「タボリンの鱗」(ルーシャス・シェパード 著、内田 昌之 訳、竹書房、2019)
2020年1月26日
2020年1月26日
1作目の感想文
1作目は傑作だった。ファンタジーとしての異物感とそれを支える日常のリアルさ。作品のジャンルも伝記もの、冒険もの、ミステリー、ファンタジーと幅広く読み応えがあった。
このシリーズはグリオールと呼ばれる山のように巨大な竜がある土地に封じられ、いつしか人間が街を作り、そしてあまりにも巨大なのでグリオールも土地として扱われ、でも実はグリオールは魔法のような力で周囲の人間の思考に干渉していた、というそんなグリオールの周囲でみみっちく生きる人間どもを描いた作品である。前作の短編集ではグリオールも単なる巨大な竜として、ダンジョンのように生き物を棲…