2011年6月5日日曜日

映画感想4点

 映画好きの人とそうでない人を区別する一番簡単な方法は映画監督をチェックするか否かだと思う。ソースは自分。僕の周囲では普通に映画を観る人がそれなりにいたりするが、多くは俳優を見に日本映画を見る感じ。まあ、ストーリーを咀嚼してテーマを読み解いたり小道具に感銘を受けるなんてマニアな見方だから敬遠されるんだろうな。僕だってスピルバーグとジョージ・ルーカスくらいしか映画監督をチェックしていなかったし。
 そんな僕だが最近、映画好きの人のレビューを読む機会があり、ヴァーホーヴェンという監督を知った。なんとトータル・リコールやロボコップの人らしい。マジか。やっぱマンガでも映画でも小説でも、定期的にレビューサイトを巡って情報仕入れねばなあと思いつつヴァーホーヴェン監督の作品を借りる。

「スターシップ・トゥルーパーズ」
 うげ、この手のキツイ描写は得意じゃないんだ。ストーリー的には軍隊マンセー主義なものの、ところどころ入る軍隊的な価値観への皮肉が秀逸。ストーリーの表層は学校生活では落第生の主人公が軍隊に入ってかけがえのない仲間を得て人間的に成長し、また出世もし、最後に囚われのヒロインを助けて愛を手に入れるというもの。僕は暴力によって従わされた画一的な働き蟻を要求する組織が嫌いだからかなり批判的に見ており、軍事翼賛的とまでは言わないが、マッチョさが素直に描かれていると途中までは思っていた。
 でも歩兵達の不必要なまでの高揚、子供たちによる昆虫踏み潰し宣伝のイカレ具合を見る限り、反戦もしくはストレートな軍事翼賛に対するアンチ的な意味を持っているのだろうな。僕は今作が実質的なヴァーホーヴェン初体験だからどういう意味合いを持っているのか評価し辛いが、「善悪の彼岸に身を置く」との評判通り、軍隊翼賛と批判の両方の絵を撮って視聴者に考えさせるんだろうな。歩兵達の自分らは使い捨てという自棄っぱち感、戦艦操縦班のエリート主義、情報部の歩兵をただの駒としか扱っていない感覚、そして彼ら軍隊を軽蔑する市民とみんなを守る力という軍隊のお題目を信じる軍人たち全員に皮肉を入れている。
 ただ、歩兵達のヒロイズムはかっこいいと思う。「俺たちこそが地球を守るんだ」という気概がないとやっていけない状況から出た開き直りっぽいが。


「トータル・リコール」
 昔、小学生の頃、アーノルド・シュワルツェネッガー主演というだけで見た映画。その頃は今以上にストーリーをきちんと追わなきゃならないと思っていたので真剣にこの映画を見たよ。結果、意味不明な上に悪夢のような映像。軽く映画を観ることができなかった。
 この監督もヴァーホーヴェンだったらしい。しかも原作がP・K・ディック。ディックなら意味不明さは仕方がないなーと思いながら再度視聴。
 子供の頃気持ち悪いと思った映像ってのは意外と怖くはなかったことに気付く。シュワちゃんがおばさんに化けて顔が割れるってのが一番駄目だったけど、今見ると全くショッキングな映像じゃないや。
 ストーリーはわけわからないまま進んでいく。特に理解を妨げられることはない。これは僕の本とか映画とかの理解の仕方が大雑把になったのが原因かも。全体のストーリーや論旨が不明なら不明なりにその時その時のシーンだけを楽しむ癖がついてしまってるからストーリーに一貫した流れがなくても平気。ただしそれが災いして、見終わったり読み終わってから反芻しないので理解ができてるとは言いがたい。批評には向かないタイプだ。


「ゴジラVSガイガン」
 話は全く変わって、昭和ゴジラシリーズをついに見た。僕にとっては昭和シリーズに触れる初めての機会。幼い頃、ゴジラ大図鑑みたいなストーリーのダイジェストが載っている本を読んで色々想像が膨らんでたけど、果たして生で見るとどうなんだろう。
 →わ、キングギドラとガイガンが飛行するときに羽ばたいてないよ。何だかんだで平成版は技術が向上してたんだね、以上。別に面白くない訳ではないが、思い入れのない人間が見ても特段感じるものがなかったなあ。

「ゴジラVSヘドラ」
 昭和ゴジラ視聴第2段。昭和シリーズの中で異色作と噂されていて興味はあった。地球を返せの歌とか空飛ぶゴジラとかサイケな紙芝居とか前評判だけで相当色物っぽい。
 実際、内容自体も人間が溶解したりゴジラの腕が骨になったり主人公が途中で死んだりと子供向けにしては異様な出来だった。ヘドラの目を抉り出す姿は永久に語り継がれるだろうな。
 ところで、ヘドラってある意味ではゴジラの分身だよね。地球を汚染する核実験で誕生したゴジラに対し、水中汚染によるヘドロが合体して生まれたヘドラ。ヘドラとゴジラが戦う理由もいまいちよくわからなく、同族嫌悪と思うこともできる。さらにはヘドラが倒されてもう一体いるかも……と示唆して終わるのが初代ゴジラから採ったネタだと思う。
 映画の都合上人間側に立たねばならなかったゴジラだけど、本来の立場はラストシーンの人間を睨みつける存在だったのだ。

 さすがに週末で4作は疲れる。