Tellurは、……現在色々物色中です。

「ヘンゼルとグレーテル」(日生オペラ2019夏)

2019年8月25日  2019年8月25日 
 日生オペラの「ヘンゼルとグレーテル」を見てきた。色恋沙汰のオペラには飽き飽きしてたので、すっごく楽しく見れた。タイトルがタイトルなのでお子様客か多かったが、若い内からこんな豪華な演劇を見られるなんて羨ましい。開演前にオーケストラ壇を眺める子供たちは純粋で和んだ。やはり初心を忘れてはいけない。
 子供と言えば、やはり題材的にか、演者も今までのオペラに比べて子供が多かった。コーラスの子供たちはカーテンが閉まるときに這いつくばって手を振ってて、天真爛漫で可愛かった。ついでにヘンゼルグレーテルに比べると声の高さが全然違ってて子供の声ってやはり大人とは全く違うんだなと改めて感じた。
 舞台は昔っぽいんだけと、ちょくちょく現代風なセットになってて解釈が難しかった。魔女が半分ゴス女王様スタイルなのはどういう意図だったのだろう。子供があの衣服を理解できるとは思えないし……。魔女と一緒に出てくるホームレスっぽい人々も結局なんだったのか気になる。中の人は天使演じてた人だよね? てっきり彼らも子供が魔法で姿を変えられており、最後に魔法が解けるのだと思ってた。
 魔女を男性が演じるのはシナリオでそうなってるのかな。それともアレンジ? ヘンゼルグレーテルが共に女性が演じたのと対比されていて、中々面白いと思う。特に女性が扮したヘンゼルを男性が扮した魔女が監禁するのはギャグ混じりだがかなりヤバい絵面だった。お伽噺もこういう解釈もできるのね……。

 先にも書いたように、恋愛モノでないオペラなので新鮮である。恋愛だと時代の違いと巻き気味のストーリーでイマイチ乗り切れないところがあるが、単に子どもたちが魔女に囚われて帰ってくるだけだからストーリーに気を使わずに楽しめて見れる(とはいえ、有名なお菓子の家と魔女が第三部だけってのもボリューム的には物足りない気がしたが)。
 こういうオペラならもっと見たい。次回作は……トスカか。また恋愛モノか……。
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