2011年1月15日土曜日

UO回顧録@桜 その5

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   第五章 ~平穏~

 ギルドシグマの面々だが、mamiさん関連で重要なのはギルドマスターのゼロさん、mamiさんが慕っているポールさんしかいない。個人的にお世話になった人としてエリックさんも話に出る予定だ。つまり、mamiさんは意外なほどギルドシグマとの接点を持っていなかった。Kanamiが初めてシグマに加わった時以外での、ギルド活動(狩り・ボス戦)には全く参加しなかったのだ。
 そのためKo-rinは自然とギルメンと遊ぶようになっていった。お金の稼ぎ方から装備の融通までエリックさんとポールさんには非常にお世話になった。2人とも対人をたしなむ方らしく、特にエリックさんには世間話として対人用装備を色々教えてもらった。peugeotがウォーフォークを持っているのもエリックさんの格好良さを真似たからだったりもする。また、エリックさんは当時、オークション大会を開こうとしていた。僕自身は2回しか出たことなかったが、かなり人が入っており活気があった。
 今から思うと初心者の時からmamiさんに付き合っていたということで、色々と気を使ってもらってたようにも感じる。

 年末にもなりオフ会の日時が決まった。場所は東京駅周辺。参加者は僕・ゼロさん・ポールさん・エリックさん。居酒屋の店主がどうもシグマのOBらしい。世間は狭い。mamiさんも呼ぶべきかと逡巡していると、
「mamiは来ないよ」
とゼロさんが言い出した。
「え、どうしてですか?」
聞いてみたものの、ギルド活動すらまともに参加していなかったためにある意味で深く納得もしていた。
「今までにもさあ、オフ会開いたのよ。でもあいつほとんど参加してなかったからw」
「どうもマミの家って母親が厳しいらしくて門限があるらしいよ」
「オフ会開くなら時間を早めるか、家の近くにしろって言い出すからなあ」
口々にポールさんとゼロさんが話しだす。
「それに今の日程じゃ仕事入ってるはず}
とのゼロさんの言葉に違和感を感じた。
 実は今までゼロさんの態度から、mamiさんに対してあまりよい思いを持っていないらしいことが伺えた。それはポールさんも同じで、mamiさんが
「ゼロも〇〇(ポールさんのこと)も大好き」
と叫ぶたびに受け流したり無視していたイメージがあったのだった。
 そんなゼロさんがなぜmamiさんの私生活を詳しく知っているのかと思うと、
「だって俺、マミと同じ職場にいるからw」
との返事。
 つまるところ、ゼロさんとmamiさんはリアルでも知り合いであって、だからこそmamiさんはギルドシグマにいたわけだ。ギルド活動をしない彼が何も言われない理由がわかった。

 オフ会は和やかなの雰囲気の中で行われた。物知りなゼロさん、落ち着いているポールさん、エネルギッシュなエリックさん。
 僕はエリックさんの好意でルンビ胴と嵐篭手を格安で売ってもらえる約束を取り付け、嬉しかった中、皆の話題は当然というかmamiさんのネタになった。
 その時の僕は、今でもそうだが、2chやウザスレ系は覗かないためUO住民の評判・噂話にいまいち疎かったりする。それでも誰々がBOTerだのツーラーだの珍獣だの、その手の話題を耳にしたことがあった。mamiさんも「珍獣」と呼ばれていることは知ってたし、MSNチャットの件や普段の行動から変な人であるとは思っていた。しかしゼロさんたちから聞く内容は衝撃的だった。

・mamiさんは緑PK(ギルド内であれば対人戦闘の訓練がトラメルでも自由にできる)の常習者
・そのため何度もギルドシグマを追放されているらしい
・しかし拾ってもらえるギルドもおらず、結局はシグマの責任として引き取っている
・飛鳥でも珍獣として有名だったが、桜へ逃げ出した
・コンパニオンに応募したが、選考で落ちた
・どうもコンパニオンを諦められないらしく詐称(?)している
・そもそもキャラクターは低まーしか活動できない
・女装が好き(?)
・オタク
・自動で包帯を巻いてくれるツールを使わなければテイマーができない

 今でこそブログ炎上などを見て、一般常識が通じないというか言葉が噛み合わない人間がいるというのはわかっているが、その当時はピュアだった。そこまで変な人間がネトゲできるのかと驚いたのと同時に、どうにかして縁を切ろうかと思ったほどだ。mamiさんの言動は大学の友人に面白おかしく話していたが、そろそろ本気で変だと気付き始めたからだ。そんなときのぶっちゃけ話は何というか、刺激が強すぎた。
 大学生だった僕に世の中の広さを教えてくれた一夜だった。