2011年1月17日月曜日

ガメラ2 レギオン襲来

 そうか、ガメラ映画の怪獣はエイリアンとかのモンスターの系統であるとともにトップを狙え!の宇宙怪獣でもあるわけか。今作ではエイリアンさながらに人間が怪獣に襲われたり戦ったりするシーンがあるが、人間の襲われ方や戦い方がアクション映画とそっくりだ。窓ガラスに血糊だけをつけて表現するとか。

 ガメラ2だが、一番の特徴は敵の怪獣の造形。怪獣モノとして作る必要はなかったし、作りたくなかったんでないかなーと思わずにはいられない。そんな設定だ。敵、「レギオン」は宇宙から来た蟻と植物の共生体のような怪獣。シリコンを分解し、食料とする。植物部分を成長させ、宇宙に向けて種を打ち上げるために蟻の部分が世話をしたり守ったりと色々行うのだ。種を宇宙に打ち上げる際に周囲を濃厚な酸素で充満させるために、打ち上げの爆発で都市が壊滅してしまう。映画ではそれを防ぐためにガメラも人類も戦ったのだった。
 こんな感じのレギオンだが、設定がこれまた独特だ。シリコンを食べ、電磁波で会話する。……ゴジラ映画では考えられなかった細かさだ。ゴジラ映画の怪獣が何を食料としてどんな成長の仕方をしてどんな生態なのかなど、動物的な部分が全くわからなかったのに対し、平成ガメラシリーズはギャオスもそうだがこれでもかというほど細かい設定を作りたがるらしい。映画の前半は前作空中大決戦もそうだが、ギャオスやレギオンの生態の調査に費やされてしまうことからもわかる。特に今作はガメラが一度死んで、人間側が考案した決戦の舞台で復活したガメラがレギオンに止めを差した形だったので、より人間ドラマが強調された形となっている。前半のガメラとレギオン(昆虫大集合)の戦いは面白かったのだが。
 だがよく考えたら前回ガメラ空中大決戦で「MM9」(山本弘、創元SF、2010)と絡めたが、まさにMM9そのものだったのだ。怪獣映画だからガメラは空を飛び火を吐いて、レギオンはバリアやビームを放つが本来は巨大怪獣ではなくてエイリアンみたいな生き物にしたかったのかと思ってしまう。わざわざレギオンの解剖シーンを描いてガス気圧で体を動かしてるみたいな情報を映画に盛り込むところからも明らかだ。昆虫レギオンVS人間、ガメラは最後に植物レギオンの種子打ち上げを阻止するという流れでも映画にはなったんじゃないかな。

 今作の見所いうか、実は平成ガメラは前作も次作も、ガメラの血を出しているのだ。平成ゴジラでは血というのはダメージ表現の一つの形であったのに対し、ガメラは「血」として表現されている。どこかで製作者陣がガメラの血を緑にしたのは冷却効果を持たせるためだが、本当は赤いと生々しいから云々と語っていた気がするが(平成ガメラ1の時に出た、設定本だったと思う)、これに免罪符を得たのか今作レギオン戦ではガメラの血がこれでもかというほど流れている。特に映画前半で群体レギオンに襲われたガメラが回転飛行をする際にビルに緑の血を撒き散らすシーンなんかがそうだ。さらにガメラ3になると血を比喩表現にすら使っていたり。もう血の色が緑なのを免罪符にとことんやっているのが素敵だ。


 ガメラとレギオンの最終決戦が淡白だったのは欠点だけど人間ドラマは面白かった。一つ一つが細かく設定を作りこんであり、大人の鑑賞にも耐えられると思う。