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「京劇西遊記2019~旅のはじまり」(上海京劇院)

2019年8月25日  2019年8月25日 
 「京劇西遊記2019~旅のはじまり」を見てきた。
 京劇はなんとなーく好きで、独特の中華音楽と歌声と派手なアクションに惹かれたのである。というか、アクションと歌さえあれば別に京劇じゃなくても良いのではと問われると否定出来ないのだが……。
 今作は西遊記だ。やった! 西遊記! でもおなじみの沙悟浄と猪八戒が出る前のシーンが演じられる。残念! でもその代わり(?)観音菩薩様が出るぞ、やっほい! よくわからんが、観音菩薩は実写化するとなぜか女性となることが多いので(原作はたぶん男性として描かれてると思う)、本公演でも期待していたのだ。京劇に出てくる女性役の目の周りに紅を付けたメイクが舞台映えしていて個人的には好みなのだ。
 そんなフェティシズムはともかく、やはり京劇の見せ場はアクション。西遊記は主人公の孫悟空(孫行者)が進んで大立回りを見せてくれるので安心して興奮できる。題材によってはアクションより登場人物の心の動きとかが重視されたりして、それはそれでしっとりして面白いのだが、頭を空っぽにして役者の身のこなしに驚ける演目はやっぱり京劇初心者にとって魅力的なのだ。
 実のところ、この公演の主人公は三蔵法師。三蔵が旅に出るシーンから始まり、龍馬を仲間にして一件落着というシーンで終わる。孫行者がいくら格好良いアクションを繰り出しても、ストーリー的には脇役なのが特徴。
 なお、今作は主人公格の中に女性がいないので女性アリアがないのが残念。昨年度の「項羽と劉邦」ではちゃんと虞美人が歌ってくれたんだけど、西遊記だと観音菩薩しか歌える人(?)はいなさそう。さすがに観音様は歌わないよなあ。

 というわけで僕が西遊記すきなのもあって手放しで絶賛できた。いつか西遊記シリーズを京劇で一気見したいなあ。
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