2014年8月10日日曜日

「シドニアの騎士」(東亜重工動画制作局、2014)

 弐瓶勉氏のマンガのアニメ化。ニコ動を見ると意外と人気で、まさか弐瓶氏の作品でこんなに一般向けに訴求する時代が来るとは思わなかった。
 いや確かに主人公が優遇されているし登場人物も饒舌だしハーレムだし絵柄も(今までに比べると)かわいい。でも中身は宇宙漂流+戦闘機(ロボットだけど実質はパワードスーツとしても使える戦闘機的感じ)+正体のわからない敵という大変人を選ぶ作品。一応設定が説明されているがそれでも「今までに比べると」という比較において。ただ、主人公周りを今風にするだけでこんなにポップな雰囲気になるものなのか。

 ぶっちゃけアニメの方はちょくちょくマンガからストーリーや設定の改変がされているが、良い方向になっている。連載中で、またいくらでも時間を圧縮できるマンガの物語を1クールのアニメに表現し直すには必要な修正だっただろう(同時に高々数冊の単行本をまとめるのに10数話=6時間もかかってしまうのにアニメの限界を見た)。もっとも、アニメのキャラ設定が変わっているのは二期やるときどうするのか気になるが。

 絵柄・キャラデザ・動きは僕にとってはもう問題が見つからないレベル。CG作画ということで不安もささやかれていたが、出来上がったものは見事。放映開始当時はキャラの顔にツッコミを入れる輩もいたが、顔がのっぺりしてるのは弐瓶氏だからだ。
 多少女性の体のラインに違和感のあるシーンも交ざっているがここまで顔の表情を付けられるならば大抵の萌え絵はCGで作れるのでは? 「てさぐれ 部活もの」でも思ったけどいわゆるアニメ絵を問題なく作れる時代になったんだな。
 驚いたのは長道やイザナの顔芸が絵柄を変えずに処理されていること。弐瓶氏はBLAME学園で見せたようにギャグも面白いけど、絵のタッチを今風にしないとギャグとして受け取り辛いように思える(いや端正な顔が歪んだりリアルな顔がデフォルメされるのは面白いけど)。原作のシドニアは今風の絵柄に変えたが、それでも絵そのもので笑うシーンはなかったのに、アニメであんなに表情を変えられたのはすごいなと思った。

 ストーリー・設定は上にも書いたとおり原作よりアニメの方がわかりやすい。改変部分は多々あれどストーリーは逆にアニメの方が、例えばギャグシーンはギャグだとわかるように処理されていて、観やすかった。正直、原作はストーリーの結末が全く読めないので、アニメ版は何期まで続くのかはともかく、整理せざるをえないだろう。
 原作とアニメの設定の変更点は見つけられなかったのだが、何かあるのかな。

 音響関係はとてつもない。映画館で聞いてみたい。特にエンジンをふかす低音がしびれる。音響監督の岩浪氏ってジュエルペットサンシャインやトランスフォーマー的ハチャメチャさだけが売りじゃなかったんだ……。
 声優は問題ないっていうか、僕は声の演技に不満を抱くほどの耳を持っていない。ので満足。

 というわけで次週が待ち遠しいアニメだった。今夏アニメを見ていると自分でも知らなかったことだが僕は別に新しいアニメを好き好んで見たい性格ではないらしい。なんか色々理由をつけて新しい作品を拒む傾向がある。そんな中で更新後即視聴するアニメというのは私事ながらめったにないものだったのだ。二期が楽しみ。

「健全ロボダイミダラー」(ペンギン帝国、2014)

 実は原作が合わなかった。同じ作者の「火星ロボ大決戦!」は楽しく読めたのに。
 この作者はお色気を含めた軽いノリのギャグが秀逸で、シモネタに結構絡めるんだけど、その笑いのポイントはどちらかと言えばテンポだったり言葉のチョイスだった。だからお色気がメインの要素になったダイミダラーは笑いが足りないと感じて途中で止めた。
 とはいえ、「のうりん」レベルで合わなかったわけじゃないのでアニメで解釈され直すと楽しく見れるかなと思ったが、うーん、やっぱり微妙。

 一番自分に合わなかったのはそこまでお色気をメインにするならエロアニメ(原作マンガは序盤しか読んでいないが)にした方がもっとはっちゃけられるんじゃないかなと。まあ、全年齢向けだからシモネタがシモネタとして笑いになるのかもしれないが……。声優に「ティンポ」だの「セックス」だの修正音なしで言わせるのに、行為として及ぶのは胸を揉むとか裸を見る程度。セリフがそこまで過激ならハニートラップや正義のヒーローによる「お仕置き」があってもバランス悪くないのにその手の描写がない(ってこりゃ市立戦隊ダイテンジンだな……)。同じように発言が過激だったアニメ「生徒会役員共」との違いは「生徒会役員共」はよくも悪くも真面目で無邪気にエロネタを語っていて視聴者や主人公との常識の落差を笑いにしていたのに対し、ダイミダラーは明らかにエロいことだと認識して登場人物がしゃべっていてエロさを笑いにしている点。そのくせ裸に修正を入れるなどというレベルの低いこと。エロ方面に進むならもっと道があるだろうに何でこの程度のところで止まるかな。

 シモネタが楽しいのはどこまで過激なことをするんだろうというハラハラ感にあると思っている。パロディとかも同じだ。今作は「ティンポ」と言わせた時点で一線を超えてしまっているわけで、ここから先はさらにエスカレートしないと笑いにならないんだけど
 つまりは性行為の対象キャラに12歳だとか言わせてるコミックLOの爪の垢でも煎じて飲めということで。ちなみにLOはLOで表現規制派にアドバンテージを与えているようで手放しで褒められないのだが。

 ところでダイミダラーって主人公たちが主人公たる意味ってあったのか? いっそつわリッツの魅力を全開にするために美容室プリンスどもがペンギン世界を侵略する悪者側として描いたほうが主人公サイドの密度が増えたと思う。敵が単なる悪者ではなく……というのは正直十数話の尺じゃあ描き足りないんだ。霧子コンビがニコ動でバカップルだの色々言われたのって1つには描写が足りないせいでもあったのではないか。

 色々書いたけど、アニメを見終わって「火星ロボ大決戦!」を読むとやっぱ面白い。ダイミダラーは何かが違うのだ。

2014年8月6日水曜日

麻薬?

 少し前に芸能人の麻薬問題が流行っていて、その時に思い出したことがある。
 今からもう5年以上も前、アムステルダムに遊びに行った。
 御存知の通り、アムスは売春・軽麻薬が合法化されており、それ目当ての旅行者も多かった。

 旅の途中、アムスで1人の日本人と出会った。
 おなじみ売春街のファン(?)であり、1年に1回はアムスに来ているらしい。お気に入りの女の子もいて顔なじみなのだと胸を張っていた。

 あるとき、彼は日本で副業として麻薬の売人を行っていると自慢した。
 芸能人も顧客になっており知り合いも多いのだとか。

 正直、それを聞いた時はバックパッカー崩れが大ぼらを吹いた武勇伝以上の感想を抱けなかったのだが、今から思うと彼はもしかしたら100%の真実を語っていたのかもしれない。
 もちろん彼とはその後会ってないし、そもそも彼がいかにして麻薬を日本に持ち込んでるのか知らないのだが(っていうかそんな簡単に持ち込めたり、持ってってることを他人に言えるの?)。

時事ネタ

 佐世保の女子高生殺人事件について。
 報道のアレさは誰かが言っていると思うので、少し視点を変えよう。

 さて、この手の若者がやらかした不気味な殺人ってのは酒鬼薔薇事件に代表され、その後も何度も起こり続け、一時期は「キレる17歳」という単語まで作られた。
 一貫として報道は子供の心がわからないとか心の闇とかそんな言葉で結んでいた。
 ただ、彼ら殺人鬼と同年代だった少年少女は口には出さなかったけど彼らの気持ちが分かる人も多かったのではなかろうか。

 歴史的に見たり世界的な視点から見れば恵まれている日本だけど、実は銀行すら潰れたり自殺がたくさん起きたりとパッとしなさ。このまま高校・大学と勉強しても将来はどこかの会社に入って名も売れずテレビの輝きを指を加えて眺める一生を過ごす。たぶんお金だって昨今のこのご時世、結婚したら昼食代を500円にするか400円にするかで延々とバトルを繰り広げるのだろう。何ていうか面白くない。

 もちろん実際に行動に移した奴らとその他多くの普通の連中は全く異なる。だが、「心の闇」と紋切り表現でしか語れない奴らは事件について何も言えるわけがない。
 ここらの「今時の若者」的な見方が俗流若者論の原型で、ネットによって定量的な批判がだれでもできるようになって若者も意見を主張し始めたと思っている。でも僕はもう若者じゃないけど。

 そして、2014年現在。
 さすがに心の闇とか言う名文句は封印されている模様だが、相も変わらず女子高生殺人事件については低レベルの議論が行われている。
 僕が不思議なのは報道陣だ。酒鬼薔薇事件で学生だった奴らも今では20代後半から30代。報道陣の一角になっているはずなのだが、それにしてはレベルが低い。あたりまえだが、この手のおかしな人間は数年に一度属性関係なしに現れるのは20年くらい生きていれば嫌でもわかるはず。
 大人になったら記憶が作り替えられ、まさに「大人」という生物になってしまうのか?(諸星大二郎氏の作品でそんなのがあったね)。

 まあ実際のところは、報道陣も大学中はテニサーとかコンパとかでバカやってた奴らが多く、そんな連中が作っているシロモノだから程度が知れてますね、というものなのだろうか。