2016年4月3日日曜日

「ひつじのショーン スペシャル ~いたずらラマがやってきた~」(アードマン・アニメーションズ、2016)

 選り抜き傑作選と新話の合同上映。ひつじのショーン自体は面白いので「ああ、こんな話があったなあ」と懐かしむ目的で楽しめる。

 冷静に考えて、動物を擬人化したこの世界で家畜の売買ネタってなかなかにブラックだなーと感じた作品。
 おとなしいラマを競売所で偶然買うことになったけど、そのラマ3匹は実はとんでもないいたずら好き・・・・・・というか暴れん坊で、何とかおとなしくなるよう催眠にかけて再び競売所で売りに出す、というストーリー。
 人間と同じように動物も感情を持つこの世界でラマや他の家畜を売買するのって大昔の奴隷売買と同じ感じがし、見方によっては相当危うい作品である。それもあって、今回ラマに被害を受けてもあまり牧場主には同情できなかった。ラマが乱暴者とは言え、飼い主の都合で催眠をかけられ売買される奴隷の悲劇といったものを感じてしまったよ。
 また、今回のショーンは空気が読めず自分勝手だった。仲間に迷惑をかけてもそれを感じ取れないいやーな面が強調されており、いつものショーンらしくないなと思った。なお、ストーリーの最初から最後までセリフなしの仕様なので、当然仲間からの抗議も言葉で行われず、ある種の空気を読む才能が必要な映画である。

 あと、これはたぶんうがち過ぎな見方だけど、平和だったコミュニティによそ者がやってきて、秩序が乱されるというストーリーは時節柄今のシリア難民とかをイメージしてしまった。この映画では最後までラマ達と牧場主達はわかりあえなく、解決策は催眠術をかけて競売所に売る(=難民を送り返すに近い)ことだったが、ご都合主義と言われようとこの映画くらいはラマと牧場主が多少は心を通わせる描写を入れて欲しかったなあと思った。もしそんなストーリーだったら、ご都合主義だと文句を言うと思うけど(笑)。