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電子コンテンツ販売の落とし穴

2012年10月30日  2012年10月30日 

「Kindleで購入した電子書籍は、実はユーザーのものではない (WIRED.jp)」
 当然ながら僕も知らなかった。っていうか、AmazonだけじゃなくてiTunesストアも鑑賞する権利だけを売るのであって、所有する権利じゃないのね。言わば無期限のレンタル(ただし対象はデータ)って形か。実は……その建前ってのはMMOでもそうらしく、MMOでのリアルマネー取引を規制するために検討されているともどこかで聞いた。曰く、MMOではプレイヤーは運営会社からアイテムの使用権みたいなのを借りているらしく、だから勝手にリアルマネートレードしたらBANできるようにならないか、みたいな。
 話を戻すと、実際にiTunesストアもAmazonも販売した(便宜的にこう書くけど)コンテンツをユーザーの機器から勝手に抹消する事件を起こしている。特にAmazonはよりにもよってジョージ・オーウェル氏の1984だったし。こうして見ると、データの販売ってのは便利なようで落とし穴があるんだなと。いや、規約を確認しないほうが悪いのはそうなんだけど。
 では僕たちはどう自衛すべきかと考えたら、結局はこの手のコンテンツ販売サービスの使用を極力減らすしかないのだ。そして自分でスキャンしたデータを使用する。要はデータ販売みたいな概念がない時代と同じですな。全てのモノは実体があるため、販売と所有権の移転がほぼ同義であり、だからユーザーが自由に扱えるとかの世界。確かにデータ販売は便利だけど、今度はコントロールできすぎてしまうってのがデータの恐ろしいところ。
 本当は完全に所有権丸ごと販売するサービスが出るのが望ましいけど、iTunesストアとAmazonという方向性が同じ2大サービスで争ってる以上、それは難しいかもしれぬ。

 似た話で、最近流行っているクラウドへのデータの預け入れも怪しいものではある。かつてホームページスペースを提供していたinfoseekがサービスを終了し、管理者不明となった大量のデータがネットの藻屑と消えたように、クラウドのアップロードサービスもどこまで信用できるかと考えている。僕が使っているのはEvernoteとDropboxなのだが果たして何年後まで生き残っているか……。
 もっと言うならば、ユーザーデータを企業に預けるようになって個人情報云々が問題になっているが、真にヤバいのはサービスそのものへの不安定さだと思う。今は数千円で使えるEvernoteの年会費が仮に5万円になったりしたら今後は使う気失せるし。そしてEvernoteが著作権はEvernote側にあるという規約でほぼ無料の同じサービスを立ち上げるの。で、適当に面白いノートが溜まった頃に当たり障りのない内容のものを出版してみるの(文章では例示としてEvernoteを上げているが、他のサービス/会社でも当てはまる)。このような形でのユーザーコントロールができてしまうのではないかってのが一番怖い。少し違う話になったが。
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