2011年1月30日日曜日

西城秀樹のおかげです(森奈津子、ハヤカワ文庫、2004)

 世に言う「書評サイト」には頭があがらない。特にビジネス書やルポではなくフィクション(ラノベも含めて)がメインの書評サイトには。
 小説ってのはある意味読むのに時間がかかる。登場人物を見渡し、しかも性格も把握しないといけないのだ。その上で物語が始まる。しばしば語られる小説の面白さがわからないってのはここから来てるのではないか。ラノベはさらに「設定」と呼ばれる代物があるので地獄絵図。だから散々軽いだの何だの言われてるけど、ラノベを最初から最後まで読める人はある種の情報処理能力が優れているのだ。僕も去年断章のグリムを数年ぶりに読んだからわかる。必要な説明が丸ごと欠けてたりするんだよ。
 で、一方で感想を抱きようもない作品もある。撲殺天使ドクロちゃんという作品がある。ラノベの定式を崩したとか、色々言及・評価することもできなくはない。けれども一言で表現するならば「エンターテイメント」の一言で済まされるだろう。読む側が過剰に読み取らない限りは大した意味があるとは思えない内容。普通ならば通勤・通学の合間に読み飛ばされて「あー面白かった」で終わる。言い方を変えると面白いけどそれ以上の中身のない小説とでも書くべきか。小説の一部にはそんなジャンクフードのような作品もあり、それらも含めて小説の広さに貢献している。

 で、この「西城秀樹のおかげです」はそんな中身のない(失礼)小説の1つである。シモネタというかエロネタというか、どうしようもない性的なネタを書き連ねる。でも官能小説じゃないんだよな。官能小説よりも下らないというか、エロさがたりないというか。いや、違うな、ズボンを下ろして臨戦態勢をとったものの馬鹿馬鹿しい内容に萎える、みたいな。
 実はこの下らなさがこの作品の特徴でもある。森奈津子は今も小説書いてるんだけど、実録レズビアンみたいな完全な官能小説を書いていたりする。ただのエロ小説になってしまっているのだ。別に(自称)バイセクシュアルとしての売りを云々言うつもりはないけど、純度100%の官能小説に行ってしまうのはもったいないと思うんだがなあ。ぶっちゃけ官能小説として読むとそこまでエロくないし。
 面白いことに「西城秀樹のおかげです」はそんな官能小説にもなれないシモネタエロ小説なんだけど、そこがかえって凡百の官能小説とはちがうのだ。あまりの下らなさに笑うしかない。その笑いは御世辞にも上品なものじゃないけど、逆に愉快な部分が光るのだ。雰囲気的には快感戦士バスティー? わかる人だけわかれば良いけど。要は官能小説のお約束に飽きた人にはたまらないスパイスとして笑いを混ぜ込んでいるのだ。
 そんな楽しい小説だから当然中身がない。でも気にしない。「西城秀樹のおかげです」はシモネタ混じりの脱力系笑いを味わうための小説なんだから。

2011年1月26日水曜日

ゾンビサバイバル

Twilight Creations/ホビージャパン
人数:1~4人
時間:90分
デザイナー:Kerry & Todd Breitenstein
★☆☆ (1/3)
 我々プレイヤーの、それぞれ家の四方からゾンビが湧きやがる。我々は武器を持って籠城するのだ。武器やガソリンなどはもちろん、食料・水も忘れるな。何と言ってもターンの最初に起こるイベント次第では電気が壊れて食料が腐ったり、水道管が壊れて水の供給が不可能になったりするのだから。でも食料や水は買い物に行けば(!)ゲットするチャンスもあるからオッケー。一番遅くまでゾンビを凌ぎきれた人の勝ち。ああ、アクションポイントが残っていればゾンビを他のプレイヤーの家に送り込めるぜ!

【遊び方】
 各プレイヤー4人に家マップを渡す。親を決め、順番に家マップに武器などのアイテムタイルを配置する。ターン最初に起こるイベント次第では武器やガソリン、電池が壊れるため計画立てて配置。家には住人タイルも配置する。住人は食料などの維持コストがかかる場合もあるが、アクションポイントの数に影響があるので取れるだけ取っておくべき。タイルの中には車もある。町に買い物にいくときの耐久力と買えるアイテム数がそれぞれ違う。
 皆が配置し終わったら親がゾンビ出現ダイスとイベントカードを山からオープン。ゾンビは各プレイヤー家の四方にそれぞれ出現。
 そしてゾンビとの戦闘フェイズ→1周したら買い物フェイズ→1周したらゾンビを他のプレイヤーの家に送り込むフェイズ。最後尾のプレイヤーはアクションポイントさえ残っていればノーリスクでゾンビを送り込める。
 町への買い物は車&ガソリンタイル&住人タイル&武器を用いて最低3ターン(行く・買い物・帰る)かかる。買い物カード次第ではゾンビが出るかもしれないからそのための武器。
 ゾンビから住人を生き残らせたプレイヤーの勝ち。

【感想】
 バカゲー。スッゲえ楽しいものの、バランスは極めて悪い。ゲーム自体はフェイズの関係で時間はかかるが6ターンで終わるという早い展開に。
 これって最適戦略が最後尾になって大量の住人を確保し、ひたすら他のプレイヤーの家にゾンビを送り込むことじゃね? 僕が参加したゲームではそれで見事に順番に撃破された。だから最後尾以外のプレイヤーは一致協力して住人数で勝る最後尾プレイヤーを叩くとかが最適で。
 ついでにゾンビの倒し方なのだが、ゾンビの絵にダイスを投げて絵の中のダイス目を合計。6以上で勝利。または頭に当たったら問答無用で勝利な方法ゆえ、下手するとゾンビが倒せない場合も。するとゾンビを送り込む暇もなくイベントカード(全てネガティブイベント)だけでプレイヤーの勝敗が決まりそう。ぶっちゃけゾンビ倒しが安定しないので唯一の解が住人&武器を大量に持ってゾンビを倒す機会を増やすことだけ。なんつーか、プレイヤー同士で足を引っ張り合ってるだけな感じがひしひしと。
 そして買い物の意味が無い。買い物に行くと最低3ターンは連れて行った住人と武器が使えない上に買い物(買い物山札から2枚ドローして1枚破棄)するとゾンビが出てくる。めくった瞬間ゾンビに襲われるので捨てることもできない。しかも買い物したアイテムは食料と水のみ手持ち+5で一番欲しい医療キットは+1……。買い物の重要性が全くないのう。
 ちなみに医療キットだが、ゾンビと戦闘になった際にゾンビを殺せなかったら怪我をする。怪我をしたら医療キットで治療する必要があるが、医療キットがなかったら即、死。初期は5つしか持っていない。戦闘方法はダイス転がし。もうすぐ死ぬすぐ死ぬ。最終的にはゾンビを送り込むことによるプレイヤー同士の消耗戦っぽい雰囲気になっていた。


 と、欠点ばかり挙げたがこのゲームの肝はそんなところではない。パーティゲームとして楽しいのだ。タイル埋めたりダイス転がしたりと色々やってるので充実感は十分ある。何よりもゾンビサバイバルはガチでプレイヤー同士戦うゲームじゃなくてバカゲーなのだ。
 イベントカードだが、例えば、「水が腐った」イベントカードはコップの中にゾンビの目玉が入っている有様。え? 「武器の故障」はゾンビが人間に故障を教えている姿。えーw そんな感じの笑えるテイストなので籠城するゲームと考えると楽しい。特にゾンビを送り付けそうな人間を見付け出して他のプレイヤーと連帯できたら面白いだろうなーと思った。

2011年1月22日土曜日

ガメラ3 邪神<イリス>覚醒

 これは……何というか、問題作。作品のテーマ的にはギャオスを退治するとはいえ、都市を破壊するガメラは本当に「人間の味方」なのかという話。ザンボット3だよね。ストーリーはガメラを憎む少女と彼女を守ろうとする少年の恋愛模様もどき。相変わらずスピード感あふれる映像と、今作のテーマ的に人間が吹き飛ぶシーンが多い。視点も人間の目線から怪獣を見上げたり、倒壊するビルを間近で撮したりと怪獣映画としては一歩先を描いた作品。音楽もマッチしており、イリスの造形もデジモンが入っている的な造形とは言え格好良いぜ。ガメラが死闘の果てにイリスを倒し、ギャオスの群れにただ一匹で立ち向かうラストシーンは燃え上がる。
 このシリーズは怪獣映画にしてはやたらに下から見上げたりカメラを揺らした構図が多く迫力があるけど、それもガメラが空を飛ぶ設定からできてるよね。

 とそれだけだったら良いのだが、この作品、イリスが非常に問題であったりする。その意味で問題作なのだが。ぶっちゃけイリスと、ガメラを憎みイリスを育てる本作ヒロインの綾奈の関係ってかなり性的な何かを暗示させると思うのだが。綾奈はイリスの母親になるが、それはイリスを使ってガメラを倒すためでもあり、なおかつ失った肉親の代わりに注いでいる愛情なんだ。さらには綾奈はイリスと融合するけど、完全にこれって胎内回帰でしょう。しかも倒錯的な。綾奈にとっては両親をガメラに殺された時点で全てが止まり、そのままイリスに吸収されようとする。これ以外にもイリスによって生命エネルギーを吸い取られるのに象徴されるが、東洋的な肥大化する母性によって子宮に戻される感じがした。しかもイリスのデザインってもろに触手だったりと別にそこまで考えたくはないが様々な要素からヤバイ系のエロスなにおいを感じてしまった。手塚治虫的なエロスというか、分かる人にはわかる。隠されているけれど普通の性表現よりはるかにまずい何かだ。
 リアルタイムで見てた頃はガメラ頑張るんだじょーとだけ思ってたけど、改めて見ると何か官能的なんだよ。さんざんイリスの外見を語っておいてなんだけど、この変な感覚がどこからくるかと考えたら、綾奈とイリスの関係性が原因なのかもしれない。綾奈が洞窟に隠されていた卵をなぜかガメラを倒す怪獣になると「確信」してひっそりと育てるところや、育ったイリスと後先考えずに融合するところとか、描写が少ないからこそなおさらなんだ。

 とその手の話題はこれでやめる。書きたいことは全て終わったのだが、少し付け足すと、2000年代に入ってから居場所のなくなった人間を描いた作品って多数登場したけど、これがそのトップの位置にいたのかもね。ヒロインの綾奈は両親をガメラに殺された挙句、身柄を引き取ってくれた親戚家族とも上手く付き合えず、同級生からいじめを受けて、唯一の肉親である弟はいじめられていたものの周囲に溶け込み始めているその疎外感。残るはガメラを憎むしか手段はなくて、それがイリスと融合するまで追い詰められた。1990年代の終わりはいじめとかきれる青少年とかがクローズアップされたが(だから富士見ファンタジアの「A君(17)の戦争」とか「デビル17」とか17歳を強調している作品があったのだ)その雰囲気を顕著に表していた気がする。
 あとはガメラの正義性の問題だ。ギャオス・イリスは人類に危害を加えるから劇中では悪であった。でもギャオスを倒すガメラも人間の生活に無配慮に活動すると排除の対象となる。実際、映画の中ではガメラ撃退対策が採られていた。……そういやテロリストを発見するなら捕虜への拷問をも厭わないというか推奨される空気も一時あったよね、お米の国で。安全のために肥大化し、自己目的化した最後には住人をも潰すようになる。そんな「怪獣」を2000年にも達していないのに十分に描けているのは素晴らしい。
 我々はどうするべきなのだろう。ガメラは人間を守るために片腕を犠牲にし、ギャオスの大群との最終決戦に臨む。エコノミストの記事では腕を縛られて戦うのが自由を守る戦いだとまで言っている

 最後に、どうも当初の予定では恋愛ものにするらしかったが、路線変更して良かったと思う。恋愛ものだとシチュエーションに石破ラブラブ天驚拳な流れにしかならん。

 ガメラ3を最後に平成版と呼ばれるシリーズ化した怪獣映画はゴジラもガメラも終わりを迎える。ゴジラは後にミレニアムシリーズとして復活するがやはりというか人間ドラマを主軸にすえた作品であった。ヒーローものではなく怪獣ものとしての特撮は今現在休眠の時期にある。

UO回顧録@桜 その7

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   第七章 ~好奇心~

 育てている最中のLizaだが、トレハンテイマーを考えていた。魔法100・テイム110・動物学100・獣医90・鍵開け100・地図解読100・釣り100。エルフの女キャラであった。Kanamiで痛い目に合っていたのに、なんで再び女キャラを選んだのか、今となってはわからない。メイジ用の女キャラ専用装備は当時なかったはずだ。もしかしたらKanamiのリベンジの気持ちもあったのかもしれない。ただし、Lizaのプレイヤーは男だとわかるよう、一人称は「俺」として発言するよう心がけていた。
 このLizaが育ちきりクーシーを扱えるようになると、ギルドシグマにも同行したこともある。メイジの使い勝手はそれほど抜群だったのだ。

 ある日mamiさんから新ギルドFTTBへの新人を紹介された。名前は、ここではKさんとしておこう。もう名前も忘れてしまった。彼女はUOは初心者だったが、エバークエストからの移住者であった。
 それを聞いて、Lizaはジャックさんと話し合った。実のところ、mamiさんの勧誘についていく人などいないと高をくくってたのだ。このまま我々が何もしないと、最悪KさんはUOやめてしまうかも……。そんな思いが2人の中にあった。取れる手段は1つしかなかった。
 翌日、FTTBのタグを付けたLizaとジャックさんがいた。KさんがUOに慣れた頃に全てを話してギルドシグマでも他のギルドにでも移籍させようと算段していた。mamiさんと再び関わることになる瞬間だった。
 この時、Kさんを見捨ててでもmamiさんを無視していればその後の流れは変わったはずだ。僕は今でもシグマに、桜にいたかもしれない。ぶっちゃけ、僕達の取った行動はわざわざ地雷原に足を突っ込む行為だったと今からは思う。それでもmamiさんを放置しておくと周囲の人に迷惑がかかるために何とかするしかなかった。
 ギルドシグマのゼロさんにしても、ポールさんにしても、ジャックさんも、もちろん僕もいろんな意味で責任感はあったし、しかもお節介焼きでもあった。だからはた迷惑な人であるmamiさんを避けながらも何かにつけて世話をしていたのだ。俗にいう「バカ」だった。彼のことを完全に避け、ウォッチャーとして見守る……そんな身のこなしもできない人間たちであった。

 mamiさんが新人勧誘が構わなかったからか、Kさんはのびのびとスキル上げを行っていたようだ。彼女は戦士、Lizaはトレハンテイマー。修行方法が違うので行動は別々だったが楽しんでいたようだった。ジャックさんは他のネットゲームで貿易商をしていた。
 また、メンバー間で連絡がいつでも取れるようにどこかのBBSを借りて報告しあっていた。

 一度だけmamiさんが新人へのアドバイスをしたことがある。「Fは危険だ」「FはPKerがいっぱいいて怖いよ」「Fには行っちゃだめ」。
 当時の桜フェルッカはすでに廃れており、圏外で人に出会うなどAFが出る確率と同じくらいレアだった。とはいえ、堀師を何度もPKされたこともあるので、注意喚起自体は全うである。
 問題だったのは自己責任でFに行ってみることすら禁ずるmamiさんの極端さだった。
 さらにFを嫌がる発言を一方でしながら、もう一方では「Fなら殺す」と決め台詞を放っていたのだった(注:いや、マジでこの発言をしていた。作り話じゃなくてUOML時代に叫んでたんだぜ……。それもヘイブンで周囲にFTTBメンがいないと思われた時に。誰かとトラブったみたい。それ以降も見知らぬ人と喧嘩するときは「F来いやぁ」が口癖だと知ったorz)。勘弁してくれ。

 mamiさんは会話をしなければ変な人ではなかったので、ヘイブンでも会話するだけの知り合いは多かったようだ。もっともmamiさんの変人ぶりはヘイブン住民には知られていたらしく、無視するなどわざわざ喧嘩を売るような人もいないだろう。mamiさんは簡単に他人に話しかけることができ、僕は少し羨ましかった。
 一時期、桜のヘイブンにULTIMATE MUSYOKUという人物が滞在していた。どうも無限からやってきたとか色々言っていたが、わざとウザプレイをする対人家だと推測していた。mamiさんがポールさんに確認したには、飛鳥で有名だったPIT荒らしだそうな。ヘイブンの銀行前で「あ」を連打してログを流してみたり、ヘイブンに撒いてあったルーン店の店長になりすましてみたり。言動は怪しい以外の何者でもなかった。むろん当時の僕はこの手の人物が嫌いなほどだった。
 そんなULTIMATE MUSYOKU氏(以下ニートさん)が何の因果かFTTBに入ることとなった。それを聞いたときはジャックさんと相談してくれないことの怒りを叫び合っていた。僕たちはmamiさんに文句をいうものの、今後もギルドメンバー加入に対して一言も相談ないまま勝手に入隊させてしまう傾向は続いた。
 ニートさんがギルドに加入した時も、Lizaは彼もしくは彼女のことが嫌いだったため、避けていた。まともに口を聞いたことは何回あっただろう。

 ある時、ヘイブンにいるとニートさんから声をかけられた。
「お前を殺すwww」
 やることといったらパラライズを延々とかけてリーフブレードで叩くだけと、明らかに手加減をした動きだったが、当時のLizaは完全に混乱してしまった。
「次はKの番だwww」
 それを聞いたLizaは一端FTTBを自ら脱退し、その足でmamiさんにニートさんを除隊するよう伝えた。Lizaもジャックさんもギルド内の権限は何も与えられていなかった。mamiさんは一応ニートさんを即座に除隊した。今から思うと、一方的に僕の言い分だけ聞くのはいかがなものかと思う。よくも悪くもギルマスが彼であったからこそできた技だ。もっともギルマスが彼だったためにこんな事件が起こったのだが。mamiさんへの不満はあったものの、その時点ではジャックさんと密かに文句を言い合うだけで満足していた。

 事態が動いたのはジャックさんからのメッセージだったか。
 その頃、FTTBにも2、3人新人が入っていた。その1人にSさんがいる。復帰組らしい。現在の仕様では初心者も同然でUOAの導入を悩んでいたような人だった。
 そのSさんがニートさんからひどい暴言を吐かれたらしい。そのためにSさんがFTTBからもUOからも去るそうな。
 最終的に、ニートさんは除隊処分となったためSさんも戻ったのだが、メンバー加入など重要な決定を勝手に行うmamiさんへのギルドマスターとしての不信感が芽生えたのだった。

匠の地金

ネタに困ったらいつものところ
 ふむ。僕は自分のキャラ用に錬成後BW強化防具や錬成後ダル石強化鎧、錬成後強化弓を何個も作った。一般的に錬成後強化が非常に難しいと言われている大工・弓工であり、強化失敗による破損で涙を流したことも数知れず。そんな僕がこのアイテムについて思うことを述べようか。
 ちなみに僕はこいつが販売された日(2011年1月8日)の朝に即10チャージを購入し、なおかつ他人にこのアイテムを使ってプレート脚を作ってもらった人間だ。この手のチートアイテムを最大限に享受する人間として言いたいこともある。

匠の地金マンセー!!

 別にこのアイテムが販売されたからと言ってゲーム内で眼に見えるほどの影響が出るとは思えない。その意味でベッセルさんの指摘は的を射ている。
 このアイテムに手を出す輩なんぞ、しばしば錬成後強化を行っており、しかも1,000円分リアルマネーでもGPでも良いが余っている連中だろう。しかも錬成後強化を武器メインで行っている人は余りこのアイテムを買わないと予想される。なぜならば、HQ武器はプロパが固定されてるからだ。

 錬成の仕組みを再確認すると、武器はHQボーナスが武器ダメージに35%~40%付くだけだ。そのため錬成元武器の選別なんてする必要なく、結果としてPCベンダーなどで売られる場合は比較的値段が同じになりやすい。例えば耐久255・詠唱可・LT50・FCマイナス無し・魔道-20/回避低下44のYew強化木刀だったら1.3M前後である。出雲と桜の複数の店舗で見た。ついでに言うと、金属武器の錬成後強化は属性を分散させる目的でないなら、大抵はダル鉄or青鉄が使われる。理由は天ぷら粉の節約のためだ。錬成したプロパによっては天ぷら粉のチャージの方が高く付いたりするので錬成後強化がごく普通に行われたりする。しかも鍛冶は強化しやすいし。
 対して防具はHQボーナスが抵抗5個にランダムに付き、さらに抵抗を錬成するとHQボーナスが無視される。そのため抵抗を錬成するときは、錬成したい抵抗にHQボーナスが付かない防具を選別する必要がある。この作業があるため防具の錬成後強化に失敗すると涙を流すのだ。好ましいHQボーナス配分の錬成元防具が消えるのだから。

 このために匠の地金を買う人間は防具の錬成後強化を頻繁に行なっている輩と思われるが……ぶっちゃけ錬成後強化をそこまで必要とする連中なんぞいないだろう。
 僕みたいなマゾで根性があって錬成好きな人間or極まった狩キャラor対人メイジあたり。要は強度MAXのプロパを複数必要な人たちだ。この時点でUOプレイヤーの大半は振り落とされるのでは? しかもそんな人々は自分でもしくはお得意の錬成士を持っているだろう。
商売がメインでないから匠の地金をガンガンに使うわけじゃないと考えられる。よってこの層は1人あたりの購入密度は多いかもしれないが、販売の絶対数は多く無いだろう。
 では、錬成防具のベンダー商売を行っている人向けなのか。ちなみに強化錬成と思わしき防具も出雲と桜のベンダーで見つけたことがあるが、HW命中プロパで約1M。一般的にはこの程度で十分だと思う。
 上の画像は有名店で見つけたのだが、HW製HQ鎧(命中)をAR13・FR13・スタミナとマナコス錬成したものだと考えられる。N木鎧の基礎値は5・3・2・3・2なので、全抵抗に13錬成すると18・16・15・16・15。ARとFRが当てはまる。他はHQボーナスとHWボーナスだね。天ぷら粉20チャージで24万、マナコスのレリック7つで28万、スタミナの夜光きのこで……5万は高いかなあ。その他はベンダー維持費用やHW木材、命中プロパを出す手間+儲けといったところか。ちなみに儲けの部分は15万程度と見た。

もう一つ見よう。
 こいつは上のとは違う店で見つけたが、同じくHW製HQ鎧にCR13・ER13・スタミナとマナコス付き。マナコスが特殊素材必要なのでこの価格なのだろう。
 仮にレガシートークン1,300円が13M前後で売られるので100円=1Mと考えようか。
 まあ、現実には上のように高い価格で取引されているのだが。
 匠の地金を使ったBW・FW後強化鎧で2Mが妥当だろう。錬成後強化による追加プロパ1種と抵抗増加のためにこれだけの高い金額を出す人がどれほどいるのかね。しかもこれはBW・FW強化みたいなプロパ固定or無しな単純なものだけだ。
 戦士用のHW強化では7種の追加プロパの内、命中/ダメージのどちらかが求められる。単純に1/3で希望のプロパが出ると考えると、HW後強化鎧1つにつき6Mの値段となる。安くして5Mにしようか。上で挙げた前強化鎧に対してプロパと抵抗値16が得られるわけだが、果たして適切な値段と考える人がどれくらいいるか……。つまりベンダー商人必須ですらない。ちなみに僕は数個HW強化をしているが、ほとんどが耐久上昇or幸運である。命中・武器ダメなんてリアル運にもよるけど稀っぽい。。

 結論が出ただろう。匠の地金は小遣い稼ぎレベルの商品である。むしろ、これによって一見錬成が栄えたように見えるのが目的だと思う。プロパ上限に達する人が続出するが、……続出? 今でもマナコス40・武器ダメ100・抵抗オール70・命中回避45の白豚が大量にいるのに激増するとは思えないなあ。
 UOは別により良いスキル構成を、防具を求めるのを第一要素とするゲームではない。スキルは早々に限界に達するし、武具だって戦士orメイジと限定すれば必要なプロパは意外と簡単に埋まるのだ(もちろん相応の資産が必要だが)。ボスソロだって行ける人は行ける。一部の対人家が武士メイジとか言って、メイジ向けのプロパに命中回避(ついでにHP)とか入れようとするから至高の、さらに究極の武具を作る必要があるのだが。
 見かけ上練成が栄え、これによって新たな活気を生ませる。そしてSAパッケージの肝である要素の1つを華々しく見せると。運営側の目的はここにあると思う。強化失敗したら壊れるのが当たり前だろとか思う人は練成失敗のヌルゲー具合をどう考えているのだろう。錬成失敗しても特殊素材も武具も消えないから、それのリアルマネー版では? しかも武器に速度・命中・FC・追加ライトニングみたいな構成にしない限り練成順番さえ間違えなければレリックですら無駄にならない。明らかに今のUOはかつて(ベッセルさんの例によればAOS前後? かも)に比べれば楽になってると思うが。

 で、今の戦士の仕様的に見て、ぶっちゃけた話、錬成後強化のためにリアル・UO内問わずに高い金を払うなら派閥AF辺りで手を打つ人が多いんじゃないかな。僕個人的に言えばトラメルルール下で派閥装備をするのに抵抗感あるし、しかもメタルミニチュア集めが好きだから趣味にお金をある程度かけることに何とも思ってないから匠の地金買うことに抵抗ないけど。。つーかみんなそこまでUOに金をかけたくないのか? 出雲BBS読むと、匠の地金に12Mとか価格がついているが、UOストアで買ったほうが得じゃんと思ってしまう僕は異端なのかね。

 結局、匠の地金自体は金で時間を買うだけだ。試行錯誤を楽しむゲームで、苦労をとばしてしまって何が面白いの? という非難は甘んじて受け入れるが、だからと言ってUOオワタと言われても困るんだけどね、フェルナンドさんみたいに。
 金で時間云々だってUOやってる人の年齢も上がり、昔みたいに廃プレイできなくなったのでシステム的なストレスを軽減するだけだぜ。10チャージ千円なんてまさに社会人用じゃないか。
 実際にこの「ちーとあいてむ」を使っている僕は、必要な装備だったら躊躇なく匠の地金を使うし、それに対する背徳感は全くない。むしろ、いやだからこそ、少ない時間削って純粋にゲームを楽しんでいる人のことを尊敬するし「このちーとやろうめ、おまえはごみいかのにんげんなのですよ、えいえい」と罵られれば苦笑して立ち去るけど。そもそも幾度となく「改悪」とそれに続く「バランス調整」を経験し、無限ですら一時はブレス属性がついていたUOというゲームを本気でゲームとして楽しむ人間が僕らみたいな効率厨を気にかけるとは思えないのだが。むしろ一笑して一蹴するとか。
 だからこの匠の地金に対してあーだこーだ言う人間は妬み半分羨み半分で彼らが労力をショートカットできなかった不満をぶつけてるんだと思う。


 ただしこのアイテムは初めてUO上でプレイヤーの手間をなくした「実用的」ツールである。それには同意する。そしてUOストアの売上とかから見て、今後のリアルマネーアイテムの動向につながるわけだ(リアルマネーでUOストアから買う客は大抵実際に使うために買うと予想される)。下手に匠の地金が売れると、UOプレイヤーは手間を省きたがるとEAも誤解するかもしれない。そしてスキルスクロール+5@5000円とかが開発されるかもしれない。そんなことになったらまずいなあ、と今は思う。この感覚自体も毒上げ・練成上げ・テイム上げに苦しんだ今のUOに慣れている感想なのだが。将来、先のスキルスクロール+5@5000円みたいなのを買っているプレイヤーに対して「俺がキャラ育てた時はそんなチートアイテムの力を借りなかったんだぜw 近頃の若者は楽ばかりしおって楽しき苦労時代をもっと味わえwww」などの意見をぶつけて老害うぜー懐古厨乙と文句を言われるのかもしれない。人の振り見て我が振りなおせ。


 ……というような内容を、書きためていた。
 で、匠の地金の衝撃から2週間後の1月22日現在。このアイテムが必要な人は既に数個手に入れただろう。ええ、僕は10チャージ版2個目ですが何か。
 果たして出雲は、UOは変わったのかと注意深く見てみると……
 ああ、ヘイブンうろついている連中は昔から廃人が多いから変わんねーや。普通に廃装備した対人武士盾メイジや本気で錬成後HWギャンブルやりやがった白豚が今も居続けた。そっか、究極装備ってボスソロとかに対して必要だしね。ヘイブン放置民だったり、どーでも良い敵に着る装備ではないよね。
 そんなわけで明らかにUOで何かが変わったとかはない。HW強化のせいでどこにでも全身緑になったエイリアン共が集団で出るだろうと予想していたが、そんなことはなかった。匠の地金が出ても必要とする人間・機会次第だね。これにて観察は失敗に終わる。
 僕としては、初心者用秘薬低減のみを付けた装備から、中級戦士、一流戦士(1M程度)、廃人装備みたいにルナやユー周りの店が活気付くと思ってたんだけどなー。

2011年1月17日月曜日

ガメラ2 レギオン襲来

 そうか、ガメラ映画の怪獣はエイリアンとかのモンスターの系統であるとともにトップを狙え!の宇宙怪獣でもあるわけか。今作ではエイリアンさながらに人間が怪獣に襲われたり戦ったりするシーンがあるが、人間の襲われ方や戦い方がアクション映画とそっくりだ。窓ガラスに血糊だけをつけて表現するとか。

 ガメラ2だが、一番の特徴は敵の怪獣の造形。怪獣モノとして作る必要はなかったし、作りたくなかったんでないかなーと思わずにはいられない。そんな設定だ。敵、「レギオン」は宇宙から来た蟻と植物の共生体のような怪獣。シリコンを分解し、食料とする。植物部分を成長させ、宇宙に向けて種を打ち上げるために蟻の部分が世話をしたり守ったりと色々行うのだ。種を宇宙に打ち上げる際に周囲を濃厚な酸素で充満させるために、打ち上げの爆発で都市が壊滅してしまう。映画ではそれを防ぐためにガメラも人類も戦ったのだった。
 こんな感じのレギオンだが、設定がこれまた独特だ。シリコンを食べ、電磁波で会話する。……ゴジラ映画では考えられなかった細かさだ。ゴジラ映画の怪獣が何を食料としてどんな成長の仕方をしてどんな生態なのかなど、動物的な部分が全くわからなかったのに対し、平成ガメラシリーズはギャオスもそうだがこれでもかというほど細かい設定を作りたがるらしい。映画の前半は前作空中大決戦もそうだが、ギャオスやレギオンの生態の調査に費やされてしまうことからもわかる。特に今作はガメラが一度死んで、人間側が考案した決戦の舞台で復活したガメラがレギオンに止めを差した形だったので、より人間ドラマが強調された形となっている。前半のガメラとレギオン(昆虫大集合)の戦いは面白かったのだが。
 だがよく考えたら前回ガメラ空中大決戦で「MM9」(山本弘、創元SF、2010)と絡めたが、まさにMM9そのものだったのだ。怪獣映画だからガメラは空を飛び火を吐いて、レギオンはバリアやビームを放つが本来は巨大怪獣ではなくてエイリアンみたいな生き物にしたかったのかと思ってしまう。わざわざレギオンの解剖シーンを描いてガス気圧で体を動かしてるみたいな情報を映画に盛り込むところからも明らかだ。昆虫レギオンVS人間、ガメラは最後に植物レギオンの種子打ち上げを阻止するという流れでも映画にはなったんじゃないかな。

 今作の見所いうか、実は平成ガメラは前作も次作も、ガメラの血を出しているのだ。平成ゴジラでは血というのはダメージ表現の一つの形であったのに対し、ガメラは「血」として表現されている。どこかで製作者陣がガメラの血を緑にしたのは冷却効果を持たせるためだが、本当は赤いと生々しいから云々と語っていた気がするが(平成ガメラ1の時に出た、設定本だったと思う)、これに免罪符を得たのか今作レギオン戦ではガメラの血がこれでもかというほど流れている。特に映画前半で群体レギオンに襲われたガメラが回転飛行をする際にビルに緑の血を撒き散らすシーンなんかがそうだ。さらにガメラ3になると血を比喩表現にすら使っていたり。もう血の色が緑なのを免罪符にとことんやっているのが素敵だ。


 ガメラとレギオンの最終決戦が淡白だったのは欠点だけど人間ドラマは面白かった。一つ一つが細かく設定を作りこんであり、大人の鑑賞にも耐えられると思う。

2011年1月16日日曜日

UO回顧録@桜 その6

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   第六章 ~転機~

 オフ会も無事終わり、年も明けた。初めてのUO内年越しは神社に大量のキャラクターが集まったものだった。ネットゲームの面白さを改めて知った形だ。UOやってる人ならわかるが、元旦というイベントはそのシャードをメインにしている人の数を想像できて面白い。UO内年越しが初めてだった僕はその人の数と少しのラグに圧倒された。

 年明け早々、朝から手持ち無沙汰にヘイブンをうろついていると、ゼロさんの別キャラに出会った。
「mamiのことなんだけど、ギルドから除隊したからw」
 ……本当は驚くべきだったのかもしれないが、オフ会で散々彼の悪事については聞いていたため極めて平静でいられた。その当時、mamiさんとのチャットもUO内での狩りもあまり行っていなかったせいかもしれない。
 mamiさんがBAN喰らったのは、ヘイブンで会話中のゼロさんのお散歩キャラをあろうことかドラゴンで緑PKしたから。よくやるよ、学習能力がないのかな、とKo-rinは思っただけだった。
 その後、MSNチャットでmamiさんからシグマ追放の件で泣きつかれたが、どうすることもできなかった。自分が悪いにも関わらずゼロさんへの愚痴と愛憎混じりの悪口を聞いてうんざりもした。


 mamiさんから新たにギルドを作ったと言われたのはそれからしばらくしてのことだった。その頃、僕はメイジを育てていた。忍者戦士のKanamiと白豚Auricでは移動に難があったので、ルーンを焼けるキャラを作る必要があったのだ。それまではヘイブンでルーン焼きの依頼を叫んでいたorz
 新ギルドのFTTBはfot the tamer, to the tamer, by the tamerの略らしく、テイマーのためのギルドであると話を聞いていた。入隊を誘われたものの、シグマの面々と遊んだほうが面白かったのでしばらくは回答を濁した。

 新しいキャラクターLizaを育てている間、mamiさんはヘイブンで勧誘活動を必死に行なっていたようだった。mamiさんとのMSNチャットで知り合った友人ジャックさんから噂を聞いていた。
 ジャックさんは生産者であった。アカウント歴もそれなりに長い。お店も大規模なものを某ゲートの近くに持っていた。いつの間にかmamiさんと半強制的に友人になりMSNチャットをしていたらしい。さらに、mamiさんのアカウントでmamiさんの家のデザインも行っていた。
「それってmamiさんのパスワード知ってるってことですよね。ヤバクないですか? 断ったほうが良いんじゃ……」
「うん、私もそう思うけど、マミちゃんがどうしてもって言うからね……」
 聞くとmamiさんの家もジャックさんがわざわざ確保したらしい。それでアンブラ西の街道添いという好立地の場所に家があったのだ。その他、ジャックさんは装備なども与えており、最近はうるさいから他のネットゲームに手を出しているらしかった。
 ちなみにmamiさんはリアル女性と思われる人に強烈にアタックするらしい。ジャックさんもその攻撃を受けて知り合いになったらしかった。のちのち、僕が耳にしただけでも他のギルドの女性キャラをそのギルメンの目の前でスカウトしたとか中々愉快な噂を聞いた。
 mamiさんはその後も新人のスカウトで忙しく、それを尻目にLizaは修行を続けていた。

2011年1月15日土曜日

UO回顧録@桜 その5

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   第五章 ~平穏~

 ギルドシグマの面々だが、mamiさん関連で重要なのはギルドマスターのゼロさん、mamiさんが慕っているポールさんしかいない。個人的にお世話になった人としてエリックさんも話に出る予定だ。つまり、mamiさんは意外なほどギルドシグマとの接点を持っていなかった。Kanamiが初めてシグマに加わった時以外での、ギルド活動(狩り・ボス戦)には全く参加しなかったのだ。
 そのためKo-rinは自然とギルメンと遊ぶようになっていった。お金の稼ぎ方から装備の融通までエリックさんとポールさんには非常にお世話になった。2人とも対人をたしなむ方らしく、特にエリックさんには世間話として対人用装備を色々教えてもらった。peugeotがウォーフォークを持っているのもエリックさんの格好良さを真似たからだったりもする。また、エリックさんは当時、オークション大会を開こうとしていた。僕自身は2回しか出たことなかったが、かなり人が入っており活気があった。
 今から思うと初心者の時からmamiさんに付き合っていたということで、色々と気を使ってもらってたようにも感じる。

 年末にもなりオフ会の日時が決まった。場所は東京駅周辺。参加者は僕・ゼロさん・ポールさん・エリックさん。居酒屋の店主がどうもシグマのOBらしい。世間は狭い。mamiさんも呼ぶべきかと逡巡していると、
「mamiは来ないよ」
とゼロさんが言い出した。
「え、どうしてですか?」
聞いてみたものの、ギルド活動すらまともに参加していなかったためにある意味で深く納得もしていた。
「今までにもさあ、オフ会開いたのよ。でもあいつほとんど参加してなかったからw」
「どうもマミの家って母親が厳しいらしくて門限があるらしいよ」
「オフ会開くなら時間を早めるか、家の近くにしろって言い出すからなあ」
口々にポールさんとゼロさんが話しだす。
「それに今の日程じゃ仕事入ってるはず}
とのゼロさんの言葉に違和感を感じた。
 実は今までゼロさんの態度から、mamiさんに対してあまりよい思いを持っていないらしいことが伺えた。それはポールさんも同じで、mamiさんが
「ゼロも〇〇(ポールさんのこと)も大好き」
と叫ぶたびに受け流したり無視していたイメージがあったのだった。
 そんなゼロさんがなぜmamiさんの私生活を詳しく知っているのかと思うと、
「だって俺、マミと同じ職場にいるからw」
との返事。
 つまるところ、ゼロさんとmamiさんはリアルでも知り合いであって、だからこそmamiさんはギルドシグマにいたわけだ。ギルド活動をしない彼が何も言われない理由がわかった。

 オフ会は和やかなの雰囲気の中で行われた。物知りなゼロさん、落ち着いているポールさん、エネルギッシュなエリックさん。
 僕はエリックさんの好意でルンビ胴と嵐篭手を格安で売ってもらえる約束を取り付け、嬉しかった中、皆の話題は当然というかmamiさんのネタになった。
 その時の僕は、今でもそうだが、2chやウザスレ系は覗かないためUO住民の評判・噂話にいまいち疎かったりする。それでも誰々がBOTerだのツーラーだの珍獣だの、その手の話題を耳にしたことがあった。mamiさんも「珍獣」と呼ばれていることは知ってたし、MSNチャットの件や普段の行動から変な人であるとは思っていた。しかしゼロさんたちから聞く内容は衝撃的だった。

・mamiさんは緑PK(ギルド内であれば対人戦闘の訓練がトラメルでも自由にできる)の常習者
・そのため何度もギルドシグマを追放されているらしい
・しかし拾ってもらえるギルドもおらず、結局はシグマの責任として引き取っている
・飛鳥でも珍獣として有名だったが、桜へ逃げ出した
・コンパニオンに応募したが、選考で落ちた
・どうもコンパニオンを諦められないらしく詐称(?)している
・そもそもキャラクターは低まーしか活動できない
・女装が好き(?)
・オタク
・自動で包帯を巻いてくれるツールを使わなければテイマーができない

 今でこそブログ炎上などを見て、一般常識が通じないというか言葉が噛み合わない人間がいるというのはわかっているが、その当時はピュアだった。そこまで変な人間がネトゲできるのかと驚いたのと同時に、どうにかして縁を切ろうかと思ったほどだ。mamiさんの言動は大学の友人に面白おかしく話していたが、そろそろ本気で変だと気付き始めたからだ。そんなときのぶっちゃけ話は何というか、刺激が強すぎた。
 大学生だった僕に世の中の広さを教えてくれた一夜だった。

近頃の私

†年に4回ある繁忙期に突入。家に帰って0時半。ご飯とお風呂が終わって1時になる。よーし朝も早い(6時起き)し、30分だけUOるかーと思った。回線のメンテナンス中。このやろう、くそう、やりやがったな、某ケーブルテレビめ。

†伊藤計劃のハーモニーを読んだ。途中まではすげえと思った。特に意志の双曲線。最近になってクローズアップされ始めた話題なのに小説に盛り込んでいるとはすげえ。でも別にこれがそこまで物語の根幹に関わるわけじゃないのには残念だ。もっと色々と双曲割引を使ってあらたなる展開があると思ってたのに。

†iPod Touchもそろそろ3年目。買い替えの時期かもね。次は何にしよう。そうだ、iPod nanoだ。実は今のTouch、ほとんど音楽プレイヤー以外のことをさせていない。それならば値段も安いしnanoでいいじゃん! バッテリーと内蔵メモリの少なさがネックだけど。でも持ち運びしやすいから問題なし。iPod TouchはBlackberryともiPadとも競合するから可哀想なデバイスだ。

†家の掃除をしていたら小さいころのおもちゃとかが出てきた。懐かしい。ドラえもん映画の特典とかあったなあ。捨てるのも惜しいので1映画1種類ずつ飾ろう。

†ドラえもんと言えば、iTunes storeで映画ドラえもんの主題歌が売ってるんだ。買ったけど、こりゃすげえ。覚えている印象とは少し違うけど、感動が蘇ってくる。ドラえもん映画って子供のために(not子供だまし)本気で作られてたんだなあ。いつか改めて観たい。

†怪獣映画。ガメラが見終わりません。どうしよう。

†ポケモン人形を買った。うん、カメックスとポッチャマ。大好き。

2011年1月10日月曜日

ガメラ 大怪獣空中決決戦(1995)

 特撮の怪獣映画は平成に入ってゴジラとガメラしか生き残っていないのが現状だ。ウルトラマンとかと違ってヒーローっぽさや、人間ドラマ成分がどうしても少なくなってしまうからなーと思っていたが、何のその。目茶苦茶面白いじゃん、ガメラ。ゴジラがあくまで王道の怪獣映画な作りであるのに対し、ガメラは人間を主人公においた作りをしている。しかもゴジラ映画には使われていなかった接写での撮影、高速であることを表現したブレ、下から見上げる構図、さらにはギャオスの恐ろしさを出すためにわざと暗く視認性を低く撮影するなど新しい試みもやってるんだよね。ゴジラが受付なかった人もガメラなら楽しめるんじゃないかなと思う。

【ストーリー】
 ガメラは古代人が作った究極の生物兵器。人類と地球を護るためにテレパシーで人間と通じ合い戦う。ギャオスは人間を捕食する究極の生物兵器。ギャオスって怖い。

【感想】
 平成ガメラはそれまでの怪獣映画の常識を塗り替えたとか言われてるけど、いまいち僕にはピンと来ないのだ。怪獣映画のブームが終わり、ゴジラもガメラも平成版から入っているから、「常識」がわからないんだよね。だから常識を塗り替えたすごい映像も接写撮影みたいな誰が見ても明らかな部分しか気が付かないし。
 ただ1つ言えるのは、ギャオスの設定の細かさ・丁寧さは怪獣映画というよりもサスペンスとかそっちの方が似合ってることだ。人間を捕食すると設定されているだけあって、映画前半では人間を食べる害鳥として調査・駆除されるが、生態の解明や類縁関係を調べるための遺伝子調査など細かいところに気を配った作りとなっている。まあ、それがガメラ=勾玉で人間と心を通わせるアトランティス人の生物兵器との設定のギャップを際立たせてしまうのだが。
 さて、このガメラだけど怪獣映画だがメインは人間模様だ。人を襲うギャオスを、珍しいからと言って捕獲しようとする国、ギャオス解明に勤しむ学者、そして勾玉を持った少女。そりゃガメラは善、ギャオスは悪で固定されてしまっているから人間ドラマにシフトせざるを得ないよねーは禁句で。ちなみにガメラ=善玉を崩したのが「ガメラ3 邪神覚醒」である。あとで感想書くかも。
 で、ガメラなんだが超能力とか聞いてまたかと思う人もいるかもしれない。ゴジラも超能力が出てきたし、またかよ、と。ちなみにゴジラは時代的に超能力が最後に信じられていた時だから(1980年代終わり~)それはそれで仕方がないと思われる。が、ガメラはもうアウトだろう。オウム事件のあれおあったしね……。と思っていたのだが、ガメラ3まで見てこの設定が合ってるかもと思うようになった。実はこの世界のガメラってのは一種の魔法のような存在であり、自然界の魔力バランスが崩れると大量発生するギャオスを倒すらしい。現代は人間のせいで魔力バランスが崩れていて、ギャオスが発生し、それをガメラが退治するのだ。ガメラ3でそう言ってたよ。
 だったら、今の時代にガメラがよみがえる必然性は十分だよなあ。まさかオカルト的要素がこんなに生きてくるとは思わなかったぜ。

 難しいことはさておいて、見所はスピード感だろう。ガメラも空中を飛べるので画面がガンガン変わる。これは鈍重なゴジラでは取れない映像だろう。そして空中で吐かれる火炎。ギャオスが間一髪でかわしたりとすっげえかっこいい。
 さらに人間から見た怪獣の描き方も迫力満点。僕が好きなシーンは電車に乗ってて窓からギャオスが見え、襲われるところだが、いきなり怪獣に襲われる恐ろしさを十分に出せていると思う。最初は窓の隅に映るだけだったのだが、いきなり強い衝撃を受けて何が何だかわからないまま電車がごと持ち上げられるのは怖いだろう。僕は小学生だったか中学生だったか、このシーンでショックを受けた覚えがある。こういうのを描けるのも、怪獣の善悪が固まっているお陰であろう。悪のギャオスは人を食べるからこそ悪である。善悪の固定は怪獣モノとしては中だるみだが、その分設定を掘り下げることができるんだなあ。


 どこかで同じ作品を見かけたと思っていたが、やっとわかった、「MM9」(山本弘、創元SF、2010)だ。もちろんガメラはあくまで怪獣映画だから設定がファジーであるが(逆に「MM9」は科学的にかなり忠実であるため怪獣映画としてのカタルシスがない……。ウルトラQよりも地味なのが欠点)、怪獣を見つけてから被害の描写の仕方、人間の対応がどこか「MM9」に通じるものがある。
 怪獣同士の戦闘も面白いし、ゴジラに飽き足らない人にはお勧め。

 しっかし昔のガメラがB級丸出しだったのに対して、平成ガメラは真面目に作ってるギャップが笑えた。

UO回顧録@桜 その4

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   第四章 ~新生~

 ルンビ牧場での死闘からしばらくの後、ヘイブン周りで訓練を行う男がいた。その名はKo-rin。種族はエルフ。職業は戦士。Kanamiの失敗を教訓にし、立ち上げた(当時の僕の主観では)効率優先のキャラだった。
 幸いにしてKanamiが貯めた資産が少ないながらもあったため、パワスクや下級AFなどを当初から存分に取り入れることができた。
 UOにおける1キャラ目と2キャラ以降との最大の違いはこの情報量の差だと思う。パワスク・ルニ装備・下級AFの存在を始め、どの店が何を安く売っているのか、アイテムが地面にばらまかれるのはどの時間帯・都市なのか、など生き抜く上で知っておくべき知識量がぜんぜん違うのだ。面白いことにUOの一番の醍醐味は1キャラ目の右も左もわからない頃だと皆口をそろえて言う。たしかに今から思えばKanamiの手探りの冒険は、リアルにおける試行錯誤経験の代替として優れていたと思う。それも失敗するデメリットが死という、これまた軽いペナルティだで。

 話を戻すと、Ko-rinが誕生してから1週間ほどでスキルの成長が止まった。ログイン時間が長かったのもあったが、それ以上に効率のよい上げ方を知っていたからだった。
 ヤングクエストが終わったら、即デスパイスのエティんを倒し、スキル75くらいでシェイムの土エレに向かう。合わせてペットは乗りドラをお気に入りにし、装備も適切にレベルアップさせた。低級パワスクはルナやヘイブンにばらまかれることが多かったので食べられるものは食べていたはず。数回死んだしペットも殺されたが、Ko-rinを止めるのは誰もいなかった。
 最終的にはルニ製帽子・首・腕・手・ライオン胴・回避足にソウルシーカーを持ち、ネクロ+10本とアクセサリーで吸血鬼化できるようになった。スキルは剣110位・戦術110・アナトミ110・武士105・盾100・騎士75・ネクロ60以上、ステスク10入れてSTR95・DEX120・INT20だったはず。吸血鬼化維持にスキルがいらなかった時代の白豚だ。

 Ko-rinが成長してからは戦闘が非常に楽だった。ルンビ胴に回避低下メガネなどで固めた白豚には及ばなかったが、シーカーで亜人を叩くだけなら非常に効率が良く、お金もそこそこ手に入る。しかし当時は転送バッグの仕様が重量制だったために稼ぎ辛い環境ではあったのだが。
 自然とmamiさんと遊ぶ機会も減り、ギルドシグマの面々との時間が増えた。戦士をやってわかったことだが、mamiさんの戦い方はターゲットPMでモンスターを止めつつペットアタックを行うやり方であり、周囲に沸きの少ないお金持ちのモンス1体を延々と仕留めるのが常だったらしい。
 対してKo-rinは、イルシェナーの誠実あたりでサイクロプス相手にワールウィンドを放つ戦い方がメインであり、多数の雑魚と戦えるということでギルド活動向きであった。

 シグマではイルシェナーのダンジョンで金閣下と戦ったり、ドレッドホーン・シタデル・パロキシムスのボス討伐にも行った。少しずつ、スキルを最適化して装備もランクアップさせると自分が強くなっていくのが実感できた。サイクロプスからサイクロプスパラゴン、タイタン、そしてタイタンパラゴンまで。もっとも装備の関係上、タイタンパラゴンを離脱ありで倒すのが限界だったが。ちなみに今でこそ白豚よりも包帯純騎士の方が自分にあっていると気付くわけだが、その当時は錬成などもなく、白豚・ネクパラ以外の戦士は趣味キャラ状態だった。そのため白豚以外の選択肢はなく、何とか戦い方を学ぼうと苦闘していた。
 それでもいつの間にかmamiさんの戦士キャラよりは強くなっていたらしい。
「武器に速度30ついてても最速で振れないよう(TT)」
「それってスタミナが低すぎるんじゃないですかw」
「うーん……Kanamiの戦士ってスタミナいくつ?」
「DEXで120取ってますね」
「え! DEXで120だったらSTRも結構入れてるでしょう? じゃあマナが少ないんじゃないの?」
「INT20のマナ40ですよ」
「ええ!? マナ足りなくならない?@@ こいつはね、INT100確保してるよ」
 いや、別にそんなことはなかった。錬成もない時代、初心者上がりの貧乏戦士はKo-rinのようなステータス・スキル・装備で普通にある程度まで戦えていた。何せ抵抗All70の装備を見つけるだけでも大変だった。魔法使いでマナコスト40・秘薬低減100の装備を用意すると数M(1M=百万)吹き飛んだ。Ko-rinも使っていたソウルシーカーが半ば本気で「聖剣」と呼ばれていたのだ。
 Ko-rinは何とかmamiさんの戦士キャラを分析しようとしたが、わからなかった。確かに武器の振り速度は遅い。それに何か戦い方が危うい。まだスキル成長中らしいのだが、それを加味しても戦士として安定していない。その時は上手く説明できずに自分の装備やスキル、ステータスについて解説するだけに留めた。

 mamiさんの戦士キャラについては今でも良くわからない。一応、ポールさんからネクパラ的な育成を指南されたらしいが、mamiさんの中で独特な構成に変わっていったようだ。どうも今まで数年、PMテイマーでしか活動していなかったせいか、戦士の戦い方が身についていないようだった。また、マナの枯渇や被ダメージを極端に恐れたり、カルマが下がるのを異常に嫌っていた。
 常に体力回復を試み、モンスターを倒すと体力全快にも関わらず霊話。そのためせっかく開けていた棺桶が閉じて、こっちがいらいらした。しかもそれで死体を使ってしまうせいで、体力が減ったときの回復手段をなくしてしまうのだ。そのため結局は死亡率が高かったらしい。いつの間にかmamiさんの戦士キャラは見かけなくなった。

 そして年末が近付くにつれ、ギルドの中ではオフ会の話題がテーマとなった。

UO回顧録@桜 その3

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   第三章 ~違和感~

 シグマでの興奮も冷めない中、より一層スキル上げに励んだ。既に装備はベンダーで調達したそこそこのルニ製品だったし、武器にいたってはAFナイトキスを振り回していた。Kanamiにとっては初めてのネームドアイテムであり、しかも亜人特攻なのでデスパイスやシェイムとの相性もそれなりに良かった。土エレにも順調に勝てるようになってきた頃がKanamiの絶頂期だった。

 そうこうしている内に、どうもKanami自身のキャラ性能が余り高くはないことを理解し始めた。モンス狩り用としては無駄が多すぎるスキルな上に、回復・移動手段を全く持たなかったことが挙げられる。普段はRBのチャージを利用していたために疑問を感じなかったが、ギルド活動では足を引っ張る場面が多かった。
 今だからこそわかるのだが、ステハイ入りの忍者は対人で使うのでなければレアハンターかヒーラーかテイマーかお散歩キャラが適任だと思う。少なくともメインの稼ぎ頭にする用途では使えなかった。
 それでも何とか活躍させようとし、ついにフェンシングがスキル100となった。他のスキルも80~90代。土エレ程度ではびくともしないしガンガン戦うぜ、と張り切っていた。それでもガーゴイルやリーパーは強敵だったのだが……。

 その頃、KanamiはmamiさんとMSNチャットもしていた。ギルドシグマに入った頃、mamiさんからチャットのお誘いがあったのだ。mamiさんって少し変な人? と思いつつ、アドレスを交換した。
 Kanamiは確かに女キャラだったが、別にネカマだったわけじゃない。一人称も「僕」だったし、どこをどう見てもプレイヤーは男だとわかったと思う。ギルドシグマの面々からは即男と断定された。
 まあ、でもmamiさんはKanamiのことをプレイヤーも含めて完全に女性だと思っていたらしい。最初のMSNチャットで交わされた内容がまさにそれだった。
(ああ、どうりでUO内結婚しようとか言い寄られるわけだ……)
 KanamiはすでにmamiさんよりUO内結婚の話題を出されており、一旦断っていた。それでもことあるごとにmamiさんはそういった微妙にセクシャルなネタを出して来て、Kanamiもそれなりにストレスが溜まっていたのだ。後で聞いた話だが、mamiさんが嫌われる一因は気に入った人(男女キャラ問わず)に即求愛を始めるところだったそうな。
 また、ある日なんぞエロ動画(確か「【無修正】フェラ.avi」みたいな名前)を「これ、面白いよ」と言ってMSNチャットのファイル交換機能で送りつけようともしていた。その瞬間はウイルスだと思い込みましたよ、ええ。
 また、MSNチャットは多人数での会話もできるのだが、いきなりUO友達(僕にとって赤の他人だし、その人にとっても僕は知らない人)を会話に参加させたりもしていた。

 フェンシングがスキルGMとなって間もないころだ。いつもの通りmamiさんとヘイブンで会話していたときのことだ。なにがきっかけかは忘れたが、mamiさんがスキルについて注文をつけてきた。包帯が大切だの騎士が必要だの。それをKanamiは聞き流した。
 実はmamiさんは戦士が不得意であり、だからテイマーのmamiしか表に出ていないのだ……そんな話をシグマの面々からこっそりと聞いていた。スキルが完成しつつあるKanamiにとってmamiさんの話など流しても良いと思っていた。しかもmamiさんは会うたびに言うことが違い、ある日は騎士だったりまたある日は魔法だったりと一貫しなかったのもKanamiが話半分に聞く原因でもあった。その無方向性のためにKanamiは魔法や包帯、騎士などのスキルが中途半端に入っているのだった。
「じゃあもし包帯がなかったらこいつら倒せる? 倒せないよね?」
 どんな流れだったかは忘れたが、そう言ってルンビ牧場と呼ばれる世界に連れていかれた。一瞬で目の前が真っ暗になり、お気に入りのオスタード共々殺された。1人と1匹のの死体に群がる黒い甲虫を白黒画面で眺めていたことまでは覚えている。
 どうやってヘイブンに戻ったのかはわからないが、しばらくはログアウトしても画面をぼうっと見ていた。

 そしておもむろにUO職業案内所を見始めた。

2011年1月9日日曜日

騎士でタイマン10:ice bone daemon篇

 UOの世界も激変し、大航海拡張時代に突入した。
 2010年の秋には新たなる敵「ベイン」というものが出て、ブリタニアの人々を恐怖に陥れた。
 これはスカラブレイを守るために立ち上がった1人の騎士の物語である……。


 というわけで、ice bone daemon(青骨:仮名)と戦ってみた。1月にもなった現在、青骨を叩く人もおらん。妖精特攻剣もみんなの手に渡ったし、ディスマウントなんて使う面倒な敵は願い下げだろう。


Slasher of Veils
ステータス
Strength 1257 - 1287 Dexterity 144 - 155
Intelligence162 - 180
Base Damage
Hit Points 8420-
8887
Stamina 144 - 145
Mana 1000
24 - 29
属性値 物理 冷気 エネルギー
攻撃 40 15
15 15 15
抵抗 65 - 75 65 - 75
60 - 70 65 - 75 65 - 75
スキル
Wrestling 125.5 - 139.6 Tactics 120.5 - 130.0
Regist
Spells
101.0 - 118.6 Anatomy 121.9 - 128.2
Poisoning --- Magery  ---
Eva. Int.  ---  Meditation  --- 
特殊能力
引き寄せ、ブリードアタック、ディスマウント、クラッシングブロウ
特攻 悪魔族 バード難易度 130
生息地 各街(2010ヴァーチューベインの侵攻イベント)
戦利品質 S 敵の強さ B
カルマ・フェイム 狩りの旨み S
※ (最高)S > A > B > C > D > E >F(最低)
もちろん僕の主観である。Sが大体、各ボスや強mobパラゴンクラスが目安。
カルマ・フェイムはあまり厳密に計っていない。「?」とあってもキニシナ~イ。
狩りの旨みはmobが弱くて戦利品質が良いほど最高ランクへ。
特攻があったり周辺環境が楽なら敵が強くても上位ランクになる。
備考
 見ての通り特殊攻撃は怖くない。飛び道具を持っていないのでフェイントさえあれば白豚のごちそうとなってしまう。一応攻撃力は高いので、張り付くときは注意せよ。
(※ データはほぼ全てUOモンスター協会からの丸写し。感謝!)

 能力はこんな感じ。最近モンスターがディスマウントを使うのが流行り? 確かに馬鹿の一つ覚えのごとく乗りドラ騎乗が主流だし、僕も本気でのバトルは乗りドラを使っているが……。後は出血で包帯が無効になるのが地味に痛い。

 それでは誰からも邪魔されない内にバトルスタート。

 武器はいつぞやかの時に使った悪魔特効ハンマーピック。エネワンかけてイグノアをひたすら浴びせる作戦で行く。

 ファーストアタック。与ダメは145。こんなものかな。

 青骨はブレスも魔法も、地震も持っていないためヤマンドンの強化版と考えたら良いだろう。とりあえず悪魔特攻+エネワンでイグノア連打続行。
 イグノアの最大の強みは与ダメが安定している点にあるのかもね。170前後絶対に入るので戦闘時間を予測しやすい。まあ、カスリが多いのだが。


 被ダメは60前後。乗りドラなら45前後まで抑えることができるので、張り付きが比較的楽なんだ。
 しかい今回は乗りドラ使っていないのでHPの半分が削られる。まったりと戦おう。1回駆け抜けたら包帯を待つべし。

 面倒になったのか、張り付き始めた。DF唱えれば速度なしハンマーピックといえども2.5秒くらいで振り回せる。おせえ。ライフリで吸ってもジリ貧となる。結局は数回張り付いて包帯離脱し、再度張り付かざるを得ない。本気で1VS1で戦うならハンピ役に立つんだけどねえ。

 いくらライフリがあるとは言え、こんな化物相手に純騎士が張り付くほうが間違っていたようだ。2発殴られただけでかなりギリギリになる。もう少しHP増やそうかな……。


 いつもの通りHPが減ったら逃げ始めるモンスター。逃げないモンスターも面倒だけど、逃げるだけの連中もうざい事この上ない。まあ、青骨は魔法がないからGH連打しないだけましということか。
 どうでも良いけど、地味に出血が邪魔。包帯が無駄になったことも何度もあった。面倒じゃあ!

 1回エネワン切らして退治。所要時間約10分前後? 非常に楽でございました。
 街の中は平穏なのに青骨が沸きまくる。

2011年1月8日土曜日

UO回顧録@桜 その2

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   第二章 ~安寧~

 UOでmamiさん、ポールさんに出会ってから、彼らの入っているギルドに入りたいと思った。
 そこで僕の取った方法はmyUOで検索することであった。今から思うと、よくもまあ思いついたな、と感心する。myUOを使ったことなんぞ、これが最初で最後である。それくらい必死だったのだ。
 そのギルドの名はシグマ。ちなみに、ここまで書いておいて難だが、実はギルドシグマもポールさんもこれからの話しには余り関係がなかったりする。僕の思い出には重要な人たちだけど、物語としては脇役も脇役なのだ。まあ、こんなことがありましたーということで。
 また、もうネタばらしをしてしまおう。桜に詳しい人ならピンとくるかもしれないが、mamiさんは「あの」mamiである。飛鳥のプリサミと言えばが知っている人は多いだろうか。俗にいう「珍獣」って奴だった。実は僕に対してはそこまでアレレな言動を行わなかったのだが(ただし他の人と比較して、だ)漏れ聞こえてくる噂では相当なものだったらしい。
 だからUOでmamiさんと出会った日に、彼と距離をおくよう注意してくれた人がいたんだと思う。初心者狩りもそうだしMPKまがいのこともしていたらしい。ヘイブン住民間では有名だったそうな。ただしそんなことを知ったのもUOで遊ぶようになってしばらくしてからだった。

「さっきから見てたんだけど…」
「あまりさっきの人(mamiさんのこと)と関わらないほうがいいよ」
「あーあ、初心者にお金も装備も渡しちゃって…」
 こんなことを言われた。今でこそ非難されるべき行為だとわかるのだが、当時のKanamiは、
(おいおい、何だよ偉そうに。知り合いの見極めくらい自分で決めるよ)
と憤慨しつつ当たり障りもない返事をしていた。世の中には本当に言葉が通じない人もいる、そんなことすら僕は知らなかった。

 ギルドシグマをmyUOで検索し、ギルドハウスも見つけたKanamiはスキル上げ訓練も行わずに一目散に走った。場所はマラスの、パラリでいう13-b付近。馬すら手に入れていなかった。
 幸か不幸か、クリスタルエレメンタルにも遭遇せずにシグマのギルドハウスまでたどり着いたが、誰もいない。後で知ったが、その日はギルドの活動日ではなかったのだ。でもUO日記サイトなどでブリタニアの住民は何をするでもなくギルドハウスでお喋りに興じているとの先入観を持っていたために、ショックだった。
 泣きながら帰るKanami。ヘイブンにmamiさんもいなかったのでおとなしくスキル上げをした。

 偶然だけどmamiさんには1週間ほど出会えなかった。Kanamiもヤングクエストが終わり、ベンダー巡りで防具を購入したり、ダンジョンに行ったりと忙しかったし、mamiさんはリアルの方で時間がまちまちになってしまう仕事に就いているらしかった。
 KanamiはmamiさんからもらったHQ青皮鎧をいまだに着続け、武器はPCベンダーで買ったクリスを使っていた。オスタードも買って行動範囲が広がった。見るもの全てが新しくて、楽しい日々だった。ちなみに当時のKanamiは何と魔法も騎士も入っておらず、どこに行くのも自らの肉体を使っていた。だって忍者のテンプレにはなかったんだもん、そりゃないぜ、EA様。スキルはフェンシング・戦術・アナトミ・忍術・ハイド・ステルス・フォーカスだったはず。ここで騎士も包帯も魔法もないことが後の小トラブルになる。
 そしてついに土エレを倒せるようになる頃、お金もそれまでに比べて得るようになった。実はKanamiはモンスターから皮や宝石を剥ぎ取ることは知っていたが、PC・NPCに売ることまでは考えつかなかった。しかも転送バッグの仕様が一時的に重量制となった頃で、ダンジョンへの篭もりが行いにくかったのだ。そのため比較的装備が悪かったが、それでもMAF白熊帽子を装備して意気揚々としていた。悲劇はその頃から起こり始めた。サソリに毒を浴び、死んでしまったのだ。当時も今も、僕はペットが死ぬのが嫌で嫌で堪らない。自分のキャラが死ぬのは慣れるのだが、ペットはどうにも……。UOSAみたいにペット蘇生のNPCがいない時代だったからかもね。暇人の集団だとか、実はGMの別キャラだとか言われているヘイブンのResQさん(ペット蘇生を専門にしている方。UOML時代はお世話になりました)もいつもいるとは限らないのだ。買ったばかりのラマで散歩しているときにリーパーに二人とも殺された時なんぞ、泣きそうになりながらもう一匹ペット屋さんから購入をした。
 より性能のよい防具を買って、殺されないようにしなければと決意したKanamiであった。

 mamiさんと再び出会ったのはそんな感じで順調に成長している時だ。ギルドシグマに入りたかったKanamiはすぐにそれを伝えた。それから数日間はヘイブンでmamiさんと会って狩りに出かける日々だった。もっともmamiさんが氷オーガロードにターゲットPMをかけて、それをKanamiが横殴りをするだけだったので、飽きるのも早かったのだが。
 そうそう、狩りが終わるとmamiさんの部屋に連れていかれてそこで就寝(ログアウト)されるのも微妙だった。マラスアンブラの西側、馬で走って1分ほどの場所なんて初心者にはわからないよ(パラリ26-Q辺りかな)。
「ここはマミのおうち」
「カナミンは自由につかっていよ」
「だってカナミンもここの人だし」
「寝るまえに2人でベッドに入ろう♪」
 そんな囁きを聞きつつ、mamiさんがログアウトをすると一目散にヘイブンに帰る毎日であった。

 数日後ギルドの定例会に出た。
 ギルマスのゼロさん、初日に出会ったポールさん、mamiさん、他ギルメン3人くらい、そしてKanami。特に試験などもなくギルドに入会し、それからイルシェナーのエクソダスダンジョンへの道となった。
 初めて見るエクソダスオーバーシーアとかが恐ろしくてシグマの戦士の影に隠れていた。
 mamiさんはというと、意外と何もやってなかった。いつものドラゴンでの狩りなどもせず、みんなの後からついてくるだけ。その内に寝る時間となったらしく、先に帰るmamiさん。
 一般的にはこれからが夜だったので、Kanami達はダンジョンで狩りをして過ごした。始めてのギルド活動は大興奮だった。

2011年1月7日金曜日

UO回顧録@桜 その1

 もう時効だろう。当時のことを知っている人はいないし、あの時桜で騒ぎを見ていた人たちも忘れているに違いない。直接の原因は彼にあってにせよ、引き金を引いたのは僕である。若さを言い訳にしてはいけないが、とにかく僕は社会経験がなかったために、スルーすれば良かった爆弾を暴発させてしまったのだ。
 そんな昔話でも語ろうか。

 ……これは古い話だ。今は出雲でUOしており、その内容を記事にしている僕だが、実は一回引退経験があり、しかもアカウントもリセットしている。
 かつては桜シャードで半年ほど遊び、ある出来事から無限に移住し、リアル生活の変動により引退をした。その契機となった顛末をこれから語るつもりだ。ちなみにその旧アカウント時代の思い出の一部は、このブログの「旧UO日記」ラベルで見ることができる。逃亡した先の無限での生活しか書かれていないが、僕にとっては懐かしいものだ。



   第一章 ~出会い~


 僕が初めてUOに出会ったのは1999年頃だったと思う。パソコンゲーム雑誌のLog-inがUOマンガを連載して、それでネットゲームもUOもその存在を知ったのだ。当時のことはここにも書いたが、インターネットが環境的に使えなかった時代であり、しかもパソコンを買ってもらいたてだったため、親にUOがやりたいとねだり、駄目だと言われたのだった。それでもUOを諦めきれなかった僕はUO日記サイトを巡るという技にでた。むらさきうにさんを始め、ココナの小部屋、うるてぃまらりあっと、ダミアンさんとかフェンサー女王とかけつねさん、鉱山PK田中にサギ師(名前忘れた)までかなり様々なUO関連コンテツを読破した。
 大学生活も終わりに近づき、将来の展望が読めた頃、初めてUOにログインした。シャードは当時選択画面の一番上にあった桜。とあるゲームのキャラを元ネタにし、性別は女、種族は人間、職業は忍者。ヘイブンに降り立った日のことは今でも忘れられない。ゲーム内で夜になり、周囲が闇に包まれる中、ヘイブンで談笑している人々が明かりに照らされ赤やオレンジ色が眩しく映った。湊にはドラゴンがおり、その巨体に圧倒された。全てが憧れていたUOだった。Kanamiが桜に誕生した。

 今となっては笑い話だが、僕のUO知識というのは更新も止まって久しいネット日記であったために、その当時の仕様とはかけ離れていた。金属鎧を着るとDEXが下がる、魔法ダメージを軽減するにはレジスペを上げなければならない――を始めとして、AFなんて知らない・パワスクって何・イルシェナーの存在もよくわからない・ヘイブンってヤングじゃない人も入れたんだetc。僕が慣れ親しんだ知識はUOML発売から数年たった当時では使い物にならなかった。だから事前にパラリなどで勉強はしたし、UO職業案内所とかも見た。スポイラー系が好きだったからねえ。それでも実際の体験は数値などの情報をも圧倒してしまうほどのものだったんだ。

「ねえ、君初めてUO来たの?」
 ヘイブンでスキルロックをしていると(この程度のことは知っていたスレたプレイヤーだったんだ)、黒い馬に乗ったベテランそうな人に話しかけられた。彼というか「彼女」というか、その人がこれから話す出来事の中心人物となるが、それはまだまだ未来の話。
 名はmamiさん。テイマーらしかった。所謂PM入りのBTM(バードテイマーメイジ)だ。PD(ペーパードール。キャラクターの装備を含めた外観に自己紹介を見ることができる)を開くと、凄まじそうな装備を持っていた。しかもキャラ設定が書いてある。これぞUOの醍醐味だよなーと思いつつ、彼と話をし始めた。内容は他愛もないことだ。どんな職業になりたいのかとかフェルッカは危ないよとか、本来ならUO初心者への助言としては適切だったと思う。でも僕はそういった一般的な意味での初心者ではなかった。UO日記サイトで知っていたために、できればmamiさんとの会話もほどほどに、スキル上げを始めたかった。
 それでも彼の話に付き合ったのは、知り合いを作りたかったからなんだ。今ヘイブンを覗くとわかるが、一人でヘイブン住民の真ん中に放り出されても友達になれる気がしないと思う。降り立った瞬間に入りづらい雰囲気を察し、だからこそ話しかけてきてくれたmamiさんとの話を楽しんだのだ。
 ある程度レクチャーらしきものが終わると、スキル上げを教わった。とりあえず最初はヘイブンのインストラクターから教わるらしい。お金は彼が全て出した。さらにHQ青革鎧をそこらでうろついてた裁縫師に作ってもらった。それから当分の資金として10k(1k=1,000。だから10,000)渡された。ヤングの情緒も醍醐味も全くない始まりだった。後から知ったところ、mamiさんは「ヤング狩り・初心者狩り」と呼ばれる類の人だったらしい。初心者に不相応な高級装備をあげて一緒に遊ぶ代わりに、序盤の醍醐味を奪うことだ。
 それからどこかのダンジョンに拉致られて、彼のドラゴンの果敢なる戦いを見ていた。彼はPMテイマー。舞台は多分だけど、イルシェナーのブラッドダンジョン。敵は恐らく血エレ。まあ、そういうことだ。Kanamiはナイトサイトをかけてもらいつつ立ってただけだった。

 それだけだったらもう彼には会わなかったと思う。色々世話をしてもらったものの、身勝手なことこの上なかったし、ダンジョンまで連れまわすのは非常識すぎると当時の僕でもわかった。だからそろそろ帰還を言い出そうと思ったときに、奴が出た。
 金閣下である。

 旧ブリタニア大陸中最強の黒閣下のパラゴン、それが金閣下と呼ばれたモンスターだ。当然mamiさんのドラゴン程度では話にならない。Kanamiたちはとりあえず逃げたものの、Kanamiは当然徒歩だったのですぐに追いつかれる。mamiさんはKanamiをインビジで隠しつつPMとドラゴンで対抗するも一瞬でやられた。どうしようもなくなったその時、戦士に助けられた。
「ありがとう! マミは金閣下なんて無理。ブリタニア最強だけどあいつだけには絶対に勝てない」
「戦士だったらこのくらいは普通だろうよ。ってかマミも倒せるよう練習しろよ」
「マミは金閣下となんて戦わないからいいの! プンプン」
 こんな会話だったと思う。彼はポールさん。どうもmamiさんの友達らしい。よく見たら同じギルドに入っているではないか。助けてくれた戦士は圧倒的な強さを持つ金閣下に対して一歩も引かずに屠った。Kanamiたちはその隙に逃げ出したものの、戦士の格好良さを強く印象づけられた。それから戦士の彼が入っていたギルドに加入しようとも思った。

 かくして僕の長い初UOの一日は終わり、ヘイブンに1人で戻ると通りすがりの人から奇妙なことを言われた。さっきまで話していたテイマーさんとは仲良くしないほうが良いよ、と。

ゴジラVSキングギドラ(1991)

 前作であるVSビオランテの続編。
 いろんな意味で時代の流れを感じさせる作品である。未来の日本は大繁栄を極めているから現代の日本を潰しに来ました! な、なんだってー(ry みたいな古さが完全に出てしまっている。映画が公開された時期にバブルが崩壊とか、時事ネタをストーリーに盛り込むのって大変だねーとヒトゴトながら思った。しかしこれに懲りたのか、次昨VSモスラ以降、デストロイアまで一貫して時事的なストーリーはなかった。
 内容だが、メカキングギドラの存在に度肝を抜かれたとか、そんな怪獣話はともかくとして、特筆すべきはハリウッド映画の影響だろう。タイムトラベルはバック・トゥ・ザ・フューチャーの影響らしいし、アンドロイドはターミネーターだろうね。調べてみるとターミネーター2が少し前に公開されているが……。さすがにこれをパクったというのは言い過ぎかな。でもVSキングギドラでのアンドロイドが走るシーンはターミネーター2を思い出させるものだったが……。別にパクリの是非を言いたいのではなくて、面白いと思ったものをそのまま映画に取り込めてしまったんだよね、1991年って。しかもハリウッド映画を。今だったらパクるほど価値のある映画ってあるのだろうか。しかもそれを原液のまま自分たちの映画に出してしまえるのだろうか。バブル時代は金だけ持って価値観はアメリカのものをありがたがっていたとか言われてるけど、まさにそれそのものだよね。
 それから10年以上たって、今度はハリウッドが日本原作のマンガなどを映画化している。日本は良作も駄作も(駄作のほうが印象が強すぎるのだが……。デビルマンとか)含めて大量に映画を作っている。問題は日本国内向けにしか、作れていないというところだ。将来的に日本が原作を提供する国となるのか、それとも映像化された作品を世界に提供してブームを作り出す国となるのか、どちらでも良いか。

2011年1月4日火曜日

今年の抱負など

†ブログを改良中。ブログ内検索が使いにくい。メニューバーのAboutのところに自己紹介を入れよう。上部のポケモントレーナーカードを最新のものにしたいのだけど、閉鎖しちゃってるんだよな……。更新していないカテゴリーも一気に消すか→消した
 また、インフォシークの終了の影響は意外とでかかった。最強フェンサー女王戦記がなくなってしまったよ。ググッても出てこないみたいだし、完全に閉鎖なのかな。それにしてもフマクトさんやツオネラさんとかUO系のサイトが軒並み引越しとは。

†文体。僕の文体って何か変だと思っていたが、ようやく気付いた。以前に文章をです・ます調からだ・である調に変更した時に山形浩生みたいな文を書きたいとかほざいたが(http://tellur.blogspot.com/2010/04/blog-post_24.html)全然違うなと思っていた。
 中学受験をした関係で論説文とか随筆とかでだ・である調の文章のテンポが身についちゃってるみたいだ。山形浩生の軽快かつ簡潔な感じではなく、むしろのろのろーとしたいわゆるつまらない文章のスタイルしか書けないっぽい。まあ、この年になってキャラ風文体なんて……ねぇ。あれは大学生とかだから平気で書けるわけで、それなりにリアル知り合いとかにも見られる可能性のあるブログでは使えないw

†音楽と物書き。前(http://tellur.blogspot.com/2010/12/blog-post_19.html)にも音楽について書いたが、どうも僕は文章を書こうとするときが音楽を消したがる傾向があるようだ。集中できないんだよね、音が聞こえると。
 そしてもう一つ知ったこと。僕は意外と文を書きたがる人間らしい。いや、書くよりも読むほうが好きだから、別に文を書かないタイプなんだろなーと思っていた。ブロガーとかの中には息をするように書く人々もいる中で、僕は執筆の比重がそこまで高くはない、はずだった。んー、そうか、僕にとって文章を書くのは心を落ち着かせるためなのかもしれない。そういえば社会人になってから日記という名のお小遣い帳を付けているが、あれによって気分が紛れる側面もあったかもしれん。

†twitter。だからついったーを活用せよ、とあれほど言っただろうに。むーん、今の現状だとまともに使えてないんだよなー。ぶっちゃけ発信する一方ではあっても他人からのリプライを全く見れていないというか。ブラックベリーでついってるからなあ。どうしようか考え中。

†リア充になる。結構真面目な話、ちゃんと知り合う機会とかを作り出さねばならないと思う今日この頃。同年代の人もそろそろ結婚しているし、なによりも親とかの影響から今の歳だと結婚既にしている計画だったんだよなー。どうしてこうなった。

2011年1月3日月曜日

ゴジラVSデストロイア

 ゴジラ死す。1984年公開のゴジラより始まる平成シリーズは1995年ゴジラVSデストロイアで終わりを告げたのだった。その後もゴジラは復活したものの、シリーズ化やゴジラの最期の瞬間など独特の立ち位置を収めた平成ゴジラシリーズはこれきりだった。
 平成ゴジラシリーズ最大の特徴としてはシリーズだったことが挙げられるであろう。ビオランテより出演するも一貫して脇役であった三枝未希。超能力という設定。作品を追うごとに改良されるスーパーX号。そして過去作品からのキャラクター出演。今作ゴジラVSデストロイアはそれまでの平成ゴジラシリーズにあったこのような要素を贅沢に使用した作品である。

 それはともかくとして、蒸気を出してる赤いゴジラ、格好良い! 核反応の暴走で体内で焼けている(んだよね?)のだ。熱線もオレンジ色となり、ゴジラの異常を表している。ストーリーは、1954年に科学の力で倒した怪獣であるゴジラと、その影響で蘇った怪獣デストロイアを対決させる。そしてゴジラの死を描くただそれだけだ。ゴジラのおびき寄せ&デストロイアの足止めとされたゴジラジュニア――VSメカゴジラでのベビーゴジラ――は倒れ、東京はメルトダウンにより壊滅したのも全てはゴジラの死のためにある。というか、デストロイアの吐くオキシジェンデストロイヤーを地上で撒かれていたためメルトダウンがなくても死の世界になったはず。かくして人類は勝利のようなものを収めたのだった。

 ゴジラVSデストロイアは一番初めの、1954年ゴジラを念頭においたある意味でのオマージュである。1954年のゴジラが核に対する警鐘として存在し、オキシジェンデストロイヤーで倒したのに対し、平成シリーズはゴジラという驚異へある時は遺伝子工学を、ある時は環境問題をテーマに挙げつつ、今作では「科学」そのものの驚異を取り上げたのだった。
 かつてゴジラに象徴された核の脅威は、戦後間もない時期だったために「核」であったが、その本質は科学、さらには人間の欲望そのものであった。例えばヘドラは公害そのものであり、ビオランテは遺伝子工学。しかもビオランテではゴジラの核反応を制御できるはずの抗核バクテリアがエゴのぶつかり合いによって発明者もろとも消え去ってしまった。VSデストロイアではゴジラを倒すためだけにオキシジェンデストロイヤーを再度開発しようとし、それが不可能だと知るとあろうことかもう一体の怪獣とゴジラを戦わせようとする。それはVSビオランテでの日本核武装論だったり、VSキングギドラでの日本国力削ぎ計画などにも共通した姿勢である。その結果、ひとまずゴジラ、驚異そのもの、は溶けて骨となった。
 しかしゴジラはいなくなってしまったわけではない。人間の欲望による驚異の広義の象徴であるため、また何度でも復活して東京を火の海に変えるだろう。物語的にもメルトダウンを起こしたゴジラによって急激に上がった放射能濃度(放射線な)をゴジラジュニアが吸収して生き返りゴジラと成長する描写がある(少なくとも僕はあのラストシーンはそんな解釈をした)。ゴジラジュニアはシリーズを通して人間によって制御された科学を象徴しており、それがゴジラになったのは皮肉にも思えるが、まあめでたしめでたしとなるわけだ。僕たちは歴史的に昔は驚異そのおのであったゴジラが正義の味方になったことも知っており、三枝未希を通して圧倒的な力を持ったデストロイアに立ち向かったゴジラジュニアに感情移入をしてしまうが、そもそもゴジラジュニアもそれなりに暴れん坊なわけで。それが復活して喜ぶのも変な話だよなーと思う。

 さて、今作は冷凍兵器。久々のスーパーXだ。ビオランテ以来ということだけあって、スタイルがとても良い。近未来的だけど現実にありそうな、でもよく考えたら飛ぶのが難しそうな格好良さを誇っている。乗組員のあの方もビオランテのあの人。対ゴジラ作戦室といえばこの人を思い浮かべてたので、久々の登場でうれしい。スタッフの方々もわかっているねえ(ただし役者は違うらしい。でも多少顔が変わったほうが時間の経過を表せていて良いと思う)。ついでにメーサー戦車も心なしかやたらにスタイリッシュになった? 怪獣映画ではヤラレ役以上の存在ではないが、格好悪ければ面白く無いからね。メーサー戦車もスーパーXも今作では冷凍兵器。もともと原発事故や核戦争用に用意していたらしいが、真田さんでもいたのだろうかw 普通のメーサー戦車と同じくらい大量にいたぞ。これら冷凍兵器で体内温度の上がったゴジラを凍らせて爆発の衝撃を防ごうと、それを軸にストーリーが進むのだ。
 まあぶっちゃけラスト近くのデストロイア戦→ゴジラの最期が全てだよ。それまでの人間模様なんてどうでも良い。デストロイア幼体と特殊部隊の戦いなんて、エイリアンの爪の垢でも煎じて~ってなほどだったりする。たしかに今までのゴジラ映画では人間と怪物の戦闘なんてないけど……ガメラ2のレギオン戦闘を見ちゃったしねえ。さすがにガメラは人間を描かすと上手い。その代わりガメラ2の怪獣同士の戦いは不完全燃焼気味だったけど。どちらも一長一短。棲み分けが大切。

 そして今作の目玉は超能力の代名詞、三枝未希の役目が終わったことにある。三枝未希ってのも平成ゴジラが特異な立ち位置にいた象徴でもあって、個人的には綺麗に物語を閉じることができたと思う。彼女は何ていうかVSメカゴジラの頃からゴジラの母親的存在になってしまっていたからね。このままシリーズが続いてもゴジラが正義の味方になって、つまらない映画になってしまったかもしれない。もう1人の超能力者はなかなかドライで、この人のほうがゴジラの巫女としてはふさわしいかも。まあ、ゴジラと共にバトンタッチを描けてよかったのかも。

 今作のゴジラ。上にも書いたけど、赤くて格好良いのだ。夕闇に映えている。放射能を吐くときも背びれが黄色く光って、そしてオレンジ色の熱線が出る。デストロイアとの最終決戦なんてゴジラの周りにコロナができて辺り一面吹き飛ぶんだぜ。すげえ。しかもゴジラは蒸気を出し続けていて、それがまた神秘的というか何というか。デストロイアが爆発した炎を背景にゴジラが溶け始め、それをメーサー戦車部隊が冷凍光線を浴びせ続けるってのも絵になるよなあ。ゴジラは最初から最期まで、メーサー戦車に砲撃され続ける存在なのも感慨深いものがある。冷凍光線がダイアモンドダストみたいになってるさなか、ゴジラの皮膚が溶けて、一瞬だけ骨が見えて崩れ去るのがもう最高。背ビレが爆発して、吹き飛ぶなんて日本の特撮の芸術性を見事に表しているんじゃないかなあ。


 怪獣ものって観客数が少ないと簡単に打ち切りになるから、ゴジラの死を丁寧に描いてくれた意味でも重要な作品だと思う。デストロイアの生態とか、デストロイアに止めをさしたのがG-フォースとか、色々不満を抱くかもしれないけど、それでもあのラストシーンのために見る価値はあると思う。僕の考える平成ゴジラの面白さは

デストロイア>メカゴジラ>ビオランテ>スペースゴジラ>他

だろう。

2011年1月1日土曜日

あけましておめでとうございます

 2011年が明けました。
 今年も皆様にとって良い年でありますように。
 このブログもよろしくお願いします。