2018年10月4日木曜日

立ち読みの思い出

 ふとした時、中学生頃、毎日学校帰りに立ち読みしてたのを思い出した。……念のために書いておくが、あのときはまだ立ち読みが苦笑いで黙認されていた、そういう時代だったのだ。マンガ雑誌はエロも含めて一切シュリンクをかけられてなかった。ある書店では僕と共に毎日、同じようなメンバーが立ち読みをしており、高校生も大学生っぽいのも、フリーターっぽいのも、スーツを着たお兄さんもおっさんもいた。スーツを着た人たちは当然、サラリーマンのはずだが、中学生の帰り時間に立ち読みするなんてどういう仕事だったんだろう?

 ぼくが通ってたのは2つの書店と1つのコンビニ。書店の1つは品揃えもよく、頻繁に通っており、鮮明に覚えている。ここがいつも同じようなメンバーで立ち読みしていた所だ。常に立ち読み客がいたにも関わらず、経営は盤石だったみたいで、僕が中学を卒業してから15年近くお店があり、入っているビルのリニューアルと共に消え去った。一方、コンビニはマンガが入れ替わる頻度が少く、いつの間にか行かなくなったな。そして記憶も曖昧で、たぶん他の思い出と混じっている気がするのは書店のもう1つの方。
 確か昔のマンガのリブートやコアなマンガを読んでた気がするが、これがこの書店の出来事なのか、他の書店でも立ち読みしてたのか、全く思い出せない。書店自体もいつの間にかなくなってしまい、それで通えなくなったのだ。しかもその頃はあまり足を向けてなかったのでずいぶん経ってから閉店の噂を聞いても全く残念に思わなかったし。頻繁に通っていた書店の方は鮮明に覚えているというのに!
 しかし、不思議なことに、思い出として懐かしいのは記憶があやふやな書店の方なのだ。人があまりいなかったことや、古い本が積まれていたこと、親と共に行ってマンガをねだったことなど、すべてが良い思い出だ(親にマンガを買ってもらったのは別の店のような気がするが、他にお店が見つからないんだよね……)。
 えてして、美しい思い出となるのは不確かなものなんだなと、なぜか立ち読みしたはずのマンガが浮かんできて思った。