2011年2月26日土曜日

ホワイトチャペル

ホビージャパン
人数:2~6人
時間:90分
デザイナー:ガブリエル・マリ & ジャンルカ・サントピエトロ
★★★ (3/3)
 切り裂きジャックをテーマとした推理ゲーム兼協力ゲーム。推理することをここまでドラマチックに実現できたのは大したものだ。スコットランドヤードに似ているらしい。




【遊び方】
 プレイヤーは切り裂きジャック(1人)と警官(残り)に分かれる。切り裂きジャックだけ取れる行動が違うため、紙とペンを用意しておこう。
 マップはロンドンの街並が描かれており、数字がジャックの移動できるマス、四角形が警官の移動できるマス。ジャックは1マスずつしか移動できず、しかも警官を飛び越えられないが、馬車トークン(2マス移動可能)か路地トークン(隣接する区画なら飛び越えられる)を使えば警官を跨いで移動できる。警官は2マスずつ移動可能。
 切り裂きジャックの勝利条件は4ラウンドの間、一度も警官に捕まらないこと。そして全てのラウンドで隠れ家にたどり着くこと。警官の勝利条件は、ジャックを捕まえること。
 ジャックは隠れ家を設定し、また自分の通ったマスを全てメモする。警官は自分の移動フェーズで移動し終わった後で数字マスを調査もしくは逮捕と宣言できる。調査の結果、ジャックが移動した形跡があれば(ラウンド中ならいつでも良い)、証拠トークンが置かれる。
 ラウンドは、警官が配置された後、殺害が起こり、切り裂きジャックと警官の追いかけっこが始まる。ジャックは15フェイズ以内に警官から逃げつつ隠れ家に帰るだけ。警官はジャックの痕跡を追い、隠れ家を探しつつ、ジャックを逮捕する機会を待つ。
 切り裂きジャックを逮捕できるか否かを競う頭脳戦である。

【感想】
 非常によくできた推理ゲームであった。殺人鬼VS警官というテーマとも合致したゲームシステム。誰が犯人かではなく、犯人はどこにいるのかを主題とし、だからこそ警官組の話し合いに切り裂きジャックを同席させても影響の出ない仕組み。規定人数一杯で遊んでもギリギリまで勝敗の決定しない協力ゲームとしての程よい難しさ。さらにジャックの移動は隠されているものの、丁寧に樹形図を書くと必ず正解がある運の要素の排除。そしてジャック側が特殊移動を使うと必ず警官にも明らかにされる公平性。全てにおいて最高傑作級だと思う。
 僕がプレイした時も全部で6人で遊んだが、何だかんだで最終的には第4ラウンドの半ばまでかかった。しかも隠れ家の候補がわかりジャックの進行方向はわかっているが具体的にどこの道を使っているのかが2択になり、偶然当たった程度のものだった。この難易度はたまらない。その日のゲーム会の中で間違いなく一番濃かったよ。全員でジャックの使った通路を洗い出して証拠トークンを置きまくり、1フェイズ目からの足取りを追う。ゲームが終了したあとでジャック役の人の使用したマス一覧を見て、さらに感心しまくる僕を含めた警官連中。ボードゲームでこのような反省会をするのは初めてだったので非常に面白かった。
 ただし欠点がないわけでもなく、それは事前の説明が少しややこしいことだ。ゲーム中に行う行動自体は非常に簡単だが、ゲームの流れを説明するのが一苦労。これだけは仕方が無いかもね。