒険するというある意味目的と手段が入れ替わった男を主人公としており、しかもヒロインはラブラブ(シィルやマリア)か無理やり(志津香やかなみ)かと両極端なのである意味初々しさがなくても問題ないというか。僕自身に限って言えば、エロシーンのある種マンネリさがランスっぽくて安心できるし。わざわざファンタジー世界の主人公をこの設定にしたアリスソフトのスタッフは相当な天邪鬼だと思う。
 対してエウシュリーは、主人公が神殺しなために冒険せざるを得なく、力(精気)を得る目的で性魔術を行ない、シリーズ毎に新しい女キャラが登場する形になっている。良い意味で正統派というか、エロゲRPGでシリーズ物を作ろうとしたときの過不足ない設定が詰められている。さりげなく主人公のセリカがほぼ不老不死で、エクリアを筆頭とするヒロイン系も不老不死になっているので、今後戦女神シリーズの作品数が増えても戦女神ZEROで章を分けたように時間経過を使ってサブキャラ群をリセットできるメリットはある。
 現在エロゲで同一主人公・世界観を使用したシリーズ物はこの2つしかない(はずだ)のが、ランスと戦女神の全てを物語っているんだ。

1.攻略
 ストーリーは幻燐の姫将軍2のごとく正史ルートと光と闇ルートで分岐する(らしい)。
 僕は普通に正史っぽい行動をとっていたつもりなのにいつの間にか光ルートへ……。
 あれだ。愚者の館でも読んでストーリー分岐はよく考えよう。というか、1周目はシステム的に絶対に正史ルート固定にして欲しかったぜ。ちなみに闇ルートは使用キャラが少ないから後回しにすべき、らしい。
 あと、セリカ編でミニゲームの釣りができるけど、勘弁して欲しかったなあ。RPGする人の数%かはアクションが苦手な人もいるとは思うのに。つーか僕は釣りで1個もアイテムを取れなかったですが何か。まあ、アイテム・クエストコンプリートにしか影響がなさそうだから許容範囲だけど。

2.バックグラウンド
 幻燐の姫将軍シリーズの伏線を回収しつつ、戦女神シリーズに繋げている。そのため、主人公をセリカとリウイの2サイド体制にしたんだけど……。
 うーん、戦女神シリーズにリウイが喰われちゃっているなあ。それはタイトルがあくまで「戦女神」であることもそう。システムもSLGじゃなくて、RPG。完全に戦女神の一つとして制作されてしまっているのだ。
 初エウシュリーが戦女神2であり、セリカに思い入れのある僕が見ても違和感があったんだから、リウイ&カーリアンが大好きな人からするとどう感じるんだろう。しかもサイド切替時の一枚絵がセリカ&エクリアであるのに対して、リウイ&イリーナだし。この作品だとカーリアンが完全に噛ませ犬になっちゃってるよ。できればここはカーリアンを全面に押し出して欲しかったな。物語で語られているほどは、イリーナって戦女神VERITAだけだとプレイヤーの心に残らないし。なんつーか、この作品で描かれるリウイとイリーナってシャアとララァみたいな変な関係という感想しか抱けないんだよね。
 このイリーナの存在って実は幻燐の姫将軍シリーズプレイしないとよくわからなんだ。特に戦女神VERITAはイリーナが死んだ後を描いているため、今作だけだとプレイヤーはリウイやエクリアがイリーナをどう思っていたかなんて読み切れないし。そこら辺が思いっきり出てしまったのがカーリアンの扱いの悪さなわけで。プレイヤー的にはリウイサイドの序盤から戦えて、戦士としてのダメージ源、睡魔による魔法や敵捕獲など、思い入れはかなり高まっているんだよね。なのに最終的にはカーリアンは主人公格じゃないってのがアンバランスだと思う。多分物語中死んでしまうシルフィアの方が見せ場が大きいんじゃないかな。しかもアペンド入れたらシルフィアも戦えるしorz

 いっそのこと、エクリアを主人公にしてその周りでセリカとリウイを描く形にした方が良かったんじゃないかな。そのほうが両主人公を公平に描けたと思うよ。
 実はセリカもリウイも朴念仁というか感情の起伏に乏しいキャラだから読んでて疲れるんだよね。光ルート最終章あたりでは「俺」が誰のことかわからないときがあった。2章か3章あたりでエクリアの一人称があったときにこのままこの形式で物語をすすめる方が良いなあ(わかりやすい、感情移入しやすい)と思ったような思い出がある。

3.ストーリー
 セリカとリウイの2大主人公を操って両サイドからストーリーを進める形式なんだけど、セリカ側って恐ろしいほど話がないんだよね。これは単純にセリカもエクリアも逃避行を行うだけであって、対してリウイは王国の統治の一環としてストーリーに関わるために情報量が全く違う。セリカって結局はエクリアと共に逃げる中で、ラプシィアに神の墓場に招待された挙句、アビルースに見つかって云々と振りかかる火の粉を払うな流れでしょ。対してリウイは深凌の楔魔と延々ストーリーを引っ張り続けるし(ただしここでリウイが深凌の楔魔と絡まなかったら、リウイは戦女神VERITAに絡まないわけで……)。。
 このこともあって、主人公二人体制ではなくて、エクリア一人に絞るべきだと思ってるんだ。ぶっちゃけセリカのストーリーの大半は酒場でクエスト受けてこなしてただけだからね。同じ逃避行ものでも戦女神ZEROは神殺し誕生の秘密とかハイシェラとの出会いとか、セリカが巻き込まれる形でシナリオがあったのに対して、戦女神VERITAは違うからねえ。

 ストーリーは、「イリーナを巡って、リウイやエクリアがどう決着を付けたか」で全てが表せられる。それ以外は序盤の深凌の楔魔ですら便乗した連中に過ぎなかったりする。その行程100年を1作品でゲーム化しようとするんだから、すごいもんだよ。まあ、色々と以前の設定に対して大人の事情な変更が加えられているのはご愛嬌。戦女神2で色々設定を出してプレイヤーに妄想を膨らませて、その期待に違わないクオリティを出した製作者たちに拍手したいくらい。まあ、ストーリー的にはやっと過去回想編が終わった段階なんだけどな。ベルセルクの黄金時代編完結! みたいなもん。

 しっかしエウシュリーってハッピーエンドと見せかけて、微妙にハッピーじゃない形にするのって上手いよね。ハッピーエンドのはずなんだけど、致命的な部分で影を落としてるんだよな。今作で一番衝撃を受けたのは光ルートで死ぬシルフィアと正史のルナ=クリアだったな。やっぱ死んじゃうのかーと。

4.キャラクター
 そういえば今作は絶対的な悪が存在しないよねー。戦女神2はラプシィアが、幻燐の姫将軍2はケルヴァンがそれこそ問答無用の悪人として描かれていたけど、戦女神ZERO以降はある程度敵にも感情移入できて、そしてVERITAでは絶対的な悪がなくなったんだ。いや、正確には、敵側の描写もしっかりするようになった、が正しいかな。つまり敵の過去や考えを描いてるんだ。これによって本来ならただの悪でしかない敵キャラにも味が出るんだよね。パイモンって、もう数年前のエウシュリーなら悪役兼黒幕として名を馳せたろうに、普通に良い(?)奴で終わっちゃってるんだ。まあ光ルートの終わり方を見て良い奴と言い切るのは不安だけど。
 一応、アビルースとかブレアードあたりが強度の高い「悪」っぽさを醸し出してるけど……。アビルースは結局セリカに人生狂わせられた愛の戦士だし、ブレアードはストーリー上あまり強くないっぽい悪党だし。ランジェリーを殺したついでにエクリアorシュリを誘拐してセリカを陵辱したラプシィアにはとうてい及びもつきませぬ。
・あとはラピスとかティファーナとかリンとか、プレイヤーの声を反映しているようで素晴らしい。
・そうだ、「プレイアデス」ってもしかしてオカルト方面で有名だから、名付けたのかな。確かに胡散臭いキャラの名前としては似合ってる。

 グラフィックは戦女神ZEROからさらに萌え方面に進化した絵柄。久しぶりのエクリアがかなり萌えっぽくなっとる。最近のしか知らない人が戦女神2のキャラを見たらどう思うんだろう。リウイ側の連中はあまり変わった印象がないけど、変化ありなんだろうか。幻燐の姫将軍2引っ張り出す気はないので調べないけど。それよりもブラックエウシュリーちゃんがほぼ別人になっててびっくり。

 ボイスは相変わらず戦女神と幻燐シリーズだね、と。あ、カンザキカナリと児玉さとみはやっぱ引退かあ。がっちゅでファンだったのに残念。でもまあ個人的には違和感なかったから別に大丈夫だと思うけどね。戦女神ZEROからの水の巫女様の御声は素晴らしいとの一言。あの喋り方(演技)は最高。

5.システム
 いつものエウシュリー。何か使い辛いんだよね。いや、メニュー召喚とかセーブロードの確認とかがワンテンポ遅れるのは慣れたから別に良いんだけど(目をつぶってもタイミングがわかるぜ)。やっぱり非戦闘時のアイテムやら魔法の使い勝手が悪いのはなんでだろう。これでも進化してるんだけどな。……マウスのせいかな? パッドにしたら快適になるのかな。
 戦闘シーンはいつもの戦女神で、慣れてる人は説明書読む必要はないと思われる。そういやチュートリアルとかをちゃんと作っているんだよね、ここって。さりげなく素晴らしい。多分エロゲメーカー最高にユーザビリティの高いRPG・SLGを作ってるんじゃ?

 さて、戦闘。属性って微妙かも。特に僕はラクスハイシェラ欲しかったから1周目でセリカのレベルを400にしちゃったから属性がほとんど役に立ってなかったにょ。ぶっちゃけポケモンと違って属性による補正が高くはないので(例外:反万能・不死・霊体)、ある程度レベルが上がっていれば万能+炎or神聖で十分ゴリ押せるかも。それよりも防御属性が大事なんだ。可能ならば魔神や神聖/暗黒や霊体の鎧を着たい。
 まあ、ポケモンの属性概念も色々一部では言われてるから、極端ではあるんだけど、戦女神シリーズはそれはそれで属性が空気だからなあ。


6.感想
 そもそも何で僕は戦女神シリーズが好きなんだろう。
 僕のエロゲの(本当の意味での)原点だから? それともキャラクター? グラフィックとか世界観? ここ数年はエウシュリーの作品の中でも戦女神シリーズしか買っていないし。色々面白そうなのはあったけど、ついに遊んでいないゲームがあれとかそれとか。

 考えれば僕にとっては物心ついたときは既にファンタジー、ひいては「勇者」のいない世界だった。育った環境的にも、90年代って1999年の恐怖の大魔王直前だったしバブル崩壊による閉塞感が漂っていたし、さらにはエヴァで一度お約束を目茶苦茶にされた後だったからね。ファンタジーの牧歌的農村的な雰囲気(ちなみにこの手の言葉って大抵はジャップファンタジーのことだったりするんだが)や本来の「勇者」に何の思い入れもないばかりか、スチームパンクとか半分機械要素の入った魔法世界に馴染んでいたから、それもあって戦女神の世界観に共感できたのかもしれない。ユートピアが滅んだあとの実力本位の魔法世界、戦艦ドレッドノートもゲストで出ます、でも動力は魔法だから(え?)安心してね。
 世界を救う勇者も、僕が実感できるのはベルセルクのガッツみたいなキャラなんだ。決して世界をどうこうするとかそんなことは考えず、私利私欲だったり衝動に任せた行動の積み重ねだったり。それによって世界を救うタイプのヒーローが好きなんだ。もしかしたらUOの影響も多分にあるかもしれない。UOはまさに1市民にすぎないプレイヤーが悪魔と戦ったり生活したりするゲームだったから(初期、Log-inとかで読んだUO日記マンガはそんな世界だったんだよ)。
 そんなわけでセリカというキャラクターは何かよくわからないけれど好きなんだ。感情がないって設定も面白いし別に異常に強いわけではないのも愛嬌がある……。

 で、色々考えたけど今後も戦女神シリーズは買い続けるんだろうね。