Tellurは、……現在色々物色中です。

サンダーストーン

2011年2月26日  2011年2月26日 
AEG / アークライト
プレイ人数:1人~5人
プレイ時間:45分
デザイナー:Mike Elliott
★★★ (3/3)
 ドミニオンゲーム……かと思いきや、たしかに大元の発想はドミニオンだけどゲームのテーマやモンスターの存在など小道具がドミニオンとの差異化に成功した。というか、ドミニオンがヒットしたから安心してこのシステムにできたみたいな印象を受ける。結構売れてるそうだね。

【遊び方】
 ドミニオン……だけで済ますのはアレなので。
 ヒーロー、アイテムやモンスターは全ては使わず、ランダムに数種類抜き出す。選んだものが今回の冒険で出てくる連中だ。
 プレイヤーは冒険者ではなく、ダンジョン近くに住む村人で、ダンジョンを討伐してサンダーストーンという鉱石を得るために、ヒーローを雇う。当然アイテムも必要だぞ。
 ヒーローやアイテムは買い物をする際にお金になり、これでより強いモノを買い/雇い、さらにダンジョンでモンスターを倒して経験値を得て、ヒーローを強化し、最終的にサンダーストーンをゲットしようぜ、が大まかな流れ。目的がサンダーストーンのゲットだからアイテム山札がなくなってもゲームは続行するのだ。

 さて、カードはまず、ダガーなどの基本アイテムと選んだヒーロー・アイテムを種類ごとにテーブルの上に並べる。モンスターは選んだものをシャッフルし、シャッフルし、シャッフルした後で最後尾10枚の中にサンダーストーンを入れて混ぜ、山札にする。それから経験値カードと疫病カード(そんなのがあるのだ)を別に置いておく。
 モンスターカードを3枚オープンにしてモンス山札の隣に並べる。それぞれ山札に近い順に3階層・2階層・1階層(のダンジョン)となる。モンスターを倒すごとに深いダンジョンのモンスターが浅いところに出てくるためにカードがずれる(例えば2階層モンスターを倒すと、1階層は不動で3階層が2階層にずれ、モンスター山札から1枚めくり、3階層に設置する)。ダンジョン内では明かりが必要で、1階層では1レベルの明かり、2階層では2レベル・3階層は3レベルの明かりだ。明かりがないと攻撃値に2×不足明かり分のペナルティがかかる。1レベル明かりで3階層の敵を攻撃したら、攻撃ペナルティは-4。高え。明かりは松明、マジックソード、盗賊などのヒーローからファイアボールの魔法まで設定されている。
 モンスターはそれぞれ経験値と体力、倒した後で使えるお金、さらに特殊能力がある。特殊能力は魔法半減など所謂耐性系から、疫病カードの強制取得や、デッキに入れたら攻撃力+1とか、カードの破棄まで色々ある。デッキに入れたら~以外は全て敵として戦う一番初めのターンに適用される。
 プレイヤーは予め配られた民兵・松明・ダガー・保存食を自分の山札にし、シャッフルした後で6枚を手持ちとする。自分の手番ではこの6枚を使って「行動」をする。「行動」は「休息」(手持ちから1枚いらないカードを破棄することで回転を効率化する)、「村」(手持ちカードに書かれている金額を合計してアイテムやヒーロー札を1枚購入する。この後、経験値が十分なればレベルアップしても良い)、「探索」(モンスターと戦う)の3種がある。1回の番につき、1種類の「行動」しか選べないので良く考えて。そして「行動」が終わったら、手持ちを全て捨札にして、新たな6枚を自分の山札から得る。山札が不足したら、自分の捨札をシャッフルし、再び山札化して、不足分を補充する
(↑この段落は完全にドミニオンの流れかな)。
 ヒーローはレベル・体力・攻撃力・お金・特殊能力が設定されている。手持ちにヒーローと武器があったらいくつでも装備をさせることもできるが、アイテムには重量がある。重量の合計がヒーローの体力以下でなければ使えない。
 ヒーローはお金で買うか、民兵をレベルアップさせるかで獲得できる。さらにヒーローを強化するには、レベルアップするか(ただし山札に上げたいレベルのカードがなかったらその系統のレベルアップは不可能)、購入するかができる。レベルアップし終わったら経験値カードは山札に戻す。ちなみに疾病カードはただのゴミカードだ。
 武器は重量とお金、攻撃力、鋭利などの属性がある。
 アイテムは松明(明かりレベル)、保存食(使用するとヒーローの体力が2増える=より重い武器を持てる)、魔法(ファイアボール。魔法攻撃力と明かりレベルがある。ちなみにファイアボールはヒーローなしでも使えるので、手札がファイアボール×4・武器×2だったとしても第3階層の敵まで魔法攻撃力12で爆撃できる)がある。
 モンスターとの戦闘は、手札を公開し、全てのカードの攻撃力を合計してモンスターの体力以上であれば勝利できる。ただし、明かりペナルティの存在、モンスターの特殊能力、そもそも武器は装備できるか、など不安要素は多数。無事にモンスターを倒せば経験値カードとモンスターカード、場合によっては疾病カードが得られる。モンスターカードはお金にもなるし、特殊能力で攻撃力アップとかができたりする。
 最終的にサンダーストーンの手前の階層のモンスターを倒すとサンダーストーンが手に入る。そしてモンスターカード、最終レベルのヒーローカードに書かれた勝利点を合計して、勝者を決める。

【感想】
 うわ、遊び方をここまで詳しく書いたのは初めてじゃないか? それくらい面白かった。ドミニオンでは全く食指が動かなかったくせにサンダーストーンに入れ込むのは何故だ! そして★3個で評価したくせに買ってないじゃないか!
 多分テーマの差なんだろうね。個人的にダンジョン探索系やらレベルアップとかのボドゲが好きなことと、ダンジョンでモンスターを殺す目的が分かりやすいこと、システムに合致したことが僕の心に響いたのだろう。
 どうしてもドミニオンとの比較になってしまうが、ドミニオンは勝利条件と実際に行動に差が出てしまった印象がある。アイテム札が3種なくなった時点でゲーム終了で、その時の勝利点カードの合計が高い人が勝利。……ここらへんが個人的によくわからなかったのだ。
 対してサンダーストーンは、勝利条件:とりあえずモンスターを殺してください☆ 勝利点はモンスターカードに書かれているからそれで大丈夫。しかもモンスターを倒すとお金と経験点と特殊能力が手に入るから実利面もばっちり。お金はアイテムやヒーローを得れば付いている――といった無駄なカードの少なさがポイントだと思う。

 さて、ドミニオンとの比較もこれくらいにして、サンダーストーンの魅力を色々書こうか(ドミニオンとの比較ならば遊星からのフリーキックを参照)。
 この手のデッキを構築して云々カンヌンのシステムは「ソロゲー」になりやすいのだが、サンダーストーンはテーマに沿った方法で他プレイヤーとの駆け引きを成功させた。しかもカード交換みたいな攻撃的なものではなくて、2手・3手先を見据えた戦術的な絡み方だと思う。
 それがダンジョン階層とモンスターカードの存在だ。モンスターがオープンされた。お、階層が深いけどお金持ちのモンスターがいる。誰がこいつを倒すのだろう。げ、1階層に耐性持ちが来てしまった。こりゃ次の階層のを倒したほうが簡単そうだな……みたいな駆け引きだ。そしてモンス山札が残り少なくなると、自分は経験値を得るためにモンスターを倒したいが、するとサンダーストーンを出してしまうかもしれないというジレンマに襲われる。大抵、ゲーム終盤はよほどの敵じゃない限り2階層モンス程度は殺せる攻撃力となるのでサンダーストーンが出たらそこで終了となる(つーかなった)。
 経験値は得たい。でも、モンスターを倒すカードは揃っていないし、倒せても疾病カードが強制取得となるかもしれない。疾病カード付きのモンスは他の人が退治してほしいなあというこう言った流れが僕は好きであって。だからサンダーストーンは面白かった。
 それからモンスターをシャッフルするのだが、序盤から普通に最強のモンスターが出てくる可能性がある。序盤で民兵の攻撃力が1、序盤武器のダガーは攻撃力が1、しかも民兵は保存食を食べないと装備できない中で、鋭利武器耐性・魔法半減・体力6の化物が浅い階層に集団で溜まったら……すっげええカオスだった。もう誰も倒せないからみんな笑いつつとりあえず各々のデッキを強化する。ある人はファイアボール(魔法攻撃力3)を4枚貯めれば良いという人もいるし、ある人はヒーローを貯める。僕? ヒーロー(物理AT)を強化して殴って突破したよ。面白いことに1人が強敵を突破すると後に続く人も出てくるのだ。やっぱ勝利点が美味しいから自分で倒そうと目論んでいて焦るのかな。うん、自分でも同じような行動をしたし色々経験はある。
 カードを破棄したり経験値でレベルアップしてデッキ圧縮するなど、計画を立ててメンテナンスをする手段に優れているのもサンダーストーンの特徴かもしれない。民兵や低レベル武器、疾病カード、ただの松明など捨てたいものは目白押し。かと思うと、民兵1人当たりの攻撃力を+1するヒーローまで現れて、そうそう簡単には定石を作らせないようにしている工夫が素晴らしい。
 まだ1回しか遊んでないけど僕の好きな戦術は、騎士みならいの戦士+ファイアボールコンボかな。騎士系列はお金にならないものの攻撃力+2でヒーローに攻撃力+1したりとなかなか強力だったりする。

 そこらへんはもうどうでも良い。とにかくサンダーストーンは面白い。ちなみにこの記事はいろんなゲーム会で何回もサンダーストーンを遊んだ後で書いているので僕の中で信頼性は高いw
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