2017年6月20日火曜日

「あなたの人生の物語」収録の「あなたの人生の物語」(テッド・チャン)

 「メッセージ」を見て、改めて「あなたの人生の物語」を読みたくなったのでそれだけ読んできたのだよ。
・小説では良い意味でのご都合主義(他人や相手を指で指すジェスチャーが宇宙人も同じだったとか)が、映画では説明不足だった。僕は「メッセージ」で宇宙人と地球人でジェスチャーが同じなのはおかしいと書いたけど、小説では言及があったのね(というより映画は単にラッキーなだけだった)。
・小説だとフェルマーの定理→あらかじめ目的がわかっている→フェルマーの定理を基本とする宇宙人は未来を知っている、の順番で伏線があったのに対し、映画ではそこら辺が駄目な感じでぼかされていた。映画でボロクソに書いた理由はろくに小説の伏線を入れてなかったからなのね。
・未来を知っていても自由意志はある、と断言する理屈は小説のほうが上手い。映画だと未来を知っているなら、何でその通りに行動しなければならないの? という理由付けが薄い。この、自由意志の問題は小説でも映画でもテーマだったので、映画は人死お涙頂戴モノになってしまったと思う。
・そもそも小説では僕がメッセージの感想文で不満を述べた部分への理屈がちゃんと書かれており、映画は本当に言葉足らずだと思う。
・でも、異星人が地球に来た目的や、クライマックスの緊張感は映画のほうが上手。さすがハリウッドだね。ちなみにこれは皮肉も混じっている。