Tellurは、……現在色々物色中です。

ボードゲームを遊んでみた(電力会社)

2010年9月14日  2010年9月14日 
電力会社
★★☆ (2/3)
 はい、わかっている通り、減点分は箱の大きさただひとつ。あとは紙幣が紙ペラなのも不満。でもゲーム性は極めて高かったよ。ジャンルはオークション(競り)ゲーム?

(遊び方)
 ドイツかアメリカの地図ボード上には各都市と電線が描かれている。各プレイヤーは電力会社となって発電所をオークションで購入し、各都市に建てた家へ電力を送るのだ。当然電力を送るためには維持費用がかかる。わかっているな。このゲームでは燃料と称するもので、市場原理に沿って値段が変わるのだ。同じ燃料を購入するプレイヤーが多ければ値段は高騰するし、ついでに燃料を使用するプレイヤーが多ければその分値段が下がる(このゲームでは燃料を貯蔵できるため、使用しなければ値段を高騰したまま維持できる)。
 もちろん発電所と燃料があるだけでは無駄だ。電力会社の使命は(各都市に建てられた)家に電力を送ること。家を建築しなければいかん。……あれ、思い違いか。「家」じゃないよね。正確には「支社」っぽい。ちゃんとルールブックを読みましょう。そして支社をたくさん増やして我が電力会社を成長させよう。目標は15支社!(5人で遊んだ)。支社を建てるルールは簡単。すでに支社がある都市と隣接した都市のみ建設可能。ついでに都市と都市の間に送電線を引かないといけないので、そのコストもよろしく。
 勝利条件は、支社15個以上建った時点で、できるだけ多くの支社に電力を供給できた人。つまり燃料も計画建てて持っておかなくてはならない。
 さあ、ドイツの電力業界を牛耳れ!

(感想)
 「魔法にかかったみたい」をやったのと同日に遊んだ。
 すっげえ楽しい。まあやることが多いから、その分時間もかかったけど(5人で3時間前後)。
 ゲームの目標もわかりやすく、直前にやったゲームが霞むほど。オークションで発電所をゲット→支店を建てる/いや別に立てなくても良いよ→燃料購入→好きな発電所を運転させて収入を得よう→最初に戻る、な流れ。序盤でつまずいても逆転のチャンスはあるし、適当に動いてもそこそこのパフォーマンスを得ることができた。
 ただし、戦略の幅が少し狭そうなことと序盤の配置で差が付きすぎそうなところは難点。オークションだからそこらの駆け引きを楽しめないと面白くないかも。そして所有している発電所はオープンなので各人が本気で発電所が欲しいか否かわかりやすいのは欠点。もう少し工夫できたらもっと面白くなったかも。あとはドイツだと送電線費無料の都市が人数分ないよ。序盤で送電線費がかかる人とかからない人が出てしまうのはあまり良くないかも。
 それでも経済をここまで丁寧にシミュレートしたのは好感が持てる。どれも簡単なルールで最大限にプレイヤーへの影響を与えることができる。
 いや、そんなことはどうでも良いんだ。やっぱり初手は送電線無料の都市2つに支店を置いて、安い発電所を購入。石炭は9個買い占められると初期の石油費よりも高くなってしまうので、石油発電所を購入するのも一つの手かも。そして風力発電所を何とか購入する道が一番早いかな。風力発電所は可能ならば支店2つをカバーできると楽かもね。第一フェーズが終わる頃は生ゴミやウランが安くなってるから、乗り換えるのも手かも。特に原子力発電所はウラン1つで複数の支店をカバーできるので(その分値上がりやすいけど)良いかも。ハイブリッド発電所(石油と石炭どっちでも使えるとか)は燃料の買い占めを自由に行うには良いかもしれんが、高いから微妙かも。僕の体験だと、勝った人は初期から風力発電2台と石油/石炭発電1台を所持していて、これがランニングコスト下げに影響を与えていたっぽい。2位の人も途中から風力1台と原子力2台に集中しており、安いうちに1種類の燃料を備蓄する戦術を取っていた。確かに彼がウランを独占し続けると誰も手を出しにくくなるから合理的だなあ。

 あ、という感じでこのゲームに関する話はまだまだあるけど、これくらいにしよう。こんだけ語れるくらい面白い内容だった。完全日本語化されてるから箱のデカさに目をつむれば買う価値はあるよ。
 どこかのサイトの言葉を借りればブオニッシモと称えるのがふさわしいと思う。需要によって物の値段が上下し、勢力を伸ばせば技術進歩の恩恵を受けた性能の良い高級品を最大限に活用できる点も素晴らしい。あとはインフレやら不況みたいなネガティブ系なものがあればなお良かった。こんなすげえ経済ゲームをやったら期待値が上がって仕方が無いぞ。
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B!
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