Tellurは、……現在色々物色中です。

「クリムゾン・ピーク」(ギレルモ・デル・トロ監督、レジェンダリー・ピクチャーズ、2016)

2017年1月26日  2017年2月24日 
ある種のマンガ的な登場人物がズラズラ現れ、美しい屋敷の中で演じられるサスペンス……との評が一番適切であろう。ジャンル的にはホラー(幽霊映画)なんだろうけど、主人公のお嬢様があまりにも頭悪すぎて誰かの助言なしでは生き残れないから幽霊を登場させました、と言われても不思議ではないほど幽霊要素は薄い。戯画化された人間ドラマが見どころで、誇張された登場人物たちが過度にシリアスにもアップテンポにもせず、お上品な映画に仕立て上げている。幾つか読んだことのある19世紀のイギリス怪奇小説を映画化すればこんな感じになるんだろうなと思った。  登場人物はこれでもかと言うほ…

「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」(ピーター・トライアス著、中原尚哉訳、早川書房、2016)

2017年1月22日  2017年2月24日 
最高の作品である。普段僕は文庫を買っているが、ハヤカワ文庫だと分冊になる&巨大ロボット(作中では「メカ」と呼ばれる)のイラストがつかないので大判を買ったが、当たりであった。  フィリップ・K・ディックの「高い城の男」が作者によって言及され、数多の書評サイトもまずはそれとの比較を行っているが、僕は読んでないからわからない。もちろんこの本は「高い城の男」と関係ないので、普通に単体の作品として楽しめた。 1.歴史改変SF、らしい  僕はあまり歴史改変SFを読んでこなかったので本作のような本格的なのは初めてである。だから実はツッコミどころも多いのだが、概ねジ…

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(ギャレス・エドワーズ監督、ウォルト・ディズニー、2016)

2017年1月12日  2017年2月24日 
2016年の最後にこんな大作を持ってきたなんて今年は豊作だなあ。  今作は完全に外伝。そのためおなじみのキャラはほとんどいない。そのため時たま出てくるダース・ベイダーが「そう言えば今作はスターウォーズの1作品だったんだ」と思い起こさせてくれる。とは言え、魅力的な宇宙船やエキゾチックな風景の惑星、色々な姿を持った宇宙人たちはスターウォーズらしさを全く損なっていないく、それでいてキャラクターが一新されたことで新鮮さを印象付けている。  視聴者にとっても完全に新規のキャラクターたちが主人公だったので、どこの馬ともしれない奴らが集まって英雄的行為を成し遂げる…