Tellurは、……現在色々物色中です。

「GODZILLA 決戦機動増殖都市」(静野孔文監督・瀬下寛之監督、ポリゴン・ピクチュアズ、2018年)

2019年8月25日  2019年8月25日 
 多少マイナス面を込めた感想を書いた1作目の続編。
 前回は主人公がダメ軍人であると書いたが、今作も相変わらず。もしかしたら製作者は次から次へと状況が悪くなる主人公に可哀想フェチを抱いて作っているのかもしれないが、僕から見ると頭が悪すぎて悪口しか出て来ない。

 今作の教訓は、司令官であるなら極力全てを理解しておくことの大切さだろう。よくもまあ詳細のわからんナノメタルとかいう物質を戦術の中心に据える気になったものだ(テクノロジーに反逆される物語はジュラシック・パークやターミネーターも同様だけど、この2作はもう少し知性のある作品だと思う)。というか、ナノメタル関係なく体調不良者が出ている時点で作戦を練り直したほうが良かったのでは。それでもってビルサルド人の考えに不満をもって散々思わせぶりな素振りを見せた挙げ句都市を破壊するのだから何がしたかったの? って感じである。いやそもそも、今回の作戦が失敗した要因の1つはゴジラが思ったより早く目覚めたことだが、作戦をみんなに発表するときにゴジラが来る前に頑張ろう的な精神主義100%の作戦を得意げに話していた。これ第二次世界大戦の日本だよ……。

 「メカゴジラ」を都市にしたのは面白いと思ったが、都市っぽさがない。決戦の舞台になるのが、都市の中でもゴジラを捕らえるプールみたいな場所のみで、戦車隊もなく、人間側の遊撃部隊となるのは3機のスーパー戦闘機のみ。で、スーパー戦闘機が戦うと当然カメラアングルは空に向けてとなるので余計に都市を映してくれない……。要塞みたいな都市で戦う作品と言われればエヴァンゲリオンを思い浮かべるが、今作のゴジラは暗い中の戦闘ということもありエヴァ以下の見栄えだったと思う。それでもってメカゴジラは出てこないのだから楽しくない……。映画館で高い金払って見せられてたら暴れていたところだった。

 主人公はゴジラ絶対倒す的な演説したくせに、慕ってくれた女の子が想定外の事態に襲われるとゴジラ倒す信念曲げるの致命的にダサい。人間らしくゴジラを倒そうとか言ってるけど、こいつらの考える人間らしさって薄っぺらいと思う。ポリゴン・ピクチュアズ繋がりだとシドニアやBLAME!より遥かに「人間らしさ」が限定されており(異星人が出てくるにも関わらず!)、こりゃゴジラに勝てないというかゴジラの行動すら予測できないわと思ったのだ。
 それにしてもモブ男やビルサルド人にいくら被害が出ても平然としてたのに後輩の女の子には弱いのね。今にして思えばこの主人公は宇宙船の一室でギャルゲー三昧してた方が周囲の人にとって平和だったろうな、他の人はゴジラにそこまで思い入れがあるわけでもないし。

 シナリオの問題なのか、主人公が見ててイライラするほど無能なんだけど、次の作品は大丈夫?
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B!
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