2017年11月17日金曜日

「グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま~す」(クリス・ヘイスティング、ヴィレッジブックス、2017)

 海外コミックを買う中で、DCやマーベルもの(いわゆるスーパーヒーローもの)は避けていた。だって世界観がわからないんだもの。日本で言うとガンダム世界みたいなものだと思う。詳しくない人からすると、同じような主人公が何体もいて、敵も同じような連中で、世界設定も同じようなもので、基礎知識が欲しいけど何読めばわからないってこと。
 さらに海外コミック特有の設定を省きがち(ここは日本のマンガがくどすぎるのだ)なのが世界観の把握できなさを加速させる。
 そのため、スーパーヒーロー系なら細かい設定を知らなくても雰囲気だけで理解できそうな「ザ・ボーイズ」のような捻った作品しか買わないのだ(「ザ・ボーイズ」はまだ完結してないので感想を書かないが、海外コミックは途中で邦訳打ち切りの可能性があるから、そろそろ感想文を書くべきだろうか)。そして「ザ・ボーイズ」後はそこまでスーパーヒーロー物を買わないだろう。

 と、思っていたが、いきなりコレだ。「グウェンプール」。表紙を見て、スーパーヒーロー関係ってことがわかったけど、あまりにも日本マンガ的なタッチで、アメリカ人のオタクがついにマーベルかDCで描き始めたのかと思ったのだ。それもデッドプールのパロディを。名前などからしてどう見てもデッドプールだったので、お布施してやるべと思って注文してびっくり。表紙詐欺かと思ったら中身も(一部分は)可愛い絵柄である(なお、海外の、特にアメリカのマンガは絵を描く人とストーリーを考える人が分かれてて、絵を描く人は数人で1チームみたいな構成をするので可愛い絵柄は全体の1/4くらい)。そして明るい! 「ザ・ボーイズ」とは大違いだ!
 そう、この作品で驚いたのはキャラクターの可愛らしさ。表紙の人以外が描いた回も色んなキャラクターに愛嬌がある。「ザ・ボーイズ」は可愛いキャラは弱いものを抱えているヒューイとフレンチーだけだったので、このきらびやかな世界に一気に引き込まれたのだった。

 とは言え中身はやはりスーパーヒーローもの。どうやらアメコミオタクの少女がアメコミ=スーパーヒーロー世界に行ったという設定らしい。そのためアメコミのネタを喋ったりするが、さっぱりわからん。わからなくとも絵を愛でてストーリーを読み進めるのに問題はないが、何となく寂しい。こんなことならちゃんとスーパーヒーローマンガも読んでおけば良かったかと思うんだけど、僕が本作を買おうと思ったのは「普通」のDCやマーベルでなさだったからなあ。「普通」の作品を買っても楽しめはしないだろう。
 また、海外コミックに必須の解説。相変わらず今月の新刊チラシみたいな形で本の間に挟まってるが、これ絶対に3年したらなくしそうだから、ちゃんと本文に綴じてほしいよなあ。それはともかく、解説を読んでやっとグウェンプールの立ち位置がわかった。いや、読んでもあまりわからん。取り敢えず、単発のキャラがパロディ遊びしてたらいつの間にかスピンオフになってたのか。スーパーヒーローものってどれもスピンオフのような気がするので、滅多にないことと知りつつもどのくらい凄いのかはわからない。とりあえず表紙のグリヒル氏が日本人ってことに納得。だから日本人好みの可愛らしさなのか。

 というわけで日本の萌え絵が表紙になったスーパーヒーローマンガ、アメリカでもこういう絵柄が徐々に受け入れられているのかと学ぶためにも買ったほうが良いと思う。

 次はリスガールだ!(また表紙買いかよ!)