Tellurは、……現在色々物色中です。

「GODZILLA怪獣惑星」(静野孔文監督・瀬下寛之監督、ポリゴン・ピクチュアズ、2017年)

2017年11月20日  2017年11月20日 
3部作の1作目なんだね。パンフレットを読むまで全然知らなかった。だからラストシーンがあんなのだったのか。  今作のゴジラは「シン・ゴジラ」とは方向性を変えて非リアルな方向性にしたとパンフレットに書いてあった。その目論見は大成功だろう。ツイッターで流れた感想に、「シン・ゴジラ」の方が云々というものがあったが、まさにこのような感想こそ製作者は待っていたと思う。  そもそもゴジラシリーズは好きな作品が人によって異なれど、極めて空想特撮的であり、大人から大人気のVSビオランテですらスーパーX2が出てきて抗核バクテリアだのサンダーコントロールシステムだのワクワ…

「グウェンプール:こっちの世界にオジャマしま~す」(クリス・ヘイスティング、ヴィレッジブックス、2017)

2017年11月17日  2017年11月17日 
海外コミックを買う中で、DCやマーベルもの(いわゆるスーパーヒーローもの)は避けていた。だって世界観がわからないんだもの。日本で言うとガンダム世界みたいなものだと思う。詳しくない人からすると、同じような主人公が何体もいて、敵も同じような連中で、世界設定も同じようなもので、基礎知識が欲しいけど何読めばわからないってこと。  さらに海外コミック特有の設定を省きがち(ここは日本のマンガがくどすぎるのだ)なのが世界観の把握できなさを加速させる。  そのため、スーパーヒーロー系なら細かい設定を知らなくても雰囲気だけで理解できそうな「 ザ・ボーイズ 」のような捻った…

「タイム・シップ」(スティーヴン・バクスター著、中原尚哉訳、ハヤカワSF文庫、2015)

2017年11月17日  2017年11月17日 
SFというジャンルを読む愉しみは、世界が変わる感覚を得られることである。自分が見ている世界は少しベールをめくれば異なる姿を持ち、それに応じて世界に対する自分の見方も変容する。しかしそれだけでは物足りない。世界の真理が知りたいだけなら最先端の物理学の本でも読んでいれば良い。SFの真価は、その変容に対峙する人間の感情や行動を描き出すことにある。変わってしまった人間は今後何を考え、どうするのか。SFがノンフィクションやジャーナリズムなどと異なるのは人間性への言及にあると考える。  そんなSFの面白さを知った人間はひたすら世界が変わる感覚を求め続ける。もう身…

「ブレードランナー 2049」(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、コロンビア、 2017年)

2017年11月1日  2017年11月1日 
初めに書いておくと、僕は初代「ブレードランナー」をリアルタイムで見たわけでも当時の空気を知っているわけでもなく、「ブレードランナー」自体に思い入れは全くない。そのためネットで皆さんが大興奮しても何がそこまで素晴らしいかいまいちピンと来てないのだ。 ・テーマ性  神殺しだのアイデンティティだの都市と孤独だのと言ったテーマは読み取れるんだけど、初代「ブレードランナー」に影響を受けた作品群がオリジナルと呼ばれるようになった後の今の時代で本作品を見ても……と思った。個人的には、西洋の人はどうでも良いことで神に挑もうとすると感じるため、そろそろ神をあっさり超え…