2015年12月6日日曜日

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(ジェームズ・ガン監督、マーベルスタジオ、2014)

 アメコミ原作のスペースオペラ。アライグマ無双を聞いていたが、確かにアライグマが印象的だった。というか、サブキャラが魅力的すぎて主人公とヒロインのキャラ立ちが不完全だと思う。

【あらすじ
 主人公は宇宙を股にかけるレアハンター。依頼されたお宝が宇宙を崩壊させてしまう力を持つアーティファクトだったことで、悪の帝国と依頼主の間で板挟みに合う。図られて入れられた監獄惑星で暗殺者のヒロイン・凶暴なアライグマ人間・ウッドマン・カイリキーもどきに出会い、宇宙の破壊を防ぐため悪の帝国と戦う。

 CGが美しくでストーリーも濃く、何よりも主人公チームのキャラ立ちが半端じゃない。2時間の間に主人公たち5人のトラウマとそれを克服する過程を描き、寄せ集めのチームが悪の帝国と戦う守護者になるストーリーは興奮する。もっとも、筋肉男が自分の欲望に忠実に行動してしまいコレクターの惑星をボロボロにしてしまっても簡単に許されるなどやはり詰め込みすぎという印象も受けた。まあ何よりも詰め込みすぎの余波を受けたのは主人公とヒロインだったのだが。

 この映画、なぜか主人公とヒロインはストーリーを主導するものの透明人間感が否めない。サブキャラは、アライグマは最後の最後まで自分が大事と言い張るも悪の帝国との戦いを決意したカタストロフィがあった。ウッドマンは何考えてるのかわからないながらも自らの身体を犠牲にし皆を守ったりアイアムグルートで観客を和ませていた。カイリキーもどきは自分の復讐だけでなく未来を見据えての人間的成長。この3人は全員王道の物語を歩むため映画中でも印象が深かった。
 対して主人公。序盤の母親のシーン、いらなくね? 地球との絆(要は懐メロ洋楽)というのも描ききれてなかった(この映画の持ち味の何割かは70年台80年台の懐メロ音楽集らしいが、その世代じゃない人にはわからんよなあ)。そして古代宇宙人とのハーフという設定も大して必要だったとは思えない。もちろん続編を作る上では必要になるのかもしれないが、少なくともこの映画では重要じゃなかったなあ。また、主人公は割と早い段階から宇宙を守る決心をしているっぽいのだが、何が彼に決意をさせたのかわからなかった(ぶっちゃけ正義感とかそこらなんだろな。主人公の内面を描写するには尺が短すぎた)。
 ヒロインもなぜ宇宙を崩壊させるオーブを求めるのか今ひとつ不明。いや、作中で説明はされていたが納得出来ない。主人公にしてもヒロインにしてもそうだが、☓☓を守れといった課題に対し反発をしないものだから、ただ単にストーリーを進めてる感が強い。この2人に食って掛かるサブキャラ3人が印象に残るのはそういうことかなと思った。

 何にせよアウトローたちが宇宙を守るお話は単純に燃えて楽しい。敵のボスの行動がショボかった気がするが、そこはご愛嬌。でも宇宙船をむざむざと壊されるなんて間抜けにも程が有るぞ。