Tellurは、……現在色々物色中です。

「花の詩女 ゴティックメード」(永野護監督、オートマチック・フラワーズ・スタジオ制作、2012)

2018年12月9日  2018年12月9日 
ディスク化されてないこの映画を初めて見てきた。  数年前から見たいなあと思ってたが、偶然再上映の情報を得たのだ。ワクワクしながら見たのだが……。  背景は美しかった。明らかにアニメ塗りとは異なる手法で描かれ、「絵」だなあと思ってワクワクした。が、登場人物が喋るシーン、これ口パクパクさせてるだけじゃない? 序盤、顔がアップになるとセリフの音と口の動きが合わなかったので物語に入りきれなかった。中盤の旅の中でシーンを切り替える場面も画面を黒くする効果を使いすぎで、エピソードをぶつ切りでつなげている印象が残った。そのため男主人公と女主人公が対立するシーン、男…

「イスラム飲酒紀行」(高野秀行、講談社文庫、2014)

2018年12月9日  2018年12月9日 
アルコールを全く飲めない人からすると、飲ん兵衛の気持ちはわからず、さらにアル中(この言い方はもう失礼だな。依存症と呼ぶべきか)の人々がどういう行動原理で動くのか知らなかった。この本は、人によっては「あの」イスラム圏でお酒を求めた貴重な記録、と捉えるのだろうが、お酒を飲めない僕にとってはまずはアルコール依存症の人の考え方や行動を知ることができた本という位置づけである。  著者の作品は今まで読んだことがなかった。そのため何冊もある著作の中で初めて読む本がこれで多少の先入観を作ってしまった感はある。  本書ではパキスタンやイランなど様々な国でお酒を飲んだこ…

「不思議の国の少女たち」(ショーニン・マグワイア 著、原島文世 訳、創元推理文庫、2018)

2018年12月3日  2018年12月3日 
ファンタジーとは逃避文学だ……との主張は耳にタコができるくらい聞いているが、それでもやはりファンタジーに、つまり異世界に行って冒険する物語は興奮するものだ。一応書いておくと、ここで考えている「異世界」とは文字通りの場所的な異世界だけではなく非日常の出来事のようなものも含んでいる。後者の具体例は理の外の力を得て非日常の事件に巻き込まれる「 メアリと魔女の花 」だ。  つまりつまらない日常から超常的な事件に巻き込まれ、秘めた力で解決し、少しだけ成長して再び日常に戻るというプロットを僕は(というか僕たちは)愛してきたのだ。  さて、本とか映画とかなら異世界に行…