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Adeptus Titanicusを遊ぼう!(2021年11月16日改訂)

2021年4月21日  2021年11月16日 

改訂履歴(2021年11月16日追加)

 下記記事(2021年4月執筆)を書いてから、ルールを統合したロイヤリスト本とトレイター本が出ました。

 そのため必要な書籍など大幅に変更になったので、改訂いたします。

①どんなゲーム?

 ゲームズワークショップのスペシャリストゲームという位置づけである「Adeptus Titanicus」。舞台はHorus HeresyというWarhammer 40kの中でも外伝的(Horus HeresyそのものはForge Worldでしかミニチュアゲームとして遊べない)な時間軸。帝国が忠誠派と大逆派で相争った中で、プレイヤーはタイタンミニチュアを操り、自分のアーミー(バトルグループってAdeptus Titanicusでは呼ぶのだ)を指揮して敵を倒す、というゲーム。

 僕の感想としては、スーパーロボットであるタイタンの操縦シミュレーションとして思うように動かないさまを楽しみつつ、対戦相手とミニチュアゲームしたり、自分のユニットが破壊されて玉突き的にフレンドリーファイアするのをゲラゲラ笑ったり、タイタンがダメージを受けて部位が破壊されるのに一喜一憂するゲーム。コンペティティブなゲームというより、ナラティブな遊び方(好きなレギオンでのごっこ遊び)がフィーチャーされてるっぽい。

 とはいえ、意外とルールはしっかりしており、またバランスも取れている。忠誠派も大逆派も使えるタイタンが共通で、各レギオンは特殊ルール・専用武装・専用ストラタジェムのみが異なるという仕様のため、40kやAoSみたいにバランス取りにやっきになる必要が低く、のんびりと長く遊べると思う。また、最初はネクロムンダとかと比べて武器やユニットのバリエーションが少ないとか思ってたけど、不要なデータがないことでもあるので、少ないのにも少ないなりにメリットは大きいと思う。少ないとはいってもナイトの種類は多いし。なお、このゲームの主役はタイタンたちで、40kで憧れのインペリアルナイトたちは非力なホードになってしまっている……。


②必要キットや書籍、サプリメント

 のっけからハードルの高い話をしてしまうが、ミニチュアゲームとしてAdeptus Titanicusを勧めるには、どの書籍を買えば良いのかのアドバイスが非常にし辛い……が2021年4月17日以前の状況だったが、4月17日にロイヤリスト勢力のまとめ本が出たのでロイヤリストの方々はそれを参考にすると良い。トレイターの面々も、使えるルールはロイヤリストと対比すれば検討がつくので、どんなルールが最新版なのかを確認するために下記で紹介するロイヤリストの本を買うべきである。

(2021年11月16日追加)2021年11月6日、待望のトレイター本が発売された。これでトレイター共も整理されたルールで遊べる。また、トレイターはCorrupted Titanという変異ルールをつけられるので、ぜひともトレイター本を買うと良い。(2021年11月16日追加終)

 まずは必須であるルールブックキットとして

  • Rule Set(日本語):アデプタス・タイタニカスのルールブックと専用ダイス、ユニットデータ一式他諸々が入っている(ミニチュアはなし)。専用ダイスとコマンドターミナル(ユニットデータ)、射界グッズは持っていた方が対戦相手や自分のためにも便利。入手必須。

を買う必要があるのは確か。

 次に前述したロイヤリスト勢力のまとめ本。

  • Adeptus Titanicus: Loyalist Legios:ロイヤリストもトレイターもマストバイ。この本は確かにロイヤリストのためのファクションブックである。ただ、どの勢力も共通である編成ルールとマニプルズルールが載っているため、トレイターも購入する価値はある。ストラタジェム(40kていう策略、ネクロムンダでいう戦術カード)も共通のものとロイヤリストのものが載っているため、トレイターも共通のストラタジェムを使えば良い。


(2021年11月16日追加)トレイターの方々は下記のルールブックを買うと良い。

  •  Adeptus Titanicus: Traitor Legios:ついに発売。ロイヤリストもトレイターもマストバイ。トレイター用のファクションブックで、ロイヤリストが使える追加ルールはない。ただしロイヤリストにとっては宿敵であるトレイターの戦略を学ぶために買うべきだろう。トレイターにとっては、ファクションルール、トレイター専用のウォーギア、そして何とCorrupted Titanのルールが追加された。Adeptus Titanicusがもっと楽しくなるぞ!

 なお、以前の様々な書籍が一切使えなくなるわけではなく、ロイヤリスト本・トレイター本どちらにもゲームシナリオだとかキャンペーンとかは収録されていないので、それらが必要なら下記書籍は必須となる。(2021年11月16日追加終)

 どの書籍もレギオン(③参照)ルール、マニプルズ(③参照)ルール、ストラタジェム(40kていう策略、ネクロムンダでいう戦術カード)が小出しに載っており、自分が使いたいレギオン、マニプルズ、ストラタジェムがあれば入手必須、載ってない本は事実上ハズレ状態(ミニチュアゲーム的には)である。少なくともルール・マニプルズはロイヤリスト勢力のまとめ本で整理されたけど、レギオンとストラタジェムとナイトハウスはまだ各本を参考にしないといけない。

 そのため各書籍に収録されているレギオン(ロイヤリスト・トレイター問わず)、マニプルズ、ナイトハウスと、その他のアピールポイントを書く。もちろんレギオンとかマニプルズとかナイトハウスって何? って人は次の「③アーミーの作り方」を先に見てほしい。

  • Titandeath:アデプタス・タイタニカスのキャンペーンルールが書かれている本。収録レギオンは、Astorum、Defensor、Atarus、Solaria、Mortis、Krytos、Fureans、Vulpa。収録マニプルズはCorsair、Janissary、Regia、Lupercal。キャンペーンで遊びたいなら必須。
  • Doom of Molech:ナイトハウスのルールを拡張しており、ついでにMolechキャンペーンというのも遊べるらしい。収録レギオンは、Crucius、Fortitdus、Vulcanum、Interfector。収録マニプルズはFortis、Ferrox。収録ナイトハウスは、Devine、Donar、Indra、Kaska、Kaushik、Mamaragon、Tazkhar。
  • Shadow and Iron:Psi-Titanのルールや既存タイタンの追加武装、キャンペーンルールを収録。収録レギオンは、Praesagius、Oberon、Lysanda、Infernus、Mordaxis、Audax。収録ナイトハウスは、Orhlacc、Vornherr、Vyronii、Mordred、Malinax、Ærthegn。収録マニプルズは、Canis Light(Legio Audax専用)、Arcu、Ruptura、Mandatum。
  • The Defence of Ryza:複数のナイトバナーをまとめて特殊能力を持たせるナイトランスルールや、オラザクならぬオラレギオンの作り方、忠誠派・大逆派・ブラックシールドのいずれに属するかのallegiancesルールを収録。収録レギオンは、Honorum、Osedax、Crucius、Magna、Vulturum、Mortis。収録ナイトハウスは、Sidus、Taranis、Zavora、Morbidia、Ioeden、Oroborn。収録マニプルズは、Perpetua、Extergimus、Firmus Light、Dominus。ナイト中心で遊びたいならナイトランスは必須だと思うし、自分だけのレギオンに憧れる人は是非とも買うべき書籍。また、allegiancesルールは全レギオンに適用されるルールなのでやはりAdeptus Titanicusプレイヤーは購入必須。
  • Crucible of Retribution:収録レギオンは、Atarus、Astraman、Ignatum、Venator、Laniaskara、Kulesaetai、Damicium、Tritonis。収録ナイトハウスは、Col'Khak、Moritain、Gotrith、Vextrix。収録マニプルズは、Ignus Light、Precept。
  • ホワイトドワーフ460号(2021年1月):一部マニプルズの日本語訳と解説が収録されている。ただし誤訳または誤表記あり(僕が使うマニプルズで致命的な誤訳または誤表記を発見したのだった……。たぶん探せばまだまだ誤表記または誤訳っぽいのがあるかもしれない)


 書籍以外のサプリメントは、

  • コマンドターミナル:タイタンズアカスタスナイトインペリアルナイト。ゲームで使うならやはり純正サプライが使いやすい、自分で作るならA4コピー用紙に印刷してボード紙に貼り付けて要所要所に穴を開けよう。なお、コマンドターミナルを販売していないユニットの情報は、当該ミニチュアの箱の中に入っている(Knight AcheronやKnight Castigator、フォージのKnight AtraposやKnight Styrix、Knight Magaeraなど)。
  • ウェポンカードパック:ウォーロードタイタンリーバータイタンウォーハウンドタイタン。これも別になくてもなんとかなる。が、あった方が遊びやすいし、自分で作るならA4コピー用紙に印刷してボード紙に貼り付けることを推奨する。
  • オープンエンジンウォーカード(絶版):基本ルールブックや拡張本に載っているバトルシナリオはどうにもバランスがアレなのでこのカードで遊ばないと楽しくないと思う。個人的には必須、ebayで探すのをおすすめする。
  • ストラタジェムカード(絶版):ストラタジェムがカード化されているけど、拡張本でストラタジェムが追加されまくってるから今現在は古すぎて使えないんじゃないかな!? 個人的にはわざわざ探してまで使う必要性は薄い。
  • インチメジャー:ミニチュアゲームに必須。


③ロスターの作り方

 まずはアーミー(Adeptus Titanicus的にはバトルグループだっけ?)の要素としては以下のものがある。

  • allegiance:忠誠派、大逆派、ブラックシールドのどれかによって能力が付く。The Defence of Ryza拡張本で出たこともあり忘れがちなルールだが、ロイヤリスト勢力のまとめ本が出てようやく正式なルールの一部に書いてもらえるようになった。
  • レギオン:ネクロムンダで言うハウス、40kで言うスペースマリーン船団、FBで言うアーミー。上で書いたようにユニットは全レギオンで共通なのでm各レギオンの特色を出せるのはレギオンごとに用意された特殊ルール、独自ストラタジェム、独自ウォーギア、独自プリンケプス能力、カラー見本となる。特殊ルールは割とアデプタス・タイタニカスのルールに影響を与えるものも多く、レギオンによっては別ゲームをしている気分になるらしい。特殊ルールのバリエーションは多いので、レギオンの強弱が直感的に把握しにくいのはレギオン選びには不便だけど、レギオンの「上位互換」「下位互換」的な優劣を生まない良い方法だと思う。戦い方が自分に合っていればどんなに弱そうな特殊ルールも100%の力を発揮できるし。なお、各プレイヤーは2つ以上のレギオンを組み合わせたロスターを作成しても良い(ただしマッチプレイ時は対戦相手のレギオン数分のストラタジェムポイントを貰えるルールになっているため、1レギオンのみでロスターを組めば相手に与えるストラタジェムポイントが最小になる)。
  • マニプルズ:40kで言うデタッチメントだが、AoSで言うバタリオンが一番近い。マニプルズを構成するタイタンに制限があるが、それを満たすことでマニプルズごとに特殊能力が付く。なお、アデプタス・タイタニカスのルール上はマニプルズなしでアーミーを組んでも良い(サポート扱いになるはず)が、当然マニプルズで組んだほうが強いと思われる。また、アーミーの中にはポイントが許す限り複数のマニプルズを組み込める。マニプルズ1つにつき後述するプリンケプス能力を得られるので、基本はマニプルズを入れられるならたくさん入れたほうが良い。なお、イレギュラーなことにマニプルズごとに1体しか入れられないタイタンやナイトもいるらしい。
  • タイタン:このゲームの基本ユニット。よほどのへそ曲がりでない限り、マニプルズが組める数(3体)のタイタンはアーミーに入れると思う。基本タイタンは3種類、追加で3種類の計6種類だが、ウェポンの選択ができるので遊んでみるとバリエーションが豊かな印象を受ける。
  • ナイト:アデプタス・タイタニカスでインペリアルナイトは「ナイトバナー」という形で複数のモデルでユニットを構成している(40kやAoSの一般ユニットと同じ)。行動はナイトバナー単位で行い、ダメージ判定もナイトバナー単位で受ける。コマンドターミナルも複数のナイトをまとめたナイトバナー単位で書かれている。ナイトは、タイタンに比べて明確に脆く、タイタンにおけるレギオンのように、ナイトを束ねるナイトハウスがあるにも関わらず、ナイトバナーを入れただけ(いわゆるサポートバナー)ではナイトハウスルールは使えないというありさま。ナイトハウスルールを使いたいという人は、3つのナイトバナーをまとめたナイトランスという軍団を作成する必要があり、それにはもちろん色々な制限とルールがあり、詳しくはThe Defence of Ryza参照。なお、通常アデプタス・タイタニカスにおいてナイト中心でゲームをする人は珍しいらしく、ナイトランス(およびナイトハウスルール)も通常のゲームでは出てこないと見て良い(なぜなら一番安いインペリアルナイトのみで構成されたナイトランスでも300ポイント超のため何となく程度じゃアーミーに組み込めないのだ)。ちなみにナイト軍団を使ってのタイタンハンタープレイは楽しいらしい。
  • プリンケプス能力/セネシャル能力:40kやAoSで言うウォーロード能力。プリンケプスはタイタンのマニプルズごとに1体ずつ、セネシャルはナイトランスごとに1バナーずつ指名する(なんかナイトハウスはハイキングとかいうのもいるらしいがもうわからん)。マニプルズは先に書いたようにアーミーの中に複数入れられるので、40kのウォーロード能力ほど1アーミーでも使う人はレアというわけではない。そんな感じ部隊長に特殊能力を付けられるよ、ってこと。


 つまりこれらの要素を組み合わせて拡張本を買いロスターを作成しミニチュアを購入するわけだが、この中で非常にやっかいなのがマニプルズ。Adeptus Titanicusのロスターを組む上でマニプルズは必須だが、ロスターに組み込めるミニチュアはマニプルズに規定されるのでゲームをよくわからない内からマニプルズという抽象的なルールを知る必要があるのだ。失敗してもそれはそれで……という意見もあるけど、まあ極力調べられるものは調べたいじゃない。ちなみに僕の場合は好きなというかメインで入れたいタイタンから逆算してマニプルズを選んだ。所詮タイタンは3~4種類しかないので所有ミニチュアに合ったマニプルズは必ず見つかるはず。どうにもならなけりゃ追加で1体タイタンを購入すれば合わせられるマニプルズの幅は大きく広がるぞ、リアル費用はかかるけど。


④ミニチュア数やリアル費用

 誰もが気になる費用とモデル数。あくまでも参考程度であるが、書き出して見ると……

  • 入門用の1000ポイント戦:大体リーバータイタン3機で1マニプルズを構成し、リアルマネーは\8,300×3=\24,900となる。ウォーロードタイタン1機とウォーハウンドタイタン2機で1マニプルズを構成しても、\15,300+\9,400=\24,700。Adeptus Titanicusというゲームは1000ポイントならこの程度しかミニチュアが入らないのだ(代わりにタイタンはしぶとい)。とはいえ、射撃偏重のウォーロードがいたら対抗手段が少なさそう。
  • 一般的な1500ポイント戦:Goonhammerを読むと基本的には1500ポイントが広く遊ばれてるっぽい。1500ポイントというのは極めてアーミーのバリエーションが広く、ウォーハウンドタイタンのみで構成するなら2マニプルズで6機のウォーハウンドタイタン+ナイトバナーを組み込めるし、ウォーロードタイタン3機編成もできるし、それこそリーバータイタン3機とナイトランス1団みたいな構成も可能である。リアルマネーもアーミーの構成に応じて全然異なるが、ウォーロードタイタン3機編成で\15,300×3=\45,900、リーバータイタン3機とウォーロードタイタン1機だと\8,300×3+\15,300=\40,200、ウォーハウンドタイタン6機とインペリアルナイトだと\9,400×3+\5,900=\34,100くらいが想定される金額。なお、ナイトランス構成にするなら、300~400ポイントのナイトランスだけで\5,900×3=\17,700はかかる。1500ポイント戦でもタイタンのみなら4~5体くらいしか入らないのが常だし、ナイト偏重主義でもない限りは最大でもタイタン3体とナイト3体×2バナーの計9体が上限だと思う。
  • 大満足の2000ポイント:中軽量タイタン中心ならマニプルズも2つは入れられるし、ウォーロードのみの構成でも4体入れられる楽しい戦い。ミニチュア運ぶのは大変だけど、これくらい盛りだくさんだと写真映えもするし良いんじゃないかな。リアルマネーはそれなりに必要です。


⑤実際にゲームを遊ぶにあたってのTips

 個人的な意見だが、自分のレギオン情報は対戦相手に事前に伝える方が親切かなと思う。マニプルズは……まあ教えなくとも構わないか。

 というのも、「②必要キットや書籍、サプリメント」で見たとおりAdeptus Titanicusって情報が複数の本に書かれているので全部の本を手に入れている人は多くはないし、また持っていたとしてもよほどの専門家でなければ頭の中にデータが入ってない。そして知らずに遊ぶと初見殺しになるレベルで各レギオンの固有能力は強い。例えば、Legio Vulcanumはプリンケプス能力を2人に与えることができ、さらに通常スカドロンを組めないタイタンでも2体ペアでスカドロン化できるが、こういうことを事前に言わずにいきなりバトルの場で宣言されたら地獄絵図になるだろう。リアルパワークロー沙汰になるかもしれない。

 知らないレギオンのびっくり能力でゲームにならないことを楽しむのもこの遊び方かもしれないが、もう少しコンペティティブに遊ぼうぜ、ということで最低でもレギオンの固有ルール・固有ウォーギア・固有ストラタジェム・固有プリンケプス能力は教え合いっこすべきかなーとは思う(ナラティブ的にも誇りあるレギオンプレイヤーが自分のレギオン名を隠して戦場に臨むなど臆病の極みだと言えよう)。

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