2008年4月29日火曜日

「カスミ伝」シリーズ感想


カスミ伝全はAmazonに情報なし





 今日は唐沢なをきのカスミ伝シリーズ(カスミ伝全、カスミ伝S、カスミ伝△)です。
 まあ、いつもの通りの実験マンガマンセー路線のコメントを書くつもりです。

 この本を読むたびに「カスミ伝全の頃ってASCIIから売れるとは思われてなかったのかなー」と考えてしまいます。だってカスミ伝Sとかカスミ伝△はカラーページやシールなどがあるのにカスミ伝全にはないんだもん。ついでにカスミ伝△の方が紙質良いし。

 内容はいわゆる実験マンガのオンパレード。カスミ伝全の頃は方向性が定まっておらず、微妙な物もありますが、カスミ伝S以降は明確に実験マンガを目指しています。双六やらスクリーントーン遊びやらキャラをAA化するとか杉浦茂チックに書くとか……。まあでも唐沢なをきにしたら序の口でしょう。つーか、実験マンガとわかるだけ彼のマンガからしたらわかりやすすぎます。かなーり読者が実験マンガだと安心して読めるようにしてくれてますね。

 しかし唐沢なをきってすごいですよ。延々とマンガ手法を逆取った(メタ化した)実験マンガを書いていてネタがつきないのだから。何て言うのだろ、どこかで同じようなの見たことあると思ったら、駕籠真太郎に微妙に似ているかもしれません。特にこれの駅前一字。何か似ている。駕籠真太郎と唐沢なをきの違いって、唐沢なをきは徹底的に下らなく書こうとしている点だと思われます。駕籠真太郎がしばしば「アートっぽい」という評価をされるのに対し、唐沢なをきのマンガをアート性だとかテーマ性で読む人ってほとんどいませんからね。しかも唐沢なをきは本当は深いマンガを描けるのにわざわざ下らない路線に突き進もうとしているのがすごいのです。アート系の路線って最終的には読者のファッション感覚に頼ってしまいますからね。僕も含めて駕籠真太郎を好んで読む人ってただ面白いからだけではなくて、アートっぽいからとか「エログロがこんなに出てるのに、そこから何かメッセージを読み取る俺かっこいい」的なものがあって読む人が多いと思います。でも唐沢なをきはそういう読み方をされないのは幸せなんじゃないかなーと思ってみたり。